複雑化する世の中で日々様々なことが発生していきます。
様々な事象が絡まりあって経済ニュースや経済的な事象を紐解くのが難しくなってきています。
当記事では株式相場や経済的にホットとなっている話題を証券アナリスト視点で取り上げて解説しています。
最新の情報については上に随時追加していきます。
古いトピックについても興味のある方は下までスクロールしていただければと思います。
Twitterでは、その時々に話題になったTopicを取り上げて紹介していますのでご覧いただけますと幸いです。
Contents
- 1 6月1日:香港への国家安全法施行計画に絡む米中関係の悪化
- 2 5月22日:新型コロナ(=COVID19)の治療薬とワクチンの開発・治験状況のまとめ
- 3 5月20日:シーゲル教授の現在の相場に対する見通し
- 4 5月19日:「つみたてNISA」の活用方法と出口戦略について
- 5 5月16日:高配当投資戦略の妥当性を検証!SPYDは魅力的な選択肢?
- 6 5月11日:レイダリオのパラダイムシフトが予見する2020年以降の経済・市場動向
- 7 5月10日:債券ETFの仕組みと今後の見通し
- 8 5月9日:金投資として金鉱株に投資した理由
- 9 5月5日:米国の経済対策
- 10 5月4日:広告収益に懸念が残るアルファベット(=グーグル)
- 11 5月3日:コロナショックを無傷で乗り切った好調さが際立つマイクロソフト
- 12 5月2日:決算が軟調のアマゾンの今後とは?
- 13 5月1日:株ETFと債券ETFを組み合わせる有効性の検証
- 14 4月28日:日銀の金融緩和でハイパーインフレは発生するの?
- 15 4月25日:なぜコロナショックでドル円は円高に振れなかったのか?
- 16 4月23日:コロナショックで2番底は到来するのか?
- 17 4月21日:原油先物がマイナス?コンタンゴによる原油ETF投資の危険性を解説
- 18 3月21日:レバレッジドローンの主要ポーションを占めるCLOとは?
6月1日:香港への国家安全法施行計画に絡む米中関係の悪化
中国が香港に対して国家安全法を施行する計画が発表されたことで、2047年まで約束されていた一国二制度が崩壊の危機に瀕しています。
結果として米国が中国に対して制裁を科しており、立ち直りかけた米中関係に暗雲が立ち込めています。
5月22日:新型コロナ(=COVID19)の治療薬とワクチンの開発・治験状況のまとめ
コロナを人類が克服できるかどうかは結局のところ米国の財政・金融政策で時間稼ぎをしている間に以下の二つが開発されるかにかかっています。
- コロナ感染者に効く有効な治療薬の開発
- コロナに感染することを予防するワクチンの開発
株価の動きも含めてお伝えしていますので参考にしていただければと思います。
5月20日:シーゲル教授の現在の相場に対する見通し
シーゲル教授は「ウォートンの魔術師」として名をはせる株式投資の第一人者です。
著書である「株式投資」と「株式投資の未来」はベストセラーとして現在も多くの投資家に読まれています。
以下のコンテンツではシーゲル教授の今後の米国株の見通しと有望なセクター、インフレの見通しについての論点をまとめています。
5月19日:「つみたてNISA」の活用方法と出口戦略について
徐々にではありますが「つみたてNISA」を始める方が増えてきていと実感しています。
しかし、実際「つみたてNISA」でどれくらいの資産を形成できるのか?
良い場合と悪い場合でどれだけ資産額に差が出るのか?
という点について考察したことがあるという方は少ないと思います。
データ集めに時間をかけた渾身の力作となっていますので是非ともご覧いただければと思います。
5月16日:高配当投資戦略の妥当性を検証!SPYDは魅力的な選択肢?
高配当投資は魅力的なのか?
というのは投資家の中では尽きない議論となっています。
本日は米国の過去70年のデータを元に高配当投資が本当に有効なのか?
本当に高いリターンが期待できる配当投資ポートフォリオの組み方はあるのか?
という点についてお伝えしています。
- 単純高配当利回りポートフォリオのリターンは市場平均以下
- 大型高配当利回りポートフォリオは市場平均と同等
- SPYDは大型株以外も入っているし、更に二重課税まで加味すると投資妙味なし
- 真の高配当投資は長期増配銘柄にあり!
5月11日:レイダリオのパラダイムシフトが予見する2020年以降の経済・市場動向
レイダリオ氏は運用資産約17兆円の世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーターアソシエイツ」の創業者兼ファンドマネージャー。
彼は50年間第一戦で活躍してきた経験から、経済動向、市場には10年毎に大きな変革が生じることを観察してきました。
この10年毎の情勢をパラダイムとしており、パラダイムが変革する時をパラダイムシフトと呼んでいます。
以下のコンテンツではパラダイムシフトの原文をわかりやすく注釈しながら記載しています。
【瓦版の内容】
- 2020年からのパラダイムシフトでは何が起こる?
- 何がきっかけでパラダイムシフトが起きる?
- パラダイムシフトが起こった時に有効な投資戦略は?
5月10日:債券ETFの仕組みと今後の見通し
米国の長期国債ETFは年率で7%以上のリターンを叩き出しています。
今回の瓦版は以下の点について言及しています。
かなりの力作になっている自信がありますので皆さんご覧いただければと思います。
今後のアセットアロケーションに有用となること間違いなしの内容となっています。
【当記事でお伝えすることの概要】
- 債券の基礎知識
- 債券利回りは数%なのに長期国債ETFが年初来で20%以上のリターンを出せているのか?
- 何故、短期国債より長期国債の方が利回りが高いのか?
- 今後の債券ETFの見通しはどうなのか?投資妙味はあるのか?
- 債券ETFをどのように活用していくのがよいのか?
- 今後、債券の他に株と組み合わせるのが有効な資産とは?
5月9日:金投資として金鉱株に投資した理由
米国の躊躇なき財政、金融政策で米国のバランスシートは急激に拡大しています。
コロナショックが収束した後に、家計と企業に滞留したドルが市場に流入しインフレが発生することが見込まれる状況となっています。
そして今回、金ETFではなく金を採掘している金鉱株の銘柄に投資をすることにしました。
- 金が何故今後上昇すると考えているか?
- 金ETFと金鉱株の違い
- 金ETFを選んだ方がいい人、金鉱株を選んだ方がいい人の違いは?
- 各金鉱株の持つ特徴と注意点
5月5日:米国の経済対策
米国時間5月4日に米国政府から4月-6月に3兆ドルの国債発行を予定している旨のニュースがでてきて市場を沸かせました。
既に4月末までに2.7兆ドルの経済対策を実施しており、米国政府の景気を下支えする本気がうかがえますね。
以下のコンテンツではコロナショックで米国政府が今まで行ってきた経済対策と今後の見通しについてお伝えしています。
【今までの2.7兆ドルの経済対策】
- 日本と違い実質的に景気を浮揚させる真水の割合が大きい
- 給付は大人1人最大1200ドル、子供1人も500ドル
- 失業保険の内容が異常なレベル。通常の失業給付に加えて毎週600ドルを追加
- 中小企業救済も手厚い。返済義務のない実質補償ともいえる融資を実行
- 政府とFRBで巨額の融資やジャンク債を含めた社債買い入れを実行し倒産を阻止
- 上記政策で金融ショックが起こる可能性は著しく低減
【今後の経済対策】
- 米政府は4月-6月に追加で3兆ドルの国債発行を予定
- 7月-9月にも追加で6770億ドルを予定
- 手厚い補償を継続することが読み取れる
【今後の株価は?】
- 政府と中銀と一体になって企業と個人の救済は可能な見込み
- ただあくまで救済であって経済を底上げする支出ではない
- 経済停滞による企業収益の落ち込みはコロナ禍が長引けば長引くほど続く
- 株価の動向もコロナ次第。自然収束かワクチンの大量供給までの期間が重要
5月4日:広告収益に懸念が残るアルファベット(=グーグル)
アルファベットはグーグルを主力とした持ち株会社です。(殆どグーグルと考えて差し支えありません)
グーグルは現状80%以上が広告収入となっています。
コロナショックで不況に陥り、企業は広告費を削減しています。
結果として1Qも増収増益ではありましたが、利益の伸びは市場予想に届かず今後の見通しも暗い結果となりました。
5月3日:コロナショックを無傷で乗り切った好調さが際立つマイクロソフト
マイクロソフトは2014年にCEOに就任したナデラ氏のもと大きな構造改革を行いました。
簡単にいうと今までのライセンスを売って収益をうるモデルから、サブスク型の収益モデルに転換したのです。
特にアマゾンのAWSとクラウドプラットフォームを争っているAzureは期待が持てる分野です。
ナデラ氏の就任翌年の2015年を底に業績は右肩上がりに堅調に推移しています。
またコロナショックももろともせず、市場予想を上回るリターンを叩き出して勢いを増しています。
5月2日:決算が軟調のアマゾンの今後とは?
アマゾンはGAFAの一角をなす、今米国で最も勢いのあるテクノロジー企業の一つです。
今まで売上、純利益共に右肩上がりに拡大し続けていました。
しかし、最新の決算で売上は堅調であったものの、コスト増で収益が悪化し次Quater以降も厳しい旨が発表されました。
記事ではアマゾンについて今までの業績と、最新の決算を踏まえて今後のアマゾンの株価について見通しています。
【今までの業績】
- 過去5年利益を急激に伸ばし驚異的なEPS成長率を実現
- 純利益の水準は日本のトヨタ自動車と同レベルに成長
- クラウドインフラサービスAWSの成長は驚異的
【最新2020年1Q決算速報】
- 売上は予想比で上昇もコスト増で純利益は予想比で20%下回る内容
- 第2Qの見込み利益と同程度以上のコロナ関連支出を行う予定
- AWS自体は第二の柱となるべく予想通りの成長を見せる
【現在の株価水準】
- 100倍以上と異常に高いPER
- 高いPERも高い成長率で正当化されてきた
- コロナが発生しなかった場合の潜在成長率から考える理論株価は1700ドル程度
- 一時的に大きく下落する可能性は否めない
【それでもアマゾンに投資し続ける理由】
- 社会インフラとしての地位の増大
- 利益は凹んでいるがコロナ自粛又はロックダウンでユーザー数は増加が見込まれる
- 利益体質改善で収益は急激に上昇することが見込まれる
- 創業者兼CEOのジェフ・ベゾスを信じている
- バフェット曰く優秀な企業が一時的な苦境に陥る時は絶好の買い場
- チャート上綺麗な形をしており堅めの抵抗線が存在している
5月1日:株ETFと債券ETFを組み合わせる有効性の検証
https://twitter.com/nobutaro_mane/status/1254702430429691906
株ETFと債券ETFを組み合わせることでリターンを安定して狙うことができます。
青:米国株
赤:米国株50%+長期債券50%
黄:長期債券100%
そこで今回は以下のポイントに絞って執筆を行なっています。
皆さんのポートフォリオ構築の参考になえますと幸いです。
◾️今回のポイント:
▷ 資産分散を考える重要性
- 今後の株価(コロナショック脱出)に強気の考えであれば、株式100%投資も否定しない。
- 同じ資産クラスに投資をれば同様の動きをする。
- 株式ばかり保有すると、株価暴落時に全ての投資資産が減少する恐れがある。
- 債券+株を組み合わせると、互いを補完して資産が上昇していく。
- リスクとリターンの意味を理解することの重要性
▷ 過去データを元に今後の有効性を検証
- 未来はわからない。
- リーマンショック時期を含め40年以上「株+債券」のポートフォリオは優秀
- 今回のコロナショックも「株+債券」は補完しあった(株、債券共に下落する局面も有り)。
- 株、債券共に下落は、一時的な要因であり即解消。
- ただ、今回は金利がゼロ近傍になっているのが懸念。同じ状況は世界恐慌(1929年〜
- 世界恐慌時も、「株+債券」の組み合わせはワーク。
▷ ポートフォリオの組み方
- Backtest Portfolioを用いて自分でポートフォリオを構築しよう
- 二番底を考えるのであれば「金(Gold)」を組入るのが有効となる
- 今は現金として待機させておくのも一つの方法
- 為替水準に不満があるが投資をしたい場合は、FXを活用してヘッジするのが有効
4月28日:日銀の金融緩和でハイパーインフレは発生するの?
4月27日に日銀が社債・CPの買い入れ限度を7.5兆円から12兆円に増額、国債買い入れを無制限に設定との追加緩和を打ち出しました。
盛り上がったハイパーインフレ論について、以下の視点から切り込んでいます。
株式投資だけではなく、今後の生活スタイルにも影響する内容ですので理解しておくべき内容となっています。
[日本銀行の追加の金融緩和の内容と影響]
◼️ 株価下支えを目標としたETFの購入金額を当面年上限6兆円→12兆円へ増額:
- ETF下落で数兆円規模の国債を用いた資本注入が政府から必要となる可能性あり
- 日銀の負債を埋めるために最終的に日銀が通貨発行を行うだけ
- そもそも数兆円の国債発行によるインフレの懸念はない
◼️ 企業の資金繰りを援助するための社債買入額を20兆円へ増額:
- 一見するとマネタリーベース(現金+預金)の増加でインフレを招きそう
- そもそもコロナショックによる事業収益減少を補うための措置
- 事業収益減少ということは需要の減少を意味する
- 需要減少による日本円の市中流通現象分を補填するにすぎない
- 実際に出回る現金の量は増加せずインフレ要因にはならない
- コロナ不況から立ち直ったあとは企業は社債を返済するので元通り
◼️ 低金利の維持を目的とした国債の引き受け金額を無制限に引き上げ:
[現在の金融緩和の仕組み]
- 現状日銀は政府からの国債引き受けはできない
- 市中銀行は日銀に国債引渡対価として得た資金を貸し出せていない
- 市中に流通する日本円は増加していない状況が続いている
- そもそも金融緩和は既に実質的に終了している
[今回のコロナショックを受けて]
- コロナショックで更に資金需要は減少
- そもそも日銀が無制限で国債を購入する事態にならない
- 今回の宣言をただのポージング
- 政府の緊急経済対策の国債引き受けも目的
- ただ50-80兆円規模の需要が失われるのに25兆円程度の財政出動じゃ不十分
- 結果的にインフレより寧ろデフレが懸念される
◼️ 供給ショックによるインフレ発生には注意→ 景気低迷が続けば連鎖倒産発生の危機:
- コロナによる景気低迷が続けば供給能力の低下を招く
- アフターコロナで需要が戻れば供給不足に陥る
- モノやサービスの価格が上昇する
- 日銀と政府は補償と社債引き受けで連鎖倒産を防ぐ必要あり
- ゆえに今回の金融緩和+財政出動は供給を守るために必要な政策
- むしろインフレから守るための政策といえるが金額は不十分
◼️ ヘリコプターマネーの過剰な実施:
- 現状日銀の国債直接引き受けは禁止されている
- ヘリコプターマネーではダイレクトに市中に日本円を流通できる
- 過剰に実施するとハイパーインフレの可能性があり
- しかし、民間の需要が少ない現状においては適度のヘリマネがむしろ必要
4月25日:なぜコロナショックでドル円は円高に振れなかったのか?
特に米国株投資を行っている方からすると日本円をドルに変換するタイミングに注意を払われている方は多いのではないでしょう。
ドル円は一時的に101円台にまで差し込みましたが、その後10円以上も円安に一気に振れました。
一気にドル円が下落しなかった理由として主にあげられる点は以下です。
◾️円高が進まなかった理由:
- リスクオフの「円買い」以上に強かったリスクオフの「USドル買い」
- ドル需給の逼迫(米国企業の資金調達)
- GPIFの旺盛な外国債券需要とリバランスによるドル円買い需要
- そもそも「円売り」のキャリートレードの残高が少なくなっている
一方、今後の予想としては、やはり100円未満の円高に振れることをメインシナリオと考えています。
なぜ、株価の1番底で円高が進行しなかったのか?
今後なぜ円高に振れていくと考えられているのか?
という点について元為替トレーダーという視点からわかりやすく解説しています。
4月23日:コロナショックで2番底は到来するのか?
コロナショックでは一旦の1番底をこなし株価は半分ほど戻しています。
しかし、過去の歴史に残る株価の暴落局面において必ずといってよいほど2番底は訪れています。
果たしてコロナショックも2番底を試して歴史的な暴落となるのか?
気にされている方は非常に多いのではないでしょうか。
◾️2番底が訪れると考える理由:
- 感染症の歴史からコロナショックも何波にわたって長期化する可能性が高い
- 既に実態経済崩壊が始まっていることがデータからも読み取れる
- 低格付企業のローンであるレバレッジドローン関連商品が暴落すると見込まれる
- 原油価格下落で産油国のSWFが資産を投げ売りする可能性がある
4月21日:原油先物がマイナス?コンタンゴによる原油ETF投資の危険性を解説
日本時間4月21日未明(米国時間4月20日)に歴史的な事象が起こりました。
原油先物価格が史上初となるマイナス圏内に突入しました。
理由としてはコロナショックによる世界的な経済低迷による原油需要の低迷と保管スペースの枯渇により発生しました。
流石に価格がマイナスというのは考えられないと思い、原油ETFに手を出してしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
キーワードとなるのはコンタンゴです。
コンタンゴとは原油の先物価格が先日付の限月になればなるほど価格が上昇する状態のことを指します。
コンタンゴの仕組みを理解していないと原油ETF投資で大損失を被ってしまう構造的な問題を孕んでいるのです。
3月21日:レバレッジドローンの主要ポーションを占めるCLOとは?
CLOは低格付け社債(=レバレッジドローン)の半分以上を占めるポーションを誇っています。
積み上がったCLOがコロナショックで暴落することで金融ショックを引き起こす可能性も孕んでいるのです。
現在CLOの規模は6000億ドル(約70兆円)を超えています。
CLOは個人ではなく、信用が低いとはいえ企業に対しての貸し付けです。
また、CLOの中でも返済順位に応じて格付が割り当てられているのですがCDOに比べると保守的に作られています。
更に今回は金融規制の影響もありCLOを大量に保有しているのは金融機関ではなく機関投資家やヘッジファンドとなっています。
CLOが大暴落しても即座に金融ショックになる可能性は低いのですが、投資家の投げ売りで株価が暴落する可能性は十分孕んでいます。