本日は前回特集したひふみ投信の補足として、ひふみ投信の三つの種類、「ひふみ投信」「ひふみプラス」「ひふみ年金」の特徴と違い、其々の活用方法についてわかりやすく記載していきたいと思います。
目次
Contents
『ひふみ投信』『ひふみプラス』『ひふみ年金』は同じ運用成績
『ひふみ投信』『ひふみプラス』『ひふみ年金』の三者はひふみマザーファンドに投資を行う、ベビーファンドであり運用成績自体は三者共に同じ結果となるように組成されています。
以下は『ひふみ投信』の交付目論見書の中の投資の形態です。
マザーファンドは『ひふみ投信』『ひふみプラス』『ひふみ年金』のベビーファンドを通じて投資家から投資資金を集めて投資を行い、其々の出資比率に応じて収益の分配を行う形式をとっております。
どの形態に投資を行った方が運用成績が良いということはありません。
最低投資金額や積立金額、手数料、資金拘束期間といった細かい違いがありますので、其々について説明していきます。
(目次に戻る)
ひふみ投信は本家本元の直販形式
まずひふみ投信は元来ひふみ投信を運用しているレオスキャピタルが販売から運用までを一括して行なっています。
ひふみ投信の最低購入金額・積立金額
ひふみ投信は従来は最低投資金額が1万円からでした。
2018年1月からは1000円から購入することができるように最低投資金額が引き下げられました。
また積立金額は依然として月額1万円からとなっているのです。
毎月1万円は厳しいという方に向けて1万円以上の引き落とし額であれば、いつ引き落とすかということを自由に設計できる自由積立という制度も用意されています。
自由積立制度を利用することにより、ボーナス月に多めに積み立てて普段の月は隔月で1万円を積み立てるなど柔軟性も持った積立プランを自由に組み立てることが出来るようになります。
(引用:ひふみ投信の自由積立制度)
上記の例では年間の積立金額が12万円となっております。
必ずしも年間12万円以上の積立を行わなければいけないというわけではありません。
一回あたりの積立額が1万円以上であることが引き落としの条件として設定されています。
ひふみ投信の手数料形態〜長期投資家にとってお得な信託報酬還元方式が適用〜
ひふみ投信は購入時の手数料はかからないノーロード型の投資信託です。
年間の信託報酬も年率1.0584%(税抜年率0.980%)となっています。
日本のアクティブ型投資信託の中では割安な水準に設定されています。
直販のひふみ投信へ投資を行う最大のメリットについては長期投資を考えている方によってプラスとなる手数料形態が制度設計されている点です。
ひふみ投信は長期的に資産形成を行うための投資信託を目指しています。
5年以上投資を継続する投資家に対しては年率0.2%。
10年以上投資を継続する投資家に対しては、年率0.4%の手数料還元を実施する手数料制度を設定しております。
還元分については現金で戻ってくるわけではありません。
還元分で新たにひふみ投信を購入して、ひふみ投信の持分が口座の中で増えるという形態になっています。
例えばひふみ投信に投資して5年が経過して運用額が500万円となった場合はどうでしょう。
一旦手数料は全額の500万円×1.0584%=5万2920円を徴収されます。
しかし、0.2%分つまり1万円分新たにひふみ投信が口座残高に増えるという還元方式です。
長期的な資産形成には元本が増えた方がスピードが早まるので嬉しい制度ですよね。
10年間投資すれば質の高いアクティブ型の投資信託である、ひふみ投信をインデックス型の投資信託と同等の手数料で運用することが可能となります。
その他
直販ひふみ投信投資家向け限定のセミナー等も開催されています。
投資・金融に対する見識を高めることができる機会が用意されています。
(目次に戻る)
ひふみプラスは証券・銀行等の金融機関で購入可能!ポイント還元も。
ひふみ投信は直販形式なのでレオスキャピタルの中でひふみ投信の口座を開設する必要があります。
しかし、ひふみプラスはご自身が保有している証券会社を通して購入することができる形態のひふみ投信です。
ひふみプラスの最低購入金額・積立金額
ひふみプラスは手軽さに関しては直販のひふみ投信を凌駕しています。
金融機関にもよりますが最低100円から購入することができますし、最低積立額は100円から行うことができます。
ひふみプラスが取引可能な金融機関は『ひふみプラス取扱金融機関』でまとめられています。
主要なネットバンクであり筆者も愛用している楽天証券やSBI証券は100円から購入できるだけでなく、次項で説明する手数料の観点からもおすすめできます。
ひふみプラスの手数料形態〜楽天証券で購入額の1%ポイント還元!!〜
金融機関によって0%〜3.24%の販売手数料が設定されており、必ずしもノーロードとはなっておりません。
一方、年率で発生する信託手数料に関してはひふみ投信と同じ年率1.0584%となっております。
楽天証券やSBI証券などの大手ネット証券を利用すれば、購入手数料0%でひふみプラスを購入することができます。
ひふみプラスを購入する際には現実的な選択肢となります。
直販型ひふみ投信の違いとしては、信託報酬還元方式が適用されません。
長期投資を行う場合は、ひふみ投信がメリットがある手数料形態となっています。
しかし、マネリテ編集部としては、楽天証券のポイント還元制度を利用することが最も効率よく、お得に『ひふみ』に投資する方法だと確信しています。
結果的に直販のひふみ投信よりも、ひふみプラスで投資を行った方がお得にできるということになります。
(目次に戻る)
ひふみ年金は確定拠出型年金を利用した形式
ひふみ年金は確定拠出型年金専用に組成されている形式のひふみ投信です。
企業確定拠出年金(DC)と個人確定拠出年金iDeCoでの利用が考えられます。
iDeCoは公的年金にプラスして自分で掛金を拠出して、自分で運用商品を選んで運用する制度です。
iDeCoへの投資分は所得税や住民税から控除される点や、運用益(キャピタルゲイン)や配当益(インカムゲイン)が非課税となるメリットがあります。
今後、さらなる普及が期待される制度となります。
しかし、積立上限金額が設定されている点や、60歳まで引き出せないなどの資金拘束を受けるというデメリットもあります。
iDeCoについてはわかりやすく以下でまとめていますので参考にしてみて下さい。
ひふみ年金の最低購入金額・積立金額
ひふみ年金はひふみプラスより始めるハードルが低く、1円から購入することが出来るようになっております。
また毎月の積立金額も1円から1円単位で設定することができます。
ひふみ年金の購入手数料
購入手数料は販売会社が定める料率となっており、必ずしもノーロードというわけではありません。
しかし年率で発生する信託手数料は、直販ひふみ投信やひふみプラスよりも低い年率0.8208%で設定されております。
(引用;ひふみ年金の手数料)
基本的に確定拠出年金は60歳まで引き戻すことができません。
長期投資目線の投資家が多いということもあり、年率の手数料を低く設定しているのです。
ひふみ年金を購入できる金融機関は『ひふみ年金取扱金融機関』でまとめられております。
ひふみプラスでも紹介したSBI証券では購入手数料が0円のノーロードで提供されている点や、他のiDeCoで投資できる商品が豊富に用意されていますのでおすすめです。
ひふみ年金の購入上限金額
ひふみ年金は投資ができる金額に上限があります。
今サラリーマンとして勤めておられて、確定給付型年金を受給されている場合は月1.2万円が上限として設定されます。
(引用:ひふみ年金の積立上限)
月1.2万円というと年額で14.4万円なので非常に少ないように思われます。
仮に年率10%で運用が行われたとすると、20年後に830万円の資産が形成されています。
老後費用の十分な足しになりますね。
(目次に戻る)
ひふみ投信・ひふみプラス・ひふみ年金はそれぞれ誰におすすめ?
三種のひふみ投信を横並べに比較したものが以下の図となります。
其々どのような方におすすめできるかという点についてもまとめていきます。
直販ひふみ投信への投資に適した方
直販ひふみ投信はひふみ投信に長期的に投資を行います。
信託報酬還元方式適用の恩恵を受けたいと考えている、超長期目線で資産形成を行おうとする投資家の方におすすめです。
最低投資額が1000円で最低積立額が1万円と他の形態に対して高いです。
そもそも100円といった少額から投資したとしても、大きな資産を形成することはできません。
左程の障壁であるとは考えられません。
ひふみ年金は投資上限額が決まっております。
しっかりしたロットの金額でひふみ投信を取引したい方にも適した形態であるということができます。
(おすすめ!)ひふみプラスへの投資に適した方
ひふみプラスは新たにレオスキャピタルに口座を作らなくても保有している證券口座ですぐに取引することができます。
最低投資金額も購入金額・積立金額共に100円〜と少額から取引できる点が魅力です。
さらに楽天証券では楽天クレカ積立で購入額の1%ポイント還元が受けられます。
受け取ったポイントを更にひふみプラスに投資を行うことができます。
また「つみたてNISA」口座を利用すれば、通常利益の20.315%かかる税金も無料になります。
「ひふみプラス」を楽天証券で取引するのが現時点で最強の「ひふみ」投資法であるといえます。
ひふみ年金への投資に適した方
ひふみ年金は企業確定拠出型年金の選択肢の中に、ひふみ投信が用意されている方や、iDECOを利用して老後資産を形成することを考えられている方におすすめできます。
ただし、60歳までは資金を引き出すことができません。
投資上限が特にサラリーマンの方にとっては低いというデメリットがある点も頭に留めておきましょう。
(目次に戻る)
まとめ
ひふみ投信・ひふみプラス・ひふみ年金の3つの違いと活用法について包括的に解説してきました。
ぜひ、参考にして、資産形成に役立ててください。
以上、【ひふみ投信・ひふみプラス・ひふみ年金】3つの違いと活用法についてわかりやすく解説。…の話題でした。