結婚や妊娠をきっかけに会社を退職し、その新生活に慣れたあとしばらくして、もう一度仕事を始めようとする女性の方は多いはずです。
再度働き始めることによって、収入が増えたことにより夫の扶養から外れることになった場合には、
できるだけ早く「扶養家族」から自身を外す手続きが必要になります。
今回は、主に「社会保険」(国民健康保険)の面で、扶養から外れる手続き方法とタイミングについて詳しくご説明したいと思います。
尚、このような社会保険や税金などのルールについての知識は、資産形成をしていく上でさらに重要性が高まっています。
以下に、様々なジャンルの書籍やセミナーなどを紹介していますので、そちらも参考にしてみてくださいね。
目次
社会保険の扶養から外れる手続きとその年収基準は?
収入が増え扶養から外れることが分かった時には、できるだけ早く「健康保険被扶養者(異動)届」を扶養者の勤務先へ提出する必要があります。
また、同時に今お持ちの「健康保険証」も添付して扶養者の勤務先へ提出しましょう。
被扶養者としての年収基準は日本年金機構にも記載されている通り、以下のようになっています。
◆ 被扶養者としての年収基準:
- 年間収入130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は、年間収入180万円未満)
- 同居の場合は、収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満
- 別居の場合は、収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満
つまり、一般的に夫と同居している主婦の場合では、継続的な年間収入が①130万円または②夫の収入の1/2を超えてしまうと、扶養から外れる必要があるというわけです。
また、勤務先で健康保険(社会保険)に加入した場合は、必ず扶養から外れることになり、手続きが必要となります。
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扶養から外れるタイミングは?(社会保険面)
「社会保険」(健康保険)の場合に、扶養から外れるタイミングは、「当該事実発生から5日以内」となっております。
会社から年金事務所に届け出ることになっています。
つまり、扶養から外れるタイミングは、事実が発生した年月日(就職日)となります。
例えば、2月頃に4月1日から働くことが決まった場合には、「就職」という事実が発生する日は4月1日になります。
従い、4月1日に夫(被保険者)の会社に「妻が就職したので扶養から外れます」と報告し、保険証を返却すればOK。
保険証を先に返却してしまうと、就職するまでの期間、医療機関での保険証の提示ができなくなってしまうのでご注意ください。
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扶養から外す手続きはこんなふうに(税金面)
税金(所得税・住民税)に関しては、扶養を外す手続きはそこまで手間のかかるものではありません。
会社員の方であれば、毎年11月頃に所属する会社へ提出する2種類の年末調整の書類のみです。
参考までに以下は国税庁HPで閲覧できる上記2種類の書類です。
扶養を外す流れとしては、以下となります。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 | 控除対象配偶者 or 控除対象扶養親族の欄に扶養から外れる人の名前を記入しない。 |
給与所得者の保険料控除及び配偶者特別控除の申告書 | 配偶者で給与収入が103万円超~141万円未満である人は、 配偶者特別控除の欄に記入。 |
2つの書類を所属する会社に提出します。
あとは担当部署が扶養が外れた状態での年末調整を実施し、所得税が精算されることになります。
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家族の収支への影響
扶養から外れると、扶養控除がなくなり被保険者の税金が高くなったり、これまで会社から支給されていた扶養手当がなくなったりします。
また、本人に健康保険料などの保険料負担が少なくとも月額数万円加わることになります。
扶養から外れることで、トータルの手取り収入が減少してしまう可能性もあります。
扶養手当の金額や保険料などは人それぞれ違うので一概には言えません。
しかし、おおよその目安として、手取りが減らないための年収基準は150万円以上と言えるでしょう。
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まとめ
扶養から外れる場合には所定の手続きが必要であり、世帯収入によっては、家計への影響も大きいと言えます。
扶養から外れて労働時間を増やすか、そのままで労働時間を抑えるか。
判断に困ったときは、短期的な目線だけでなく、長期的な目線でも考え直してみましょう。
扶養に入って国民年金の第3号被保険者でいるよりは、扶養から外れて厚生年金に加入した方が、将来の年金支給額は多くなります。
けがや病気の場合には傷病手当金も支給されますし、妊娠して産休を取る際は出産手当金も支給がされます。
このように短期の手取り収入だけでなく、将来を見据えた長期的ビジョンでとらえて考えるようにしましょう。
あなたが扶養から外れるべきか否かの判断もしやすくなります。
さて、このような判断をするには「金融知識」が不可欠です。
「金融知識」「マネーリテラシー」とは、以下の4つのことを指します。
今回のコンテンツでは主に最初の2つに該当します。
- 家計管理能力・・・日々の生活費と給料の収支を把握
- 生活設計力・・・ライフプランを考える、老後資金の確保
- 金融・経済事情の理解・・・適切な金融商品(株・投信など)の利用・選択
- 証券・銀行などの外部情報の適切活用・・・専門家の意見を上記3つに生かす
このような金融知識を身につけるには勉強が必要です。
しかし、社会人は忙しいです。
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以上、【国民健康保険】社会保険の扶養から外れるのはいつ?手続き方法とタイミングを徹底解説します…の話題でした。