「株主優待」は株を保有している企業の自社製品の割引や、サービスを受け取ることができます。
また、「配当」よりも高い利回りが獲得できる、日本独自の制度です。
現在優待を実施している企業は全上場企業の40%にも登っています。
今回のコンテンツでは、「優待つなぎ売り」にも便利な楽天証券の魅力についてお伝えしていきます。
目次
Contents
楽天証券の優待株検索画面への画面遷移
優待株投資をするためには、楽天証券の口座を開設している前提です。
開設がまだの方は、以下のコンテンツ内の説明手順でサクッと5分で開設してしまいましょう。
口座を開設してログインした後に『国内株式』→ 『株主優待』をおすことで以下の画面に遷移します。
楽天証券の優待画面は非常に使い勝手がよいので、使用方法を画面を用いてお伝えしていきたいと思います。
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楽天証券の優待検索画面の使い方
それでは楽天証券の優待検索画面の使い方についてお伝えしていきたいと思います。
優待銘柄の内容の確認方法
まずは通常の『かんたんモード』での画面の確認方法についてお伝えしたいと思います。
(つなぎ売りモードについては後述します)
「①」で優待内容について確認することができます。
「①」内の『優待内容』を押すことで詳しい優待内容画面をみることができます。(次項ANAで開設)
また権利確定する月と、保有していたら権利が確定する権利付最終日を示してくれています。
「②」では優待獲得に最低限必要な投資金額と、優待と共に発表される配当利回りについても確認することができます。
また簡単検索として③が用意されており、以下のソートを行うことができます。
- 人気順
- 権利付最終日の近い順・遠い順
- 優待獲得最低金額安い順・高い順
- 配当利回り低い順・高い順(つなぎ売りにも影響)
- 売建可能数量少ない順・多い順(つなぎ売りに影響)
- 逆日歩安い順・高い順(つなぎ売りに影響)
さらに、詳しい検索を行いたい方にむけて左側の画面が用意されています。
優待内容と権利確定月でソートできる
検索画面の左側では様々な検索をすることができます。
まず一番使い安い優待内容と権利確定月でのソート項目です。
ではまず、以下の左画面から優待内容を『自社製品・商品・サービス』。
『権利確定月』を「3月」のボタンをチェックすることで自動で右側が検索条件にソートされます。
上記に例でいうと飛行機で有名なANAの『運賃・料金割引券等』を選択すると、優待内容のページに飛びます。
以下のように割引料金で飛行機の搭乗することができるようになります。
優待獲得最低金額、配当利回りでも検索可能
『優待内容』や『権利確定月』に加えて、下にスクロールするころで優待獲得に必要な最低金額、上場市場、配当利回りでもソーとすることができます。
「①」の株主優待に必要な最低金額。
これは、例えば、優待を獲得する条件が100株保有の場合、株価が999円以下の株価がソートされて右の画面に出てきます。
「②」では楽天証券が取り扱っている東証・マザーズ・JASDAQと名証でソートすることができます。
「③」では年複数回優待とPBR1倍といった割安銘柄ソートを行うことができます。
また、青枠については、配当は確かに配当を含めた優待の魅力度を図りたい人には有効となります。
しかし、『つなぎ売り』『逆日歩』とともに、これから説明する『優待つなぎ売り』をしたい方に重要な項目となります。
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『優待つなぎ売り』のメリットと注意点
「つなぎ売り」について今まで濁してきました。
忘れてしまった方に思い出してもらうためにも、再度、内容をおさらいをしていきたいと思います。
既にご存知の方は読み飛ばしてください。
■ つなぎ売りのおさらい:
優待銘柄は優待権利落ち後に株価が下落してしまう
優待銘柄は、優待を出すと同時に配当金を拠出します。
つまり、優待と配当だけを獲得することを狙って投資を行う投資家もたくさんいます。
優待・配当だけを狙う投資家は、権利が確定した翌日の権利落ち日に売却をします。
これはつまり、権利落ち日にその銘柄の株価が下落してしまう恐れがあります。
「つなぎ売り」で株価下落の影響を回避しよう!
「つなぎ売り」は権利落ち日の下落の影響を抑えて、優待だけを獲得するための手法として確立されています。
手順としては権利付最終日の寄付で対象銘柄の現物株を購入すると同時に、同じ銘柄を同数「空売り」します。
「空売り」とは信用口座を開設している方ができる取引です。
通常の株取引は「買い」からしか相場に入れません。
しかし、空売りは「売り」から相場に入ることができる手法です。
わかりやすく、例を見てみましょう。
- ある優待対象銘柄を権利付最終日の100株寄付で購入。
- 同時に100株を空売り(信用売り)。
- 購入単価と空売り単価が共に1000円とする。
- 翌日権利落ち日に、株価が100円下落して900円になる。
- 現物買では100円分×100株で1万円の損失が発生。
- 空売りでは1万円分の利益が発生。
- 現物買いと空売りで相殺となる。
結果、「現物買の損失」と、「空売りの利益」が合計で0となります。
これで、株価下落の影響を回避することができるのです。
最後に空売りしている分を、購入している現物で返済する「現渡」で返済することによって取引を完了します。
これで、優待だけを獲得することができます。
■ 現渡とは:
空売りは証券会社から株を一旦借りてきて売却しているので、証券会社に株を返さなければいけません。
現在保有している現物の株がある場合は現物株を証券会社に返却して取引を閉じることができます。
現物株で返済することを『現渡』とよび、手数料を節約できるというメリットがあります。
『つなぎ売り』の注意点①:逆日歩には気をつけよう
つなぎ売りには空売りする必要があります。
空売りには「制度信用取引」と「一般信用取引」の二種類があります。
詳しくは上記コンテンツに譲りますが、『制度信用取引』は空売りを行う際、
証券会社が日本証券金融株式会社(以下:日証金)から株を借りて、投資家に空売りする株を貸し付けます。
しかし、日証金が証券会社に貸し付ける株がなくなった場合は、市場から株を調達して来なければなりません。
従い、その分のコストが発生します。
発生したコストは証券会社に付与され、証券会社は空売りする投資家にコストの負担を求めます。
これが逆日歩です。
例えば1株あたり1円の逆日歩が発生している場合、単元が100株だとして、10日間空売り。
これで、逆日歩発生総額=1円×100株×10日=1000円となります。
通常はこのコストが大きくなることは少ないですが、株価が1500円以上の銘柄では、最高1日40円になることも有り得ます。
仮に、1株あたり40円で1単元が100株の銘柄を、つなぎ売りのために1日空売りした場合の逆日歩。
これは、1単元で4,000円となりうるのでバカにはなりませんね。
率でいうと、過去には中国工業で株価130円の時に1日1株15円(単元では1500円)というとんでもない率の逆日歩になったこともあります。
信太郎の言う通り、一般信用取引は証券会社と投資家の間の取引なので空売りができる銘柄においては逆日歩が発生しません。
楽天証券は『つなぎ売り』ように一般信用取引(短期)を株主優待専門に取り揃えています。
『つなぎ売り』の注意点②:配当利回りが高いと『つなぎ売り』のコストが膨張する
つなぎ売りを行うには以下の4つのコストが発生します。
- 現物株の購入手数料:約0.1%〜0.2%
- 空売りの手数料:約0.1%〜0.2%
- 空売りの貸株料:0.01%以下
- 配当金受払:配当利回り×20.315%
基本的に1-3のコストは大したことではないのですが、4の配当金受払は時として大きな金額となります。
つなぎ売りで現物株を保有することで配当金を受け取ることができます。
しかし、逆に空売りを行なっていることで配当金を支払う必要があります。
さらに厄介なことに配当を受け取る側は税金20.315%を支払わなければいけません。
そして、証券会社には税前の丸々100%を支払う必要があります。
つまり配当金が1株20円の銘柄で100株つなぎ売りを行なった場合、合計は▲417円となります。
● 現物買による配当金受取;20円×100株×(100%-20.315%)=1,593円
● 空売りによる配当金支払:20円×100株=2000円
合計:▲417円
つまり配当利回りが高い銘柄ほど『つなぎ売り』のコストが高くなってしまうのです。
■ つなぎ売りのおさらい:
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楽天証券は『優待つなぎ売り』に便利なネット証券
楽天証券は優待つなぎ売りを行う画面が整備されている証券会社です。
最初の紹介した画面は以下の『かんたんモード』でしたが、つなぎ売りを行う場合は①『つなぎ売りモード』を選択しましょう。
次に②の『つなぎ売り向けの銘柄』を選択することで『つなぎ売り』が可能な銘柄が右側に表示されます。
もちろん、最初の方に説明した通り、優待獲得月や優待内容、最低投資金額も条件に付け加えることが可能です。
③では制度信用取引のみか一般信用取引も取引可能かという点が表示されます。
逆日歩が恐ければ一般売建が可能な銘柄を選択する必要がありますが、取引可能な銘柄は少ないという難点があります。
制度信用取引でも逆日歩が発生する可能性が高いか低いかを見極める方法については以下記事内で説明しております。
参考にしてみてください。
④では逆日歩が発生しているかどうかを表示してくれるだけでありません。
現在売建が可能な株数更につなぎ売りのコストに影響する配当利回りまでも一覧で見ることができます。
つなぎ売りを行うにあたって抜群に使い勝手の良い画面となっています。
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まとめ
楽天証券は銘柄検索が非常に便利なだけでなく、
株価下落の影響を気にせず優待のみを得る『つなぎ売り』に便利な仕様となっています。
優待株投資するにあたり、非常におすすめの証券会社となっています。
以上、【優待株投資】楽天証券が「つなぎ売り(クロス取引)」にはおすすめ!失敗しない便利な検索機能など使用方法について徹底解説!…でした。