株価に上限は設けられていません。
人気の高い銘柄はどんどん高額になっていきます。
最終的には、一般投資家では100株も買えないような金額に達することがあります。
こういった1株が高額な株は「値嵩株（ねがさかぶ）」として一括りにされています。
そもそも、値嵩株とどのようなものなのか？
どんな魅力を持っているのか、詳しく解説していきます。
目次
Contents
値嵩株に定義はある？
株式市場に上場されている銘柄の相場を見た際に、極端なほど高額な株価を付けている銘柄が値嵩株と呼ばれています。
具体的な定義がある訳ではありません。
「○円を超えたら値嵩株」というような決まりは全くないのです。
特定の銘柄を値嵩株と見るかどうかは、それぞれの判断に委ねられています。
一つの目安としては、株価が1万円以上にまで達している銘柄の場合に、値嵩株として認識されることが多くなっています。
例えば1株1万円の銘柄の場合、100株を購入するだけでも手数料を除き100万円の資金が必要になります。
これは一般投資家が簡単に購入できる銘柄とは言えません。
1000株を動かすとなれば1000万円以上の資金を用意しなければなりません。
現実的に考えれば日常的なトレードの対象に加えることは不可能でしょう。
値嵩株と対極にある銘柄が低位株
1株あたりの株価が500円を切る銘柄のことは低位株。
100円以下の銘柄のことはボロ株、あるいは超低位株と呼ばれています。
低位株の中には、「上場廃止」寸前にまで陥っている銘柄や、監理銘柄に指定されている株もあります。
特に、中長期的な保有を目指す場合は注意しなければなりません。
ただし、値嵩株とは違い、5万円以下の予算でも100株単位の注文ができます。
また、株価が数倍になったりする銘柄も低位株やボロ株の方が出やすくなっています。
用意できる予算が少ない場合には低位株と上手に付き合うことが重要です。
配当や株主優待を目当てに株を購入するのであれば値嵩株よりも多くの株数を保有しやすい低位株を狙うと良いでしょう。
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値嵩株の特徴
それでは値嵩株の特徴について見ていきましょう。
日経平均株価構成銘柄に大きな影響を与える値嵩株
値嵩株の特徴として第一に挙げられるのは、日経225に加えられている銘柄が多くなっています。
日経平均株価に与える影響が中位株以下の銘柄と比較して大きいという点です。
日経平均株価は、これを構成する225銘柄の株価をすべて合計し225で割った金額になります。
値嵩株の株価が上昇すればするほど日経平均株価も上昇します。
反対に、日経平均株価の上昇を支えていた値嵩株が大きく値下がりすると日経平均株価そのものも大きな影響を受けます。
代表的な値嵩株はこのあと詳しく紹介します。
ユニクロの運営会社であるファーストリテイリングや任天堂のような、日本を代表する大企業が多いことも特徴になります。
ちなみに時価総額の加重平均指数であるTOPIXとの構成上位銘柄の比較は以下となります。
| 順位 | TOPIX構成上位 | 構成比率 | 日経平均構成上位 | 構成比率 |
| 1位 | トヨタ自動車 | 3.38% | ファーストリテイリング | 8.85% |
| 2位 | 三菱ＵＦＪ | 1.75% | ソフトバンクグループ | 4.54% |
| 3位 | ソニー | 1.69% | ファナック | 3.26% |
| 4位 | ＮＴＴ | 1.42% | KDDI | 2.90% |
| 5位 | ソフトバンクグループ | 1.42% | 東京エレクトロン | 2.78% |
| 6位 | キーエンス | 1.29% | ユニファミリーマート | 2.26% |
| 7位 | 三井住友 | 1.20% | テルモ | 2.00% |
| 8位 | ホンダ | 1.16% | 京セラ | 2.17% |
| 9位 | みずほ | 1.08% | ダイキン工業 | 2.09% |
| 10位 | ＫＤＤＩ | 1.07% | 信越化学工業 | 1.63% |
値嵩株は値段の変動率が大きい
低位株や中位株の場合は1円単位で株価が変動していきます。
値嵩株の場合は10円刻みで売買されるため、100株の取引でも最低1,000円の上下動が起こります。
そのため、大きく変動する局面が訪れた場合には、投資家が得られる利益や損失も非常に大きくなります。
例えばファーストリテイリングは、2020年2月6日の取引において、前日比＋1,900円という株価を付けています。
これはたった100株の保有でも、わずか1日で19万円の利益を生み出せるという計算になります。
相場全体が上昇傾向にある場合は狙い目と言えるでしょう。
ただし、同じファーストリテイリングは、2020年1月27日に前日比－3,510円という大幅な下落も記録しています。
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東証に上場されている代表的な値嵩株
東証には非常に多くの値嵩株が上場されています。
その中でも2020年2月10日時点でトップの株価を付けているのが投資法人みらい（3476）です。
投資法人みらいの株価は60,000円丁度となっています。(2020年2月)
100株を購入するために600万円が1000株を入手するには6000万円もの大金を用意しなければなりません。
その他の上位企業を見通してもビッグネームばかりです。
既に紹介したファーストリテイリングや任天堂のほか、コスモス薬品もトップ10に入っています。
東海旅客鉄道、ニトリホールディングス、東映、オリエンタルランドなども値嵩株の常連です。
投資家からの人気が高い銘柄として有名です。
| 株価 | 最低購入金額 | |
| 投資法人みらい(3476) | 60,500円 | 605万円 |
| ファーストリテイリング | 59,640円 | 596万円 |
| 任天堂 | 40,100円 | 401万円 |
| 日本銀行 | 31,300円 | 313万円 |
| コスモス薬品 | 23,490円 | 235万円 |
| JR東海 | 20,725円 | 207万円 |
| ニトリホールディングス | 16,560円 | 165万円 |
| 東映 | 13,960円 | 139万円 |
| オリエンタルランド | 13,795円 | 137万円 |
値嵩株の中でも比較的入手しやすいのは株価10,000円前後の銘柄です。
ここにもTDKや東日本旅客鉄道、富士通といった大企業がズラリと並びます。
値嵩株として安定してランキングに食い込んでいるのは、大半が東証一部に上場する老舗の大企業です。
ベンチャー企業は一時的な値上がりで値嵩株に仲間入りすることはあります。
しかし、その地位を維持できず、やがて沈んでしまうケースが多くなっています。
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値嵩株は買うべきか？見送るべきか？
それでは、一般投資家は値嵩株を買いの対象として考えるべきなのでしょうか？
それとも、リスクが高いと見て買いの対象から見送るべきなのでしょうか。
それぞれの投資家が持つ資金によっても考え方が変わります。
しかし、安定した値嵩株には「急騰はしないが急落もしない」という特徴があることを知っておくと良いでしょう。
低位株の場合、仕手筋による動きや好材料の出現によって連日ストップ高になるようなケースも見受けられます。
しかし、値嵩株がストップ高になる可能性はまずありません。
値嵩株は派手な利益を生み出すことは困難です。
しかし、反対に倒産の危機などに追い込まれない限りは急落することも少ないというメリットもあります。
一定のレンジで株価が上下することがほとんどです。
割高な状態で値嵩株を購入してはならない
値嵩株は、株価が変動する割合そのものが小さくても、価格に与える影響は大きくなります。
例えば1株1万円の銘柄が5％下落すると、100株の保有でも5万円の損失が生まれます。
したがって、割高な状態で値嵩株を購入してしまうと大きな損失が発生する可能性があります。
適正価格に戻そうとする勢いが強まった瞬間に莫大な損失を生んでしまう可能性が極めて高くなるのです。
反対に、一般的に見れば値嵩株の企業が倒産するリスクは非常に少ないです。
割安のタイミングで購入すれば、わずか数日で100万円単位の利益を出すこともできます。
値嵩株を購入する際はチャートやPERなどの指標をしっかりと確認しましょう。
割高な状態で掴んでしまわないように注意することが重要です。
ミニ株なら小資金でも値嵩株を買える
購入したい企業があるけれど、値嵩株の銘柄で買うことができないという場合もあるでしょう。
ミニ株の制度を活用して購入・保有することもおすすめです。
ミニ株を活用すると、通常は100株単位でしか購入できない銘柄を1株単位から購入できます。
小額の予算でも値嵩株の企業の株主になることができます。
残念ながら株主優待の対象にはなりませんが普通では購入できない会社の株を購入できる制度です。
活用を検討してみても良いでしょう。
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まとめ
値嵩株とは、相場から比較して1株あたりの株価が高い銘柄を指す言葉です。
急騰や急落はしにくいものの、投資額に与える影響が大きいという特徴を持っています。
値嵩株を購入する場合にはチャートや指標の分析を行い、割高な状態で購入しないように注意しましょう。
予算が少ない場合にはミニ株の制度を活用することも検討しましょう。
以上、「値嵩株（ねがさかぶ）」とは？その特徴と購入する際の注意点を解説！代表的な銘柄は？…でした。
