「退職金所得控除」や「公的年金控除」を活用したiDeCo(=イデコ)の出口戦略を紹介する!「一時金」と「年金」をどう活用すべき?

「退職金所得控除」や「公的年金控除」を活用したiDeCo(=イデコ)の出口戦略を紹介する!「一時金」と「年金」をどう活用すべき?

iDeCoは個人が作る年金として2001年10月1日から始められた制度です。

なかなか認知が進んでいませんが、近年急速に増加をし始めて個人型確定拠出年金(=iDeCo)の加入者数は2018年末時点で120万人となっています。

 

信太郎
2020年現在では更に増えておろうが国民の100人に1人が利用しておる制度じゃ。対象年齢ベースでみると50人に1人くらいかの。

 

iDeCo加入者数の推移

(引用:日経新聞「個人型確定拠出年金(イデコ)とは 加入120万人どまり」)

 

iDeCoは「NISA」や「つみたてNISA」と同じく運用益については非課税に。

さらに、「掛金」については所得控除対象となり、所得税や住民税の節税効果まで得られるとして人気が高まっています。

 

淀姫
ただ、60歳まで引き出せなかったり、今後特別法人税が課せられる可能性があるなど、デメリットもあるんじゃがな・・・。

 

【iDeCoとは?】イデコ(個人型確定拠出年金制度)活用のメリット&デメリットを解説。NISA・つみたてNISAとの違いも徹底比較。

2018年12月17日

 

淀姫
中でも受取時に税金が発生するのは意外に知られておらぬ落とし穴よの。。
信太郎
うむ。今回はこの点について詳しくみていくぞ!出口戦略としてどのように受け取れば良いのかを考えていこうと思うぞ!

 

iDeCoには非課税や節税のメリットにばかり焦点が当てられますが、老後の受取時についてはあまり話題に上りません。

本日は出口に焦点をあててiDeCoを紐解いていきたいと思います。

 

■ 今回の内容:

 

  • iDeCoの積立終了後の受給方法とは?
  • 一時金として受け取る場合の控除と税金の算出方法とは?
  • 一時金受け取る際に適用される退職所得控除の抜け穴とは?
  • 年金として受け取る場合の控除と税金の算出方法とは?
  • 65歳で退職金を受け取る場合のiDeCoの受給戦略とは?
  • 60歳で退職金を受け取る場合のiDeCoの受給戦略とは?
  • アーリーリタイアする場合のiDeCoの受給戦略とは?

 

iDeCoは掛金と運用益は非課税だが受取時は課税

iDeCoは掛金は所得控除の対象となり、運用益は非課税となっています。

一見すると非常にお得な制度ですが受取時には掛金と運用益の全額が課税対象となります。

 

淀姫
最初に甘い汁で釣っておいて最後に結局課税するなど卑怯千万じゃ!!
信太郎
まぁまぁ慌てるではないわ!退職所得控除と公的年金控除を活用すれば税金は大幅に抑えられるぞ!

 

老後給付金受け取り時に課税

 

iDeCoは60歳になったら受け取ることができますが、70歳までに以下のいずれの方法で受け取るかを決めることができます。

 

①一時金:一括で受け取る(60歳から70歳の間)
②年金 :5年以上、20年未満で1年刻みで選択可能
③併用型:一部を一括で受取り残りを年金として受けとる

①は勤務先の退職金と同じ年に受け取っても、別の年に受け取ることも可能です(後述)

 

iDeCoの老齢給付金の種類

参照:みずほ銀行

 

一時金として受け取る時には退職所得控除、年金として受け取る時には公的年金等控除を受けることができます。

結果的に通常の所得税や住民税よりも低い税金で抑えることができます。

 

一時金として受け取る際に考慮すべき退職金所得控除と納める税金

 

信太郎
まずは、一時金として受け取る場合について見ていこうかの!

 

退職金所得控除を加味した税金

一時金として受け取る場合は他の退職所得と合算して以下の通り算出されます。

 

(収入金額(源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額

 

勤続年数退職所得控除
20年以下40万円 × 勤続年数(80万円以下のときは80万円)
20年超800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年)
勤続年数は切り上げ。

参照:国税庁「退職所得控除」

 

つまり、勤続年数35年の場合は退職所得控除は800万円+70万円×(35年-20年)=1850万円となります。

iDeCo:2000万円
退職一時金:1500万円

の場合、同年度に受け取るとすると退職所得の金額は(2000+1500-1850)×1/2 = 825万円となります。

 

信太郎
退職所得は、原則として他の所得と分離して所得税額を計算するぞ!

 

所得税の算出方法

 

例えば先ほどの例の通り、825万円でしたら23%を掛け合わせた上で、636,000円を差し引く頃で算出されます。

結果として退職金にかかる税金は825万円×23%-636,000=126万1500円となります。

更に、住民税10%で算出される82.5万円を足し合わせると208万6500円となります。

 

信太郎
3500万円に対して208万6500円じゃったら実質約6%じゃから普通の所得税に比べると格段にお得じゃの!

 

iDeCoでの一時金を受け取った後に退職金を受け取る場合の抜け道

先ほどは勤め先の退職金とiDeCoを同じ日に受け取った場合を考えました。

では次にiDeCoを受け取ってから、退職金を受け取る場合を考えてみましょう。

 

【早期退職のケース】

  • 新卒22歳で入社後iDeCoの加入
  • 60歳でiDeCoを一時金受け取る
  • 65歳で退職し退職金を2000万円貰う

 

【問題】60歳でiDeCoを一時金で受け取る時と65歳で退職金を受け取る場合の退職所得控除は其々何年分で何万円か。

 

淀姫
単純にiDeCoが22歳からの38年分で、退職金が60-65歳の5年分ですか?それだと割に合わない気がしてならないです。。
信太郎
安心せい!両者とも全期間分退職所得控除を受け取ることができるぞ!

 

ちなみにiDeCoの加入期間はあくまで60歳までです。

上記の場合、iDeCoの加入期間と認められるのは22歳-60歳までとなり60歳-65歳は認められません。

 

話を戻して、信太郎のいうように退職金とiDeCoの両方でなぜ退職所得控除を受け取れるのかを確認していきましょう。

以下の国税庁の文言をご覧ください。

 

2 支払済の他の退職手当等の勤続期間と今回の退職手当等の勤続期間のうち最も長い勤続期間により勤続年数を算出します。ただし、その最も長い期間以外の期間のうちにその最も長い期間と重複していない期間がある場合は、その重複しない部分の期間を最も長い期間に加算して勤続年数を計算します。この勤続年数に1年に満たない端数があるときは、1年に切り上げます。

3 上記2の勤続年数を基にして退職所得控除額を算出します。なお、本年分の退職手当等が前年以前に支払われた退職手当等の勤続期間を通算して計算されている場合や前年以前4年間確定拠出年金の老齢給付金を受給した年分は前年以前14年間)に他の支払者から支払われた退職手当等がある場合には、本年分の退職手当等の勤続期間と前年以前に支払われた退職手当等の勤続期間とが重複する期間の年数(1年未満の端数は切り捨てます。)に基づき計算した退職所得控除相当額を控除した残額が退職所得控除額となります。

参照:国税庁

 

淀姫
相変わらずわかりにくい文章よのぉ。
信太郎
・・・致し方ない。特に赤字部分噛み砕いていこうぞ!

 

以下の場合は重複期間を控除して算出としています。

 

【重複期間を差し引く(=控除)するケース】

退職金を受け取る場合:

→過去4年以内に別の退職金を受け取っている場合は重複期間を差し引く

 

iDeCoや企業型確定拠出年金を受け取る場合:

→過去14年以内に別の退職金を受け取っている場合は重複期間を差し引く

 

信太郎
逆にいうと上記の条件を満たさない場合は重複分を差し引かなくてもよいということなんじゃ!

 

60歳でiDeCoを受け取り、65歳で退職金を受け取る場合、退職金受取時には5年間が経過しています。

つまり両者とも満額で退職所得控除を受け取ることが出来るのです。

 

【解答】

iDeCoの一時金分:

22歳から60歳の38年分。つまり20万円×40万円 + 70万円×18年 = 2060万円の退職所得控除を受けられる。

 

65歳での退職金受取分:

22歳から65歳の43年分。つまり20万円×40万円 + 70万円×23年 = 2410万円の退職所得控除を受けられる。

 

信太郎
65歳で退職金を受け取ることが可能であれば、60歳にiDeCo一時金で非課税分を受け取り、足がでた分は65歳まで年金として受け取るのが最適戦略じゃな!

 

早期退職する場合の優遇

先ほどは退職金をiDeCoを受け取った後に、退職金を受け取った場合を考えました。

では逆に退職金を受け取った後に早期リタイアする場合はどうなるでしょうか?

早期リタイアする場合の扱いについて見ていきましょう!

 

【早期退職のケース】

  • 新卒22歳で入社後iDeCoの加入
  • 55歳でアーリーリタイアし退職一時金は1000万円
  • 60歳でiDeCoを一時金受け取る

 

【問題】60歳でiDeCoを一時金で受け取る場合の退職所得控除は何年分で何万円か。

 

 

55歳で早期退職する場合は退職所得控除は1570万円獲得することができます。

退職金が1000万円である場合は1570万円の控除枠の内、1000万円分しか使うことが出来ません。(570万円分使えてない枠がある)

 

先ほどのケースの文言のようにiDeCoを受け取る14年以上前に退職金を受け取っていれば重複して退職所得控除枠を受け取ることができます。

しかし、今回のケースはiDeCoで受け取る5年前に退職金を受け取っています。

 

淀姫
つまり、重複していない5年分つまり40万円×5年分の200万円しか退職所得控除を受けられないのですか?
信太郎
いや、「退職金」<「退職所得控除」の場合はしっかり優遇が設けられておるぞ!

 

以下国税庁の引用の後に噛み砕いて説明しますので、難解な文章が苦手な方は読み飛ばして下さい。

 

なお、次に掲げる重複期間がある場合には、本年分の退職手当等の勤続年数に基づき上記表により算出した退職所得控除額から、重複期間の年数(重複期間に1年未満の端数がある場合には切り捨てます。)に基づき上記表により算出した退職所得控除額相当額を控除した残額が退職所得控除額となります。

<<中略>>

前年以前4年内(確定拠出年金の老齢給付金として支給される一時金の支払を受けた年分は前年以前14年内)に他の支払者から支払われた退職手当等(以下「前の退職手当等」といいます。)がある場合に、本年分の退職手当等の勤続期間と前の退職手当等の勤続期間との重複期間
なお、前の退職手当等の収入金額が、前の退職手当等の勤続年数に基づき上記表により計算した額を下回る場合には、前の退職手当等の勤続期間はその期間の初日から次表の算式により計算した数(1未満の端数は切り捨てます。)に相当する年数を経過した日の前日までの期間であったものとして、本年分の退職手当等の勤続期間との重複期間の計算をします。

 

前の退職手当等の収入金額算式
800万円以下の場合収入金額÷40万円
800万円を超える場合(収入金額-800万円)÷70万円+20

 

参照:国税庁

 

淀姫
はて。。さっぱり何を言っておるかわからん。。
信太郎
要は受け取った一時金が退職所得控除未満だった場合は、退職所得控除算出の際に差し引く重複期間を少なく見積もってあげますよ!ということじゃ。

 

例えば、先ほどので例ですと1570万円の退職所得控除枠に対して、実際の退職金は1000万円でした。

この場合、使用した所得控除の枠は1000万円分です。故に「退職一時金 < 退職所得控除」となります。

 

つまり重複分として差し引く年数は上記の国税の計算式に基づき以下となります。

重複年数 = (1000万円 – 800万円 ) ➗ 70万円 + 20 = 22.8 端数切り捨てで22年が重複期間となります。

 

iDeCoは22歳から60歳までの38年間積み立てています。

つまり、非課税枠として受け取れるには38年 – 22年 =16年となります。

16年の場合は退職所得控除は16年×40万円 = 640万円となります。

 

早期退職となった場合の退職所得控除の算出方法

 

iDeCoが1500万円になっていた場合の退職所得は(1500万円-640万円)×1/2 = 430万円となるのです。

逆に640万円分であれば非課税なので、640万円分を一時金として受け取った上で残りの860万円を分割で年金として受け取る方がよいんじゃ!

 

信太郎
アーリーリタイアする衆はこの受け取れる非課税枠も気にかけた上で受け取り戦略を組む方が良いぞ!

 

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年金として受け取る時に考慮すべき公的年金等控除

公的年金等の支払を受けるときも税金は発生します。

原則として収入金額から控除額を差し引いた額に5.105%を乗じた金額が源泉徴収されます。

 

信太郎
受けることができる控除を公的年金控除といい、公的年金以外の収入の多寡によって控除額が変わってくるんじゃ!

 

以下が公的年金以外の収入に応じた控除額です。

 

公的年金等に掛かる雑所得以外の所得が1000万円以下の場合の公的年金等控除金額

参照:国税庁

 

公的年金等に掛かる雑所得以外の所得が1000万円未満の場合を考えてみましょう。

例えば65歳以上でiDeCoと公的年金等を合わせた年間金額が350万円の場合を考えてみましょう。

公的年金等の雑所得 = 350万円×75%-275000 = 235万円となります。

 

さらにここから、「基礎控除」(=48万円)や「社会保険料控除」「生命保険料控除」等を差し引きます。

 

信太郎
基礎控除48万円は全員に適用じゃからな!
秀次郎
つまり、65歳未満の場合108万円(60万円+基礎控除48万円)以下、65歳以上であれば158万円(110万円+基礎控除48万円)以下の人は非課税ということになりますね!

 

単純のために基礎控除だけの場合と考えて先ほどの例で算出してみると納税する義務のある税金は以下となります。

公的年金にかかる税金は(235万円 – 48万円)× 5.105% =95,463円となります。

 

信太郎
350万円に対して2.7%じゃからな。現役世代に比べて税的に優遇されておるの!

 

因みに、あまりないケースだとは思いますが、年金以外の所得が高くなると以下の通り控除額が少なくなっていきます。

 

公的年金等に掛かる雑所得以外の所得が1000万円から2000万円以下の場合の公的年金等控除金額

 

公的年金等に掛かる雑所得以外の所得が2000万円以上の場合の公的年金等控除金額

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コラム:扶養親族等申請書提出を忘れずに

先ほどお伝えした年金にかかる税率5.105%を享受するためには扶養親族等申請書を提出する必要があります。

 

淀姫
扶養する親族がいないと提出できないのではないですか?
信太郎
いや。控除対象となる配偶者や親族がいなくても提出するだけで税率が5.105%となるんじゃ。

 

むしろ、扶養親族等申請書を提出しない場合は税率は10.21%と2倍に跳ね上がります。

 

●扶養親族等申告書を提出した場合
源泉徴収税額=(年金支給額-各種控除額)×税率(5.105%)

●扶養親族等申告書提出しなかった場合
源泉徴収税額={年金支給額-社会保険料-(年金支給額-社会保険料)×25%}×税率(10.21%)

 

信太郎
絶対に忘れるでないぞ!

 

申請方法については日本年金機構から書類が送付されますので以下のサイトを参考にして申請をしましょう。

参照:「令和2年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」について

 

 

65歳で退職可能なら60歳でiDeCo「一時金」を出来る限り貰うべし

今まで一時金として受け取った場合と、年金として受け取った場合の控除と納税額について見てきました。

では結局どのように受け取れば最も税金を抑えられるのかを考察していきたいと思います。

 

まずは65歳で退職金を受け取ることが可能な方の場合の戦略です。

退職所得控除の欄で見てきた通り「iDeCo一時金」→「退職金」の順で5年以上間をあけて受け取れるのであれば、ダブルで退職所得控除を受けれます。

65歳での退職が可能な方は、まず60歳でiDeCoの退職所得控除枠ぎりぎりまで一時金として受け取りましょう。

 

信太郎
例えば30歳からiDeCoを始めた場合は30年間加入しておるので退職所得控除は20年間×40万円+10年間×70万円=1500万円となるの!

 

iDeCoの資産額が1500万円以上であった場合は慎重な試算が必要となります。

 

信太郎
65歳からは厚生年金が入ってくるからの。60歳-65歳までに出来る限りiDeCo分を貰っておくのが肝要じゃ!

 

年金の金額は年間60万円に基礎控除48万円を加えた108万円(毎月9万円)までであれば非課税になります。

「社会保険料控除」「生命保険料控除」などがあれば更に非課税枠は大きくなります。

 

65歳までの間iDeCoのみ年金として受け取る場合、最大5年×108万円の540万円までは非課税で受け取ることができます。

 

公的年金等に掛かる雑所得以外の所得が1000万円以下の場合の公的年金等控除金額

 

信太郎
つまり2040万円までであれば1500万円分を60歳に一時金として受け取り、65歳までを年108万円分年金として受け取れば完全に税金は0ということになるの!
淀姫
それ以上はどうなるのです?
信太郎
サラリーマン諸君は限度額が低いゆえ、2000万円以上はなかなか厳しいと思うが、仮に超えた場合も考えてみようぞ!

 

iDeCoが2040万円を超えた場合はどうでしょうか。

一時金として受け取る場合は2040万円を超えた金額に対しての最低の税率は2.5%となります。(退職所得は控除後1/2で算出されるため5%×1/2)

所得税の算出方法

 

つまり、現実的に可能性は低いものの有り得る線として以下の税率になります。

2040万円〜2235万円部分→2.5% (5%×1/2)
2235万円〜2370万円部分→5% (10%×1/2)
2370万円〜2735万円部分→10% (20%×1/2)
2735万円〜2940万円部分→11.5% (23%×1/2)

 

一方、年金の場合

追加で年22万円迄(5年で110万円迄) つまり2040万円〜2150万円→ 最大年1.1万円(約5%)
追加で年302万円迄(5年で1510万円迄)つまり2150万円〜3550万円→最大年14万円(約4.7%)

 

公的年金等に掛かる雑所得以外の所得が1000万円以下の場合の公的年金等控除金額

 

つまり足がでた分が低いうちは一時所得として受け取り、金額が大きくなる場合は年金で受け取った方がよいということになります。

だいたい足が出た分は約400万円分までは一時金として受取、残りを税金として受け取るのが最も税率を低く抑えられます。

 

【65歳で退職金を受け取れる場合】

①:iDeCoをまず60歳時点で退職所得控除目一杯まで一時金として受け取る(30年間加入の場合1500万)
②:仮に1500万円以上構築できた場合はまず年金分として非課税枠一杯の年98万円、5年間で490万円を受け取る
③:更に足がでた場合は400万円程度までは追加で一時金分として受け取り、残りは年金として受け取るのがお得。

 

60歳で退職金受領の場合は別年度で一時金で貰い残りは出来る限り年金で貰おう

では65歳まで働くことができず、60歳で退職金を受領する場合はどうなるでしょうか?

 

一時金は退職金とは別年度に貰おう!

60歳で退職金受取となる場合はiDeCoは退職金とは別の年度に受け取った方がよいです。

淀姫
どうしてですか?
信太郎
退職所得は累進課税じゃから単年度に受け取る金額が低い方がよいからじゃ。

例えば以下のケースを考えてみましょう。

 

新卒22歳から60歳まで勤務
iDeCoは30歳から加入
退職金は2500万円
iDeCoは60歳時点1500万円→60歳時点で定期預金に変換し61歳時点でも1500万円とします。

 

60歳の退職金受取時の退職所得控除は20年×40万円+18年×70万円=2060万円となります。

仮に60歳時点でiDeCoも受け取った場合は退職所得は以下の通りとなります。

退職所得 = 〔( 2500+1500) -2060〕× 1/2 = 970万円

所得税は970万円×33% – 1,536,000 = 166万5000円 となります。

 

 

では次に退職金を60歳で受け取った後にiDeCoを翌年度に受け取る場合を考えてみましょう。

60歳時点では退職金のみ受け取るとすると、退職所得 = ( 2500 -2060〕× 1/2 = 220万円

所得税は220万円×10% – 97,500 = 12万2500円 となります。

 

iDeCoに一時金を65歳に受け取る場合を考えてみましょう。

 

淀姫
重複していない60歳-65歳までの1年間分は退職所得控除をうけれるのですか?
信太郎
いや、残念ながらiDeCoの加入期間は積立を行うことができる61歳までじゃ。60歳-65歳までは退職所得控除は受けることができないぞ。

 

iDeCoの加入期間の考え方

 

iDeCoを65歳に受ける場合も退職所得控除は受け取れません。

 

信太郎
つまり61歳で受け取ろうが、税額は65歳で受け取ろうが変わらないのです。

 

 

よって60歳-65歳のいつ受け取ろうと退職所得は以下となります。

iDeCo分の退職所得 = ( 1500-0〕× 1/2 = 750万円

仮に一時金で全額iDeCoを受け取る場合でも税金は750万円×23%-636,000=108万9000円となります。

 

信太郎
つまり、昨年度の退職金と合計で121万1500円となるんじゃ!

 

退職金とiDeCoを一括で貰った場合:

所得税:166万5000円 (更に住民税10%がかかります)

 

退職金とiDeCoをずらして貰った場合:

所得税:121万1500円 (更に住民税10%がかかります)

 

信太郎
1年ずらすだけで所得税だけで40万円の差がでてくるのじゃ!住民税まで加味すると更に差はおおきくなるぞ!

 

「一時金」と「年金」の最適な配分は?

 

淀姫
けど、実際は全部一括では受け取りませんよね?
信太郎
その通りじゃ!先ほどと同様に考えようぞ!

 

まず一時金で年金の最低税率と見合う約400万円分までは一括で退職金を受け取った翌年度に受けとります。

 

そして更に残った分は税率が低い年金として60歳-80歳の20年間に按分します。

ただ、サラリーマンの方は65歳以降は厚生年金を貰うことになります。

厚生年金が一般的に240万円(月額20万円)の場合はを考えてみましょう。

60歳-65歳までは控除差額50万円分(=110万-60万)を加味して190万円まで年金を受け取るのが合理的です。

 

公的年金等に掛かる雑所得以外の所得が1000万円以下の場合の公的年金等控除金額

 

190万円まで受け取った後は、後は60歳-80歳に均等にならして受け取ればよいのじゃ!

つまり、以下ということじゃな。

 

年金wo60歳でもらう場合のiDeCoの給付の仕方

 

【60歳で退職金を受け取れる場合】

①:退職一時金は約400万円を退職金受取翌年に受け取る。
②:(厚生年金-50万円)分を厚生年金受給前の60歳-65歳の5年間に受け取る
③:残りを20年で分割して毎年年金として受給する

 

55歳以前でアーリーリタイアした場合

55歳以前でアーリーリターアする場合は70歳でiDeCoの一時金を受給するという戦略が急遽浮上します。

もう一度退職所得控除を受け取る際に年金と重複をする条件を振り返ってみましょう。

 

【重複期間を差し引く(=控除)するケース】

退職金を受け取る場合:

→過去4年以内に別の退職金を受け取っている場合は重複期間を差し引く

 

iDeCoや企業型確定拠出年金を受け取る場合:

→過去14年以内に別の退職金を受け取っている場合は重複期間を差し引く

 

ここからわかる通り、iDeCoを受け取る14年以上前に退職金を受け取っていればiDeCoで退職所得控除を満額受領することができます。

つまり55歳で退職金を受取70歳に一時金を受け取るのであれば二回退職所得控除を満額で受け取ることができるのです。

 

iDeCoに30歳から60歳まで加入していた場合を仮定して戦略を見ていきましょう。

 

ケース①:60歳時点で配分を決める場合

60歳時点でiDeCoの受取方法を決める場合です。

まず、60歳-65歳の年間非課税枠108万円を目一杯540万円分年金で貰います。

そして、70歳時点で30年分の退職所得控除1500万円分上限一杯まで一時金でいただきます。

 

淀姫
合計で2040万円じゃが、それ以上だった場合はどうするんじゃ?
信太郎
最初のケースと同じじゃ、追加で400万円分までは一時金として受取、それでも余る分は年金として受け取るがよいぞ!

 

ケース②:70歳まで運用を継続する場合

iDeCoは配分を決めるまで積立はできませんが60歳以降も70歳まで運用を継続することができます。

この場合は、70歳時点で非課税枠上限一杯の1500万円+400万円の計1900万円まで一時金としていただきます。

それを超えた分については最長受取期間である20年間で按分して年金を受給するのがよいでしょう。

 

信太郎
もちろん、健康面に不安がある場合は最初に全てを受け取るのも一つの手じゃ!

 

【55歳以前にアーリーリタイアし退職金を受け取れる場合】

ケースA:60歳時点で受給方を確定する場合

①:60歳-65歳の年金非課税分108万円×5年=540万円分を受け取る。
②:70歳時点で退職所得控除分1500万円+年金に対して有利な400万円分を一時金として受け取る
③:残りを年金として受け取る

 

ケースB:70歳まで運用を継続した場合

①:70歳時点で退職所得控除分1500万円+年金に対して有利な400万円分を一時金として受け取る
②:残りを年金として70歳以降20年に按分して受け取る

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まとめ

 

信太郎
今回のまとめは以下じゃ!盛りだくさんじゃったな!

 

【iDeCoの受給方法】

  • iDeCoは受取寺に税金が発生する
  • 受取方法は「一時金」「年金」「併用」の三種類
  • 70歳までに受け取り方法を確定する必要がある
  • 受け取り方法確定までは運用継続可能

 

【一時金で受け取る場合】

  • 退職所得控除を受けることができる
  • 退職所得控除は同年度に受けとる場合年金の一時金と合算で適用される
  • iDeCoの加入期間は60歳までの期間であり60歳以降は加入期間として算出されない
  • 別年度に受け取る場合以下の条件を満たさない限りiDeCoと年金の退職所得控除の重複部分は除外される
  • 年金より4年以上早くiDeCoの一時金を受け取る場合は退職所得控除を其々受けることができる
  • 年金より14年以上遅くiDeCoの一時金を受け取る場合は退職所得控除を其々受けることができる
  • アーリーリタイアで退職所得控除の枠を使えなかった場合は重複期間算出式に優遇が設けられている

 

【年金で受け取る場合】

  • 公的年金等控除を他の年金と合算して受けることができる
  • 公的年金控除の他に各種控除を差し引いた上で5.105%の税率を掛け合わせて算出
  • 税率は5.105%だが扶養親族等申告書を提出し忘れると税率は2倍になる

 

【退職金を65歳で受け取る場合】

①:iDeCoをまず60歳時点で退職所得控除目一杯まで一時金として受け取る(30年間加入の場合1500万)
②:仮に1500万円以上構築できた場合はまず年金分として非課税枠一杯の年98万円、5年間で490万円を受け取る
③:更に足がでた場合は400万円程度までは追加で一時金分として受け取り、残りは年金として受け取るのがお得。

 

【退職金を60歳で受け取らざるを得ない場合】

①:退職一時金は約400万円を退職金受取翌年に受け取る。
②:(厚生年金-50万円)分を厚生年金受給前の60歳-65歳の5年間に受け取る
③:残りを20年で分割して毎年年金として受給する

 

【55歳以前にアーリーリタイアし退職金を受け取れる場合】

ケースA:60歳時点で受給方を確定する場合

①:60歳-65歳の年金非課税分108万円×5年=540万円分を受け取る。
②:70歳時点で退職所得控除分1500万円+年金に対して有利な400万円分を一時金として受け取る
③:残りを年金として受け取る

 

ケースB:70歳まで運用を継続した場合

①:70歳時点で退職所得控除分1500万円+年金に対して有利な400万円分を一時金として受け取る
②:残りを年金として70歳以降20年に按分して受け取る

 

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2019年7月1日

[お金の学校特集]

 

昨今の2000万円問題もあり、投資による自助努力で、老後資産を築き自身の身を守る必要が出てきてました。

 

しかし、焦って投資を進めてしまうのはおすすめしません。 必ず失敗します。

 

知識をしっかり仕入れた上で投資は実践していく必要があります。

 

 

その知識を学ぶにあたり、近年「お金の学校」への注目が高まっています。

 

長年、資産運用を学んできた編集部が、お金を専門としたスクールについての特集コンテンツを作成していますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

お金の学校特集

お金の学校の特集へ

 

 

[おすすめ株式投資セミナー特集]

 

株式投資を含め、資産運用を「専門家や投資家に学びたい」という方は多いのではないでしょうか?

 

 

現在は、有難いことに「投資初心者〜中級者」の方に向けて提供されているセミナーが数多く、存在しています。

 

ここでは、株式投資スクールを中心に初心者の方におすすめできるセミナーを以下の観点から、ランキング形式でお伝えしています。

 

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。