「老後や子どもの教育資金のために投資をしよう」と思っていても、実際には投資していない人は多くいるでしょう。
投資にはお金が減ってしまうリスクがあり、リスクを回避して預金する人が多いです。
預金していれば元本割れしないメリットはありますが、投資しない人にもリスクはあります。
投資しない人の問題点や未経験者に役立つ投資法を知り、投資の重要性を確認しておきましょう。
目次
Contents
なぜ投資をしない人が多いのか?
日本では海外に比べて投資する傾向が少なく、現金や預金を保有している人が多くなっています。
実際に資金循環の日米欧比較(2018年8月14日)を見てみると、家計の金融資産構成は国ごとで以下のように異なります。
● 日本:現金と預金が52.5%:株式などは10.9%:投資信託は4%
● 米国:現金と預金が13.1%:株式などは36.2%:投資信託は11.8%
● ユーロ圏:現金と預金が33%:株式などは19.2%:投資信託は9.6%
他国に比べて日本では明らかに投資の比重が少なく、お金を貯蓄する風潮が強いです。
お金を守ることを重視しているのが日本の家計の金融資産構成における特徴となっているのです。
結果として欧米に比べて資産構築の度合いに圧倒的な差が出てきています。
米国は1995年比で家計資産は2015年には3.11倍になっています。
このうち最大の要因は運用リターンによるもので2.32倍と増加要因の約8割をしめています。
一方、日本ではほとんど運用を行なっていなかったため家計資産の伸びが非常に緩やかになっています。
日本の家計資産は1995年比で1.47倍となるに留まっています。
投資しない人の性質を知るために、それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
投資しなくても生活できた?
日本では企業が終身雇用制度を導入していて、1つの会社に定年まで勤める労働者が多くいます。
経済成長期では企業で長く働くことで役職に就けて給料が増えていきました。
数十年も会社で働けば多額の退職金を得られますし、定年後には厚生年金を受給して豊かな人生を送れます。
わざわざ株式や投資信託に投資しなくても生活に必要なお金を受け取れたのです。
従来では経済が右肩上がりで成長していたため、会社で働き続けるだけで多額の金融資産を保有できました。
ですが終身雇用が崩壊にむかっている現在では働くだけでは生活難に陥りやすくなってるのです。
日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は13日、都内で開いた記者会見で終身雇用について「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べた。
豊田会長は「今の日本(の労働環境)を見ていると雇用をずっと続けている企業へのインセンティブがあまりない」と指摘。現状のままでは終身雇用の継続が難しいとの考えを示した。
金利が低いから銀行に預金していてもお金が増えず、定年後に貧しい人生を送る可能性は十分あります。
将来の生活を維持するために、今では投資してお金を増やすことが重要です。
周りに投資を相談しにくい?
お金を貯蓄する人が多い日本では他国に比べて、投資について相談しにくい面があります。
未経験者が投資を相談できる人が周りにいなければ、投資を始めるのは難しいものです。
中には「お金の話をするのは卑しい」と考える人もいて、投資の話を気軽にできない現状もあります。
親世代も貯蓄しているのが主流であり、親から投資のノウハウを受け継ぐのも難しいですね。
最近ではネットで投資情報を検索できるようになり、資産運用を検討している人がネットで投資を調べる傾向があります。
投資に関する情報をネットで調べれば、未経験者でも投資を理解することは可能です。
ですがネット上には投資の情報が数多くあり、情報を知れば知るほど理解できなくなるデメリットもあります。
周りの人たちやネットから分かりやすく投資を教えられる機会が少ないため、投資するハードルは高いのです。
汗水かいて稼いだお金に対する美徳
両親からの教育だけでなく、ウシジマ君等のドラマでも労働の美徳が強調される傾向にあります。
確かに必死に働いたお金は尊いものであることに異論を挟む余地はありません。
しかし、お金をテコにお金を稼ぐ投資を否定することは出来ません。
お金を稼ぐことに妙な貴賎感覚を持ち出してしまうのは日本人の特徴とも言えますね。
投資にはリスクがある?
貯蓄するのとは違い、株式や投資信託などに投資すると元本割れするリスクがあります。
市場の動向や為替などの影響により値動きすると、投資して損する場合があるのです。
例えばとある会社の株式を10万円分購入するとします。
もし株価が500円から1,000円まで上昇すれば、保有している株式の価値が2倍となり含み益が10万円も増えるものです。
ですが株価が1,000円から500円まで下がった場合、保有する株式の価値は1/2となります。
会社に期待して10万円も投資したのに、5万円も損するのは嫌なことですよね。
投資知識がないとリスクが高い投資手法をしがちであり、結果として損する可能性が高まります。
自分にとって不快であるリスクを避けるために、投資しないことを選ぶ人もいるのです。
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投資しない人の問題点とは?
投資知識の乏しさやリスクにより投資しない人が多いことをこれまで解説しました。
確かに銀行にお金を預けていれば元本割れするリスクはありませんが、投資しない人には次のような問題点があります。
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投資の重要性を理解するために、それぞれの問題点を詳しく知っておきましょう。
預貯金にもリスクはある
銀行の預金には元本を保証するメリットがありますが、インフレに弱いデメリットもあります。
特に2019年の現在では日本の政策金利がマイナスであるため、物価上昇率よりも預金が増えにくい傾向です。
物価が高くなるとお金の価値は減ってしまい、預貯金の価値が少なくなるリスクがあります。
例えば10kgのお米が今まで4,000円で購入できたのに、1ヶ月後には8,000円まで値上がるとします。
もし銀行預金に8,000円が入っていたとしても、時間が経つとお米が10kgしか買えなくなるのです。
デフレが続いているとイメージしにくいですが、インフレリスクがある預貯金に頼るのはリスクがあります。
物価が上がれば株価や不動産が値上がりしていきます。
インフレリスクを対策するために株式や投資信託などを購入しておくことがオススメです。
全く伸びない可処分所得
昔は日本では毎年のように国民の給与所得が上昇する時代が続きました。
しかし、現在では可処分所得は「上昇しない給与」と「増加する税金」で停滞又は減少傾向にあります。
以下は内閣府が発表しているか処分所得の推移ですが近年は前年度比マイナスの年も頻発しています。
可処分所得が減少していく状況下では自助努力で収入を増やさないと、どんどん貧しくなっていきます。
働けないと収入が途絶える
収入源が会社からの給料のみだと、働けなくなった時に収入が途絶えるリスクもあります。
労働者は働くことでお金を稼ぐため、病気や傷害により働けなくなるとお金を稼げなくなるのです。
株式や不動産などで収入源を増やせば、もし働けなくなってもお金を稼ぎ続けられます。
金融商品に投資して不労所得を築いておけば、万が一のことがあっても安心ですね。
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未経験者にオススメの投資とは?
「将来のために投資を始めたいけど、未経験者にオススメの資産運用が分からない」と悩む人もいるはず。
今まで投資したことがない人にオススメの投資は次の3つです。
それぞれの投資方法について簡単に紹介します。
NISA
NISAは少額で投資したい人が活用できる非課税制度です。
毎年120万円まで株式や投資信託を購入できて、保有している株や投資信託から得られる配当金や売却益(キャピタルゲイン)などが非課税になります。
非課税となる期間は最長5年間であり、非課税期間が終了したら売却したり課税口座に資産を移したりすることが可能です。
投資の利益にかかる約20%の税金が発生しないため投資家にとってお得です。
iDeCo
iDeCoは運用益が全額非課税となり、お得に老後資金を運用できる私的年金制度です。
対象者であれば任意で申し込めて、掛金を用意して自分で年金を運用できるのが特徴。
毎月支払う掛金は全額が所得控除の対象となり、加入することで節税できるメリットがあります。
公的年金控除や退職所得控除の対象になるから、お得に受け取れるのも嬉しいポイント。
原則として60歳までiDeCoから資金を引き出せないため、老後資金を蓄えたい人にiDeCoはオススメです。
お金の学校で学ぼう。NISA・iDeCoでも投資商品選びの選球眼は必要
資産運用を着実に成功させるには、やはり勉強が必要です。
上記のNISA・iDeCoでも、投資商品は自分で選ぶ必要があります。
そこでおすすめなのが「お金の学校」です。
我々日本人は学生時代はおろか、社会人になってもお金について学び機会がありません。
自発的に学ぶ必要がありますが、一人ではなかなか効率的に知識を身につけることができません。
そこで、お金の学校を活用して、投資・資産運用の知識を近道で獲得し、老後の不安を取り除くべく資産運用に取り組むことをおすすめします。
「自分に投資する」ということです。
自分に投資する時期は、早ければ早いほど、後年に理解スピードが向上し、新しい知識の飲み込みも早くなるものです。
金融で言えば「複利効果」です。
以下のコンテンツで、お金の学校を特集していますので参考にしてみてください。
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まとめ
投資しない人には資産が減らないメリットがありますが、インフレリスクに弱いデメリットもあります。
病気や傷害で働けなくなれば、収入源が途絶えて生活難に直面することもあるのです。
将来の生活を維持するために、NISAやiDeCoといった制度を活用して投資を始めることを勧めます。
以上、投資しない人の特徴とそのリスクを解説!お金の勉強が必須の時代到来。…でした。