今まで二回にわたり著書「日本株独学で60万円を7年で3億円にした実践投資法」で有名になった堀哲也氏の考え方について迫ってきました。
本日は愈々実践編として、筆者が堀哲也氏流に2019年7月3日時点で魅力的であると考えられる『ケア21』を選定して投資を実行しました。
何故、『ケア21』が魅力的であると考えるに至ったのか?
『ケア21』の目標株価はどの水準なのか?
という点についてお伝えしていきたいと思います。
目次
Contents
堀哲也氏流の銘柄選択手法のおさらい
今回堀哲也氏流投資法として狙うのは、年間利益の上方修正が見込まれる銘柄への投資です。
■ 狙う条件:
東証一部ではなく時価総額は1000億円未満の小型〜中型銘柄。
[進捗率]
- 半期決算時の進捗率が66.7%以上
- 5年平均進捗率より+10%以上上振れている
- 一過性の特別利益による進捗率の上振れではない
[ファンダメンタル]
- 売上高と営業利益が基本的に右肩あがり
- 経常利益が営業利益の2倍以下
- 経常利益と純利益が同じ水準ではない
[割安度]
- PERは20倍程度以下の水準
なぜ、この条件なのか?という方は一番最初に紹介した堀氏関連記事をご覧下さい。
目次
株探で上方修正期待銘柄を探索する
まずは『株探』で上方修正期待銘柄を探索します。
株探のTopから『銘柄探検』→ 『ファンダメンタルズで探す』の中の『中間期時点 通期上振れ 有望銘柄』をクリックします。
その後、市場2部、新興市場をタップして銘柄を物色します。
今回は全ての銘柄を確認したところ、堀氏流銘柄として該当しそうだったのは『ケア21』のみだったので『ケア21』を取り上げていきたいと思います。
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ケア21とはどんな企業なのか?
株式会社ケア21は東証ジャスダックに上場しており大阪市に本社を置く介護事業者です。
ケア21は大阪市に本社を置く介護事業者で1993年から営業しています。
主な事業としては介護付有料老人ホームを運営しており、少子高齢化の波にのり順調に業績を拡大している企業です。
それではまず、業績とEPS推移について確認していきたいと思います。
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ケア21の業績とEPS推移を確認
それでは『ケア21』の過去10年間の業績推移をご覧下さい。
売上高は綺麗に右肩上がりで営業利益も上昇基調です。
本業で順調に利益を伸ばしていることが見て取れます。
ちなみに2019年10月時点の予測は、2018年10月期の決算発表期に発表さてたものです。
あとでお伝えしますが、まだ上方修正は発表されておりません。
EPSは1株あたり純利益で純利益を発行済株式数で割って算出されます。
株価 = EPS × PER で算出されるので、EPSは非常に重要な意味を持っています。
2017年10月は2016年10月期が赤字だったことで税負担が軽減されたことで利益が上振れています。
しかし、2018年10月期から通常の軌道に戻っているといえるでしょう。
2019年10月期のEPSは66.4円と想定されています。
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第二四半期の業績上方修正は発表しているものの年間決算は未発表
ケア21は2019年6月7日時点で中間決算の上方修正を発表しています。
以下中間決算時点での上方修正の内容です。
半期時点で6000万円の利益予想が2億円と大幅な修正となっています。
実際の中間決算時点での純利益は2億2700万円と上方修正すら上回っています。
なぜ、上方修正したのかについても言及しておりましたのでご覧下さい。
前第 2 四半期累計期間において、施設の出店数を含め予想を超える投資を要し、営業利益が当初予想から減益となったことへの反省に立ち、当第 2 四半期累計期間においては、新規出店 を含めより高い効果が見込める施策へのシフトによって、投資効率の改善を進めました。
また、 前第 2 四半期累計期間に出店した施設の稼働率改善、併せて、水道光熱費や消耗品費などの費 目についても見直しを行い、総コストの縮減に努めました結果、営業利益、経常利益、および 四半期純利益が当初予想を大幅に上回る見通しとなりました。
なお、2019 年 10 月期通期の業績予想につきましては、下半期における施設の新規開設にと もなう投資や既存施設の修繕など不確定要素があり、現時点では修正いたしませんが、業績予 想の修正が必要と判断した場合には、速やかに開示させていただきます。
つまり利益率が改善したことによる本業堅調で上方修正となったとしています。
しかし、年間決算については不確定要素があるため情報修正はしておりません。
上方修正を発表する可能性が高いことを仄めかす内容となっています。
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通期業績予想を前回年間決算から確認する
通期業績は据え置きとなっておりますが、そもそもの予想はいくらだったのかを確認していきましょう。
以下は2018年10月期の年間決算発表時に発表された今期の年間予想です。
2018年10月期の決算発表時点で予想は以下となっております。
- 中間決算時点予想:純利益6000万円(予想) → 上方修正予想2億円 → 実績2億2700万円
- 年間決算予想:純利益3億円(予想) → 現在も予想は3億円で据え置き
年間決算は3億円ですので中間決算時点の利益2億2700万円の進捗率は74.6%となっています。
中間決算時点での過去5年平均進捗率はわずか、28.7%ですので年間決算の大幅な上方修正が見込める銘柄ということになります。
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上方修正された場合のEPSを予測
中間決算時点でのEPSは50.4円となっています。
では実際上方修正が行われた場合、どこまでの株価上昇が見込めるかについて予測していきたいと思います。
過去5年の中間決算時点での平均進捗率は28.7%ですので単純に割返すと予想EPSは以下となります。
予想EPS = 50.34 ÷ 28.7% = 175.4円となります。
しかし、堀氏は保守的に5年進捗率が50%を下回っている場合は保守的に50%で見積もることを推奨しています。
保守的予想EPS = 50.34 ÷ 50% = 100.6円となります。
上方修正が発表された時点での予想EPSは100.6円 〜 175.4円と予想することができます。
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PER水準から業績情報修正後の株価を予想する
株価はEPS×PERで算出されます。
先ほどEPSについては予想してきましたので、今度はPERについてみていきたいと思います。
過去のPER水準についてはマネックス証券の『銘柄スカウター』で確認していきます。
現時点のPER21.4倍は過去2年間の平均PERと同じ水準となっています。
一方、最小PERは9.2倍で最大44.8倍となっています。
過去3年でみても平均値は23.9倍で最小は9.1倍で最大は125.8倍となっています。
PERが異常に高くなっているのは決算発表で利益が落ち込んだ瞬間で等であり、平常時では20倍-25倍がフェアウエイとなっています。
現在株価 1431円(2019/7/2) | 保守的予想EPS 100.6円 | 楽観的EPS 175.4円 |
PER20倍 | 2012円 | 3508円 |
PER25倍 | 2515円 | 4385円 |
現在株価から考えると最低でも、1.5倍程度になることが見込めることから投資を実行しました。
現在の株価はまだ上方修正を織り込んでいるとは、思えない株価なので今後上方修正を行うことで本格的に株価が上昇することがみこまれるでしょう。
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2019年9末時点で2割上昇
投資をしてから3ヶ月が経過していますが順調に株価は上昇し2019年9月末時点で3割上昇しています。
結果としてケア21によって8万円程度の利益を確保できています。
徐々に上方修正を織り込み始めているということができるでしょう。
現在、週足で逆三尊ができてます。
このネックラインをどこと判断するかによりますが1980円と設定するとまだまだ上昇余地があると考えています。
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まとめ
ケア21は堀哲也氏流の上方修正が見込める銘柄の条件に合致している銘柄です。
中間決算時点で年間決算の70%異常を達成しているにも関わらず、上方修正はだされておらず現在の1400円台前半の株価は2000円以上まで上昇することが期待されます。
以上、【堀哲也流投資銘柄】ケア21が上方修正による株価上昇の期待が持てる銘柄なので投資実行!…でした。