別コンテンツでディフェンシブ銘柄(=景気鈍感株)についてお伝えしてきました。
今回はディフェンシブ銘柄の正反対といえるシクリカル銘柄(=景気敏感株)について、以下をお伝えしていきたいと思います。
目次
Contents
シクリカル銘柄とは?多く存在する業種はどこなのか
シクリカル銘柄のシクリカルは英語でCyclicalとなっており意味は「循環的な景気変動」のことを意味します。
シクリカル銘柄は株式市場においては景気の変動によって上下する銘柄群のことを指します。
景気が『回復→拡大→後退→悪化』の循環をする過程で、シクリカル銘柄も回復・拡大期に上昇して後退・悪化期に下落します。
実際は東証株価指数(=TOPIX)は景気に先行して動く景気先行指標として内閣府に認められています。
では、シクリカル銘柄はどのような業種に存在しているのでしょうか。
景気が悪くなると製造業の売り上げは落ちます。
最終製品の自動車・輸送機器や電気機器に影響が出始めます。
さらに最終製品の原材料である鉱業や鉄鋼、石油、ゴム等にも影響が出ます。
当然、製品を輸送する陸運や海運業にも影響が出るので幅広い業種がシクリカル銘柄となります。
シクリカル銘柄が多い業界は多いので代表的な業種と銘柄について並べたものが以下となります。
シクリカル業種 | 代表的銘柄 |
自動車 | <7203> トヨタ自動車 <7267> 日産自動車 |
電気機器 | <6758> ソニー <6701> NEC |
鉄鋼 | <5401> 日本製鐵 <5411> JFEスチール |
化学 | <4063> 信越化学工業 <4183> 三井化学 |
海運 | <9104> 商船三井 <9101> 日本郵船 |
倉庫 | <9301> 三菱倉庫 <9303> 住友倉庫 |
それではシクリカル銘柄のメリットとデメリットを見ていきましょう。
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市場平均より大きな動きをすることがメリットでもありデメリットでもある
シクリカル銘柄のメリットとデメリットは非常にシンプルです。
メリットは株式市場が上昇局面では力強く増加し、デメリットは株式市場下落局面では急降下しやすいということです。
日経平均やTOPIXは強弱はあれどシクリカル銘柄かディフェンシブ銘柄に大別することができます。
日経平均・TOPIX = シクリカル銘柄 + ディフェンシブ銘柄
シクリカル銘柄とディフェンシブ銘柄の合成した値動きが日経平均・TOPIXの値動きになります。
ディフェンシブ銘柄は景気によって株価が動きにくい銘柄群です。
ということは、反対にシクリカル銘柄は日経平均・市場平均よりドラスティックに動くことを意味します。
以下代表的なシクリカル銘柄と日経平均の値動きです。
- 7203:トヨタ自動車
- 7267:ホンダ
- 6701:NEC
- 4183:三井化学
- N225 : 日経平均
2018年10月-12月の下落局面では紫の日経平均に比べて、シクリカル銘柄の下落幅の方が大きくなっています。
一方、2019年の年明けからはシクリカル銘柄の方がいち早く回復しているのが見て取れるかと思います。
ホンダもゴーン氏の事件で2月に大きく下落していますが年明けの回復局面は他のシクリカル銘柄同様に力強い動きでした。
では、ディフェンシブ銘柄とシクリカル銘柄の有効な活用方法について見ていきましょう。
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シクリカル銘柄とディフェンシブ銘柄に合う投資スタイル
ではシクリカル銘柄とディフェンシブ銘柄にあった投資スタイルをみていきたいと思います。
シクリカル銘柄に合う投資スタイルはトレンドフォロー
シクリカル銘柄は相場が好調な時には大きく上昇し、相場が軟調な時には大きく下落します。
つまり相場が上昇を始めたら買でついていき、相場が下落を始めたら保有株の売却を行うことで大きな利益を獲得できます。
さらに下落局面でも『空売り』をすることで利益を狙うことができます。
空売りは信用取引口座を保有することで取引することが可能となります。
ディフェンシブ銘柄に合うのはファンダメンタル投資(=業績投資)
「ディフェンシブ銘柄」は相場からの影響を受けないのが、メリットでもありデメリットでもあります。
つまりディフェンシブ株の中で、業績が良く尚且つ株価が割安な企業に投資をすることで安定的に利益を狙うことができるのです。
特にディフェンシブ銘柄の代表例である「東京電力」が最たる例です。
既に利益水準もバランスシートもリーマンショックの前の水準に戻っているのげ株価だけが軟調な銘柄には大きな投資妙味があります。
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おすすめのシクリカル銘柄:ファーストリテーリング(=ユニクロ)
シクリカル銘柄の中でおすすめできるのはユニクロを運営しているファーストリテーリングです。
以下、青(ファーストリテーリング)と赤(日経平均)の比較なのですが10年前から日経平均が+180%に対して、ファーストリテーリングは+500%となっています。
過去10年の売上高・営業利益も右肩上がりとなっています。
海外進出も右肩あがりで順調に進んでいるので今後も大きな期待が持てるでしょう。
ただ編集部としては相場全体が2019年も前半は堅調に推移すると予想していますが、
後半から2020年にかけては軟調になる可能性があると見ています。
現状ファーストリテーリングはPERが40倍と割高水準にあります。
市場下落局面では調整として大きく下落する可能性が高いので空売りで大きな利益を狙えます。
そして下落しきったところで新たに買で仕込むことでダブルで大きな利益を狙うことができるでしょう。
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まとめ
シクリカル銘柄は景気に敏感に反応し、相場上昇局面では大きく上昇し、相場下落局面では大きく下落する傾向にある。
動きが大きいので順張りのトレンドフォロー戦略を取ることで、相場上昇局面、下落局面のどちらでも大きな利益を狙う可能性があります。
一方で、大きな損失を被り塩漬け株となる可能性もありますので、しっかりとロスカット注文は入れておくことをおすすめします。
以上、シクリカル銘柄(=景気敏感株)とは?ディフェンシブ銘柄との比較から「おすすめ銘柄」まで解説。…でした。