ウォーレン・バフェット氏は世界第3位の富豪です。
同氏が運営する投資会社バークシャー・ハサウェイは1965年〜2017年(※)までの53年間平均利回り20.9%を達成しております。(※2018年は発表待ち)
仮に1965年時点でバークシャー株に1万円投資をしていれば、現在いくらになっているのでしょう?
なんと、1億9000万円になっている計算になります。
バフェットが好む『消費者独占型企業』の特徴と見分け方については「『バフェットの銘柄選択術』を参考に『投資の神様』が好む消費者独占型企業の特徴を紐解く」でお伝えしました。
今回は、以下の分析をしていきたいと思います。
- 現在のバークシャーハサウェイのポートフォリオの特徴
- 最大ポーション25%を占める新たなバフェット銘柄であるアップル社
因みに筆者もアップル株については30万円分保有しています。
3ヶ月で20%以上上昇して7万円以上の大きな利益を獲得できています。
分析の結果まだまだ上昇していく見込みですので、保有を継続していきたいと思っています。
今回はなぜ編集部がアップル株を継続保有しようと思っているかの理由についてもお伝えしていきます。
目次
Contents
バークシャー・ハサウェイの投資ポートフォリオの特徴
まずはバークシャーのポートフォリオです。
時価総額は$183Billion(約20兆円)。
構成銘柄はなんと僅か48銘柄で、上位6社で全体の70%を占めています。
バフェット氏は自分が選んだ銘柄に自信を持っています。
そのことから、過度な分散投資を行わずに「集中投資」を実行。
そして高い利回りを実現しているのです。
バフェット氏は自分が投資した銘柄について、論文1本かける程に熟知していないと投資するべきではないとしています。
また、ポートフォリオを見ると、奇をてらった銘柄を保有している訳ではありません。
「アップル」
「コカコーラ」
と誰もが知っている銘柄に投資をしているのも特筆すべき点です。
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投資ポートフォリオTop25%を占める世界的IT企業アップル
「アップル」は時価総額約120兆円(2019年11月末時点)を誇る米国の巨大IT企業です。
バフェット氏の投資会社:バークシャーが25%投資している状況。
これは、5兆円規模でアップル社株を保有していることとなります。
みなさまが普段使用されているアップル社の「iPhone」。
また、同社のPCである「MacBook」の虜になっている人はたくさんいますよね。
マネリテ編集部でもiPhone、iPad、MacBookとヘービーアップルユーザーです。
仮に壊れたとしても新しいApple製品を買うでしょう。
iPhoneは、最早人々の生活の中で手放せない存在となっています。
たとえ価格が上昇したとしても、需要が衰えずに世界中の消費者がアップル社製品を買い求めます。
つまりバフェット氏が好む銘柄の特徴である『消費者独占型企業』の側面が非常に強い企業であるということができます。
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アップルの業績はうなぎ登り
まずは直近発表されている2018年9月までの売上高・当期純利益の過去からの推移をご覧ください。
リーマンショック後から凄まじい伸びを示していますね。
ちょうどiPhoneブームと重なる時期かと思います。
2019年は特殊要因もあり下落していますが、急速な勢いで成長しているのがわかります。
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50%近い驚異的なROEの水準から株価見通しを予想
何より驚くべきはバフェットが最も好きな指標である「ROE」。
この指標が圧倒的な水準である50%に近い水準で推移していることです。
ROEは現在の株主に帰属するお金である「株主資本」を元手にどれだけ利益をあげれているのかという指標です。
計算式は
【ROE = 当期純利益 ÷ 株主資本 × 100】
で算出されます。
日本企業のROE平均は10%に届くかどうかという水準です。
ROEが20%あれば、非常に効率よくリターンを稼げている企業という評価を得ることができます。
例えば現在1億円の株主資本があったとすると今後10年間ROEが50%を継続したとします。
すると以下のように大きく株主資本と利益を伸ばすことができます。
- 10年後の株主資本:38.4億円 (38.4倍)
- 10年後の当期利益:19.2億円 (38.4倍)
ROE50% | ||
株主資本(億円) | 利益(億円) | |
1年目 | 1.00 | 0.50 |
2年目 | 1.50 | 0.75 |
3年目 | 2.25 | 1.13 |
4年目 | 3.38 | 1.69 |
5年目 | 5.06 | 2.53 |
6年目 | 7.59 | 3.80 |
7年目 | 11.39 | 5.70 |
8年目 | 17.09 | 8.54 |
9年目 | 25.63 | 12.81 |
10年目 | 38.44 | 19.22 |
つまり「PER・PBR」が一定であると仮定すると、10年後に株価は38倍になることが予想されるのです。
現在のアップルのPERは25倍です。
しかし、2019年前半は高ROEの割に15倍程度でした。
非常に低いPER値だったのでバフェット氏が勝負を賭けたのも頷けます。
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直近業績の低迷の理由から見えるバフェットの買い増し理由
2018年9月までの成績に連動しても株価も右肩上がりでしたが、2019年2月までは大きく下落しています。
下落の要因はアップルが決算で売上高並びに利益の下方修正を出したことにあります。
米アップルは2日、2018年10~12月期の売上高が当初予想よりも5~10%低い840億ドル(約9兆1600億円)にとどまる見込みだと発表した。
中国でのスマートフォン「iPhone」の販売が低迷し、ほかの先進国でも新機種への買い替えが予想に達しなかった。売上高は16年7~9月期以来、9四半期ぶりに前年同期を下回ることになる。
2日に、ティム・クック最高経営責任者(CEO)による投資家向けの手紙を公表した。アップルは昨年11月の決算発表の際に、10~12月期の売上高を890億~930億ドルになると予想していた。クック氏は「売り上げ見通しの引き下げの大半は中華圏(中国と香港・台湾)で起きた」と説明。
<中略>
18年後半の中国経済の減速に触れて「中国の経済環境は米国との貿易面の緊張関係の高まりに影響を受けている」と強調した。発表を受け、アップル株は2日夕の米株式市場の時間外取引で急落。一時、同日の通常取引終値の8%安まで売り込まれた。
華為技術(ファーウェイ)の最高財務責任者(CFO)逮捕以降、アップル製品の「不買」を呼びかける動きも出ていたことも影響しているとみられる。
<中略>
ドル高による米国外での販売価格上昇や電池交換費用の値下げで、従来機種を使い続ける人が増えたとの見方だ。
つまり要約すると経営成績悪化の主要因は以下の2つとなっています。
- 中国との貿易摩擦に加えファーウェイに端を発した不買行動による中華圏の不調
- ドル高による海外でのアップル製品の価格高騰
しかし2017年末から2018年末にかけてバフェットは10%→25%まで大幅にアップルの投資ポーションを引き上げています。
つまり、高いROEに対して一時的な要因によって株価が下落したことによって
「非常に魅力的な価格で現在アップルの株価が取引されている」
と確信をもっているからこそ、25%ものポーションをアップルに投じていると考えるのが妥当です。
貿易戦争はあくまで一時的な要因で恒常的なものではなく、ドル高も米国の利上げ見通しが落ち着き。
利下げまでちらつき始めた中において、長期的に収束し再び強いアップルが戻ってくると考えているとみることができます。
冷静に考えて、10万円以上するiPhoneを買うことができる経済レベルの人口は世界でもまだまだ一部です。
今後世界の経済成長並びに人口増加でiPhoneやMacBookを購入できる人口が増えることは必定です。
世界的な需要は増加することはあれ、減少することはあり得ないことを考えると、アップルの現在の株価は買いでしかないということができます。
尚、アップル株など米国株を購入するのであれば、取引手数料が最安の楽天証券での購入をおすすめします。
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まとめ
バフェット氏は自信のある銘柄に集中投資することで長期間にわたって20%のリターンを実現してきました。
現在最も力を入れているのは世界的巨大企業アップルです。
投資ポーションの25%を占める水準で、バフェットのポートフォリオの中で圧倒的No1の規模で投資を実行しています。
米国にはアップルのほかにも長期的に大きなリターンをもたらすであろう銘柄が多く存在しております。
米国株の魅力と米国株を取引する際におすすめできる証券会社についてまとめた「米国株投資の魅力と個別株・ETFの注目銘柄をわかりやすく解説!おすすめの証券会社はどこなのか?」も参考にしてみてください。
以上、【バフェット銘柄・Apple】アップル(AAPL)の今後の株価の見通しを予想。…の話題でした。