株式投資で必須のツール、マネックス証券の『銘柄スカウター』。
マネックス証券で口座開設をした方に『無料』で提供されている個別株分析ツールです。
個人投資家が銘柄を分析する時に欲しい『ほぼ全てのデータを可視化』してくれております。
このコンテンツでは、銘柄スカウターのおすすめの機能についてわかりやすく説明していきます。
また一例として、ツールの使い方を、日本の代表的な銘柄である『トヨタ自動車』の実際の画面を用いて紹介します。
最初に、銘柄スカウターの特徴の簡単な要約は以下の通りです。
- 最大過去10年間の売上高や営業・経常・当期利益を通期並びに四半期毎にグラフで可視化
- キャッシュフロー等の財務指標を最大過去10年分グラフで可視化
- PER・PBR・配当利回りといった指標の過去推移を可視化
- 業績ニュースや適時開示を一覧で表示
- 複数銘柄を一覧で比較可能で同業銘柄との相対的魅力を探ることが可能
目次
Contents
通期で過去10年の企業業績データが全て網羅されている
まずは、直近の予測と過去10年分。
つまり11年分の『売上高』『営業利益』『当期利益』の推移を確認することができます。
営業利益 | 企業が本業で稼いだ利益のことです。 売上高から売上原価を差し引いた売上総利益から、販売費及び一般管理費を差し引いて計算します |
経常利益 | 経常とは平常であればという意味で特別な利益や、損失が発生しない場合の利益です。 営業利益+営業外収益-営業外費用で算出されます。 営業外利益は受取利息や有価証券売却・評価益等 営業外費用は支払利息や有価証券売却・評価損等となります。 |
当期純利益 | 経常利益に特別損益や法人税の支払いを行なった後の最終利益。 |
以下のデータは『売上高』『営業利益』『当期利益』を表示しています。
右の欄にあるチェック項目で自分の好きなものだけを表示させることができます。
また下にスクロールすることによって、データとして確認することが出来ます。
データ上みると、EPSやBPSの伸びについても確認することが出来ます。
例えば「EPS(1株あたり純利益)」というのは利益を発行済株式数で割った指標です。
EPS = 純利益 ÷ 発行済株式数
また、たとえ純利益が上昇していたとしても、発行済株式数が上昇していた場合はEPSが上昇するとは限りません。
例えば純利益1億円で発行済株式数10,000株とすると1株あたり純利益は10,000円となります。
EPS = 1億円 ÷ 10,000株 = 10,000円
1年後利益が1.5億円と1.5倍になったとしても、発行済株式数が2倍の20,000株とすると
EPS = 1.5億円 ÷ 20,000株 = 7,500円
と利益が上昇したとしても、1株あたりの純利益は75%のに減少してしまう結果となります。
これはつまり、株主としての価値が下落します。
純利益と共に、EPSも確認するようにしましょう。
また、図の上のタブで「前期比」をおせば前期比それぞれが何%上昇したのか。
また指数のタブをクリックすると、基準年を100として各指標がどのように推移しているかを可視化しています。
指数機能も過去5年前と10年前を基準にすることができます。
10年前はちょうど「リーマンショック」、利益指標が全てマイナスでした。
それにより、2009年時点が▲100に設定されてしまいます。
金融危機時の業績推移で企業を評価すべく、図は見やすいように過去5年のデータとしています。
上記をみてみるとトヨタ自動車は『営業利益』『経常利益』はほぼ横ばい。
しかし『当期利益』が上昇しております。
つまり、特別利益が当期利益に貢献していることが読み取れますね。
それぞれの利益の変遷をみることで、ただ当期純利益が伸びているという現象の理由を『本業』なのか?
『営業外収益』なのか?
『特別利益』の影響なのか?
これらを一目で捉えることができるのです。
さらに隣の利益率のタブを押します。
すると以下の推移を確認することができます。
- 売上高営業・経常・当期利益率
- ROE
- ROA
2009年〜2013年までROEとROAが上昇しています。
しかし、その後は横ばいで利益の効率が上昇していないことがわかります。
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貴重な四半期毎のデータを確認できる
基本的に財務諸表は累積で発表されます。
例えば、第3Qの決算では第1Q〜第3Qまでの累積の売上や利益を発表されます。
『銘柄スカウター』では四半期毎の売上・利益・ROE・ROA等の上記で説明したデータを確認できます。
四半期毎の利益の変遷を確認できるのは嬉しいですよね。
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財務的な安定性も一目で視覚化されている
ここまでは売上や利益などの指標を視覚化していました。
さらに、銘柄スカウターでは「キャッシュフロー」や財務の安定性について確認することが出来ます。
営業CF | 本業による収入と支出の差額で、本業で結果的にどれだけのキャッシュを稼いだのかを示した項目です。 |
投資CF | 投資活動によって生じたキャッシュの増減を表します。 新しい投資を行えば投資CFは減少しますし、配当又は投資していた資産の売却を行なった場合は投資CFは増加します。 |
財務CF | 営業活動を維持して必要な投資を行うための資金の調達(+)と、 借りていた資金の返済(-)の合計。 |
FCF | 「フリーキャッシュフロー」。営業CF+投資CFの合計です。 |
現金・現金等価物 | 現金や売掛金・受取手形、有価証券のような現金換金性が高い資産 |
以下はトヨタ自動車の
- 営業CF
- 投資CF
- 財務CF
- FCF
- 現金・現金等価物
です。
営業CFは2016年まで基本的に増加基調です。
また積極的に投資を行なっていることもあり、投資CFはマイナス傾向がつづいています。
結果、フリーキャッシュフローは僅かな増加となっています。
また現金・現金等価物は増加基調にあること。
また、財務CFが減少基調にあることから借入金を返済していることがわかります。
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『PER』『PBR』『配当利回り』についての過去推移を確認できる
『銘柄スカウター』では、「PER・PBR・配当利回り」の過去からの推移を確認することができます。
今現在の「PER」や「PBR」は利益や純資産を現在の株価水準と比較して割安度をはかるための指標です。
「配当利回り」は得られる配当水準だけでなく下落耐性についても見ることが出来ます。
PER | PER (Price Earning Ratio)の略で現在の株価水準と1株利益EPSの関係性を表した指標です。
【PER = EPS ÷ 株価】
で算出することができ、低いほど割安な指標となります。 一般的には10倍を下回ると割安とされますが、業界によって差があります。
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PBR | PBR (Price Book-Value Ratio)の略で現在の株価水準と1株あたり純資産(BPS)の関係性を表した指標です。 【PBR= BPS ÷ 株価】 で算出することが出来、低いほど割安な指標となります。 一般的には1倍を下回ると割安とされますが、業界によって差があります。 |
配当利回り | 文字通り配当金の利回りです。 【配当金利回り=1株あたり配当金 ÷ 株価】 で表されます。 配当利回りが高い株は下落しにくいという特性があります。現在日経平均の平均配当利回りは2%程度です。
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まずはPERについて確認してみましょう。
トヨタの予想PERは以下のように下落基調となっています。
利益ベースは増加基調であるにも関わらず、株価は横ばい。
PERは下落して割安度は増してきていることがわかります。
現在のPERは8.5倍という割安水準となっています。
また、PBRを見て見ると純資産が増加しており下落基調。
割安度が増していることがわかります。
次に配当利回りですが、同じく『銘柄スカウター』で配当金の水準を確認することが出来ます。
配当金自体は微増している中で株価は横ばいであるため、配当金利回りは以下のように若干増加しているということになります。
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『業績ニュース』と『適時開示』が一覧となっておりみやすい
業績に関するニュースや適時開示についても一覧としてまとまっています。
まずは業績ニュース履歴。
決算発表にとどまらず書く金融機関が出している業績予想、コンセンサスまでを一覧で確認することができます。
また、会社が発表している「適時開示」についても一覧にしてまとまっています。
なにか株価が急変した際には、適時開示を確認するようにしましょう。
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銘柄比較機能で同業他社との比較も一覧で行うことができる
銘柄スカウターには様々な企業の指標を横並びで比較することができる機能があります。
銘柄については、自分の好きな銘柄を登録することができます。
トヨタ自動車と比較するために同業他社の
- 日産自動車
- 本田技研工業
- マツダ
などの会社を横並びに比較してみました。
横並びにPER、PBR、配当利回り、ROE、ROAを比較。
これにより、同業他社と比較して魅力的な銘柄なのかを相関的に俯瞰できます。
先ほど、トヨタ自動車のPERとPBRから割安であることが確認できました。
しかし、横並びで他社と比較することで、PERは他の同業銘柄と同水準でPBRについては相対的には割高であることがわかります。
また、ROEとROAについても特段高い水準ではないことがわかります。
各指標について以下のようにグラフで横並びに比較することができます。
全体として、自動車セクターがマツダ以外同じ動きをしておりトヨタ自動車特有の動きではないことがわかりますね。
また、最初にトヨタ自動車単体で確認することができた業績については比較銘柄を横並びで比較することができます。
単体銘柄だけでなく同業他社と横並びで比較することにより、相対的な魅力を探ることができる他にはない非常に便利な機能ですね。
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まとめ
マネックス証券の『銘柄スカウター』は日本株の分析に有用な以下の機能を『無料』で取り揃えています。
正直、銘柄分析において必要と思われる要素が全て揃っています。
銘柄分析においては欠かせないツールといえます。
- 最大過去10年間の売上高や営業・経常・当期利益を通期並びに四半期毎にグラフで可視化
- キャッシュフロー等の財務指標を最大過去10年分グラフで可視化
- PER・PBR・配当利回りといった指標の過去推移を可視化
- 業績ニュースや適時開示を一覧で表示
- 複数銘柄を一覧で比較可能で同業銘柄との相対的魅力を探ることが可能
ネット証券会社について魅力度毎にランキング形式でまとめていますのでご参考まで。
おすすめ順は楽天証券、SBI証券、マネックス証券です。
以上、【個人投資家必見】無料で利用可能!マネックス証券の『銘柄スカウター』で日本株分析する方法を解説。…でした。