社会人になり、日々の仕事に没頭していると、気づけば結婚して家庭を築き、うっすらと老後の人生について考え始める頃ではないでしょうか?
2018年10月に、財務省の審議会の中で「年金の支給開始年齢を68歳に引き上げる」ということが案が浮上しました。
根本匠厚生労働相は3日の記者会見で、原則65歳の公的年金の支給開始年齢を一律に引き上げることについて「ただちには考えていない」と明言し、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で浮上している68歳への引き上げ案を否定した。一方で、働く高齢者を増やすため、年金を受け取る年齢を70歳を超えてからでも選べるようにする制度改革を進める方針だ。
現段階で引き上げ案は否定されています。
しかし、以前60歳から支給されていた公的年金が、現在では段階的に引き上げられ既に65歳から支給となっています。
この現実を考えると、今後の引き上げ可能性が全くないとは言い切れません。
2019年6月には、「老後2000万円報告書」が出され、さらに資産運用の必要性が高まっています。
このような不安から「資産運用」に興味を持ち、老後に備えて投資を実行している人もいるでしょう。
世の中には多くの投資に関する情報が溢れかえっています。
テレビや新聞では株式市場の値動き、企業のニュースリリース、金融政策、雑誌や書籍などでは政治経済、投資戦略、銘柄選びの情報などなど。
「投資の基準」が最も資産運用では重要になってくるはずなのに、あまりにも情報が多すぎます。
結局、自分が何をやっているのか理解しないまま資産運用を実行してしまっているケースが多いのです。
■ 投資をする上で把握してくべきこと:
- 購入した金融商品は何か?
- 利益の源泉とその裏にあるリスクは?
- 類似商品の中でメリットとデメリットを把握しているか?
- 投資保護の仕組みはどうなっているのか?
実に多くの人が、基本を押さえることなく「なんとなく」投資をしているのです。
世の中の多くの情報。
それらの断片的な情報を統合し、体系化した資産運用の知識を習得するには時間を掛けて、経験値を高めていく必要があります。
投資の世界は実に複雑で、理論だけではうまくいかないものです。
しかし、資産運用がうまくいき、会社から定年退職前にアーリーリタイアをした人たちも、ファンドマネジャーで活躍する人でさえ、最初は初心者なのです。
投資・資産運用は始めなければ何も経験できず、知識はつきません。
資産運用の基礎知識という土台をしっかり学ばなければ、なかなか投資は上達はしていきません。
気づかないうちに余計なコストを支払っていたり、投資した商品が実は裏に大きなリスクがあったりします。
税制を理解していなかったばかりに、結局投資のリターンは限定的だった、などなど。
投資で失敗をする人はこの土台ができていないのです。
今回はそのような資産運用の知識を身につける前に、そもそも投資・資産運用とは何か。
そして、「資産運用の必要性」を理解していきましょう。
資産運用の必要性を知ることによって、今後の投資の勉強への熱量が変わってきます。
「知識を身につける第一歩」として読み進めていただければと思います。
目次
Contents
そもそも投資・資産運用とは?
そもそも投資・資産運用とは何を意味するのでしょうか。
投資は積極的に利益獲得を目指すこと、資産運用は減らさないことを目的とし投資をすることです。
さて、今回は「資産運用」をメインに取り上げます。
「資産運用」とは、保有している資産(現金、不動産、株、債券など)を管理・運用。
そして、リターン・資産を増やすことです。
実は、気づかないうちに資産運用はしているものです。
例えば、メガバンクの現預金や定期預金などに預けている方は、利息がつきます。
「現金」を管理し、運用し、リターンを得ています。
このリターンを大きくしていくことが、資産運用では非常に重要です。
「資産形成」という言葉もありますが、これは資産運用をする資金を作ることを指します。
例えば、不動産投資をする上では、まとまったお金が必要になります。
不動産投資をするために、年収をあげたり、貯金をするなどして資産を作っていくのです。
(目次に戻る)
なぜそもそも投資・資産運用が必要なのか?〜貯蓄から投資へ〜
資産運用はなぜ必要なのかーーー。
コツコツ貯金をするだけではダメなのか?
このように疑問を持つ人は少なくないでしょう。
結論から述べると、資産運用は必須です。
現代では、どの国も、特に日本は政府の借金が年々膨らんでおり、通貨価値を下げざるを得ない状況にあります。
社会保障費も上がり、将来本当に年金は自分に支払われるのだろうか?
と普段のニュースを見ていても感じることがあるのではないでしょうか。
今後は段階的にインフレになっていくと予想されております。
勤勉に働いて、コツコツと貯金しても、通貨の価値は下がってしまい、結果的に保有する資産は目減りしていきます。
そもそも、民間の会社で勤務している日本人の給与も、国税庁のデータから企業業績は伸びているものの、平成16年〜26年でなんと減少していることがわかります。
給与も上昇しない、通貨価値も下がっていく。
今後資産を大きくしていくのは、現金、預金、債券を保有するのではありません。
技術革新を進める国内外の企業や、今後成長が見込まれる新興国など。
これらに先駆者として投資を実行していく人たちです。
そもそも、日本は先進国の中でも資産運用に取り組んでいる人が非常に少なくなっています。
これは金融庁のデータ(平成29年2月3日)でも明らかになっています。
- 我が国の家計金融資産(約1,700兆円)の52%(約900兆円)が現預金。
- 米英に比べ株式・投信等の割合が低く、家計金融資産の伸びは低い水準(運用による増加に大きな差)。
- 近年の推移を見ても、我が国における現預金優位の状況は大きく変わっていない。
(引用:金融庁のデータ(平成29年2月3日))
国別 | 投資比率 | 現預金保有比率 | 運用リターン |
日 本 | 18.8% | 51.9% | 1.15倍 |
米 国 | 45.4% | 13.7% | 2.32倍 |
英 国 | 35.7% | 24.4% | 1.63倍 |
日本の投資をしている人の割合が18%、現預金保有比率も他2国と大きく異なります。
日本の資産運用の後ろ向きな取り組み姿勢が理解できます。
「投資をして増やす」という考え方は農耕文化で生きてきた日本人にはあまり向かないのかもしれません。
また、日本バブル崩壊による反省もあり、やはり現金でコツコツと貯金を積み上げるのが正解。
このような話なのかもしれませんが、そうも言ってられない時代になってきています。
もう一度、上記金融庁作成の図の2つ目のグラフを見てみてください。
1995年比で日本の運用リターンは1.15倍、米国は2.32倍、英国は1.63倍となっています。
ここでも資産形成の効率性が非常に悪い結果となっています。
なかなか日本では資産運用など「お金を増やす」話は受け入れられない傾向があります。
しかし、今後、資産運用を行なっているかどうかで数年後の各個人の資産規模の格差はどんどん広がっていくでしょう。
(目次に戻る)
経済成長率(労働)は資本収益率(不労所得)を下回る事実
トマピケティ氏の著書「21世紀の資本」が近年話題になりました。
「長期的に見ると資本収益率(r)は経済成長率(g)よりも大きく、自然に富の集中が起こって格差は拡大する」と述べられています。
r(不労所得) > g(労働の成長率)
上記計算式が成り立つということを、以下のグラフで示しています。
ピケティは「自然に富の集中が起こって格差は拡大する」としています。
そしてそれは「資産運用をする人」と「資産運用に無関心な人」の間にも今後も格差が拡大していくことを意味しています。
(目次に戻る)
格差が広がるだけではない、私達の老後も不安?気になる今後の年金支給制度
ひと昔前までは、60歳から65歳になると定年を迎え、その後は公的年金で楽に余生を楽しむことができていました。
しかし、今では定年を70歳以上にすること、公的年金の支給開始年齢も段階的に引き上げられることが検討されています。
さらに物価の上昇、超高齢化社会へ突入し社会保障費の増加問題などを踏まえ私達の老後は決して安泰ではなくなったのです。
定年が近くなるにつれて、将来支給される公的年金などを調べることでしょう。
そして、これでは到底老後を安心して暮らすことができないと途方に暮れる人も少なくありません。
サラリーマンの方などは、退職金があるから安心だと思っていませんか?
退職金は企業独自の福利厚生の1つで業績などによっては減額、廃止されるケースもあります。
老後の生活費として充てにしていた退職金がきちんと支払われる保証はありません。
このような不安要素の多い老後に向けて、年金のみに依存しながら、せっかくの老後に将来への不安を持ち続けることなく、
人生を全うしたいものです。
そこで、今私達ができることの一つとして「資産運用」があり、これは早いうちに始めれば始めるほど有利です。
将来への不安、公的年金の不透明さ、医療費負担の増加などを理由にすでに多くの人がはじめている資産運用はどういうメリットがあり、私達の将来をどう変えてくれるのでしょうか?
(目次に戻る)
資産運用は自分の資産を「守る」、気持ち(人生)の「ゆとり」を保つためにするもの
会社で毎日一生懸命働き、貯金を増やしてもインフレが進むこと。
年金の受給の繰り上げが予想される未来。
資産運用なしでは通貨価値が下がり、資産の価値が目減りすることは先に述べました。
資産は「自分で守る」必要があり、将来を憂いているだけでは自身の資産価値が目減りしていくだけなのです。
企業や職が不安定な時期だからこそ、資産運用の知識はしっかり身に付けておく必要があるのです。
投資にはもちろん、リスクはつきもの。
複雑かつ危険、リーマンショックや東北大地震のような事象に出くわすと、財産を一瞬で失うリスクすらあります。
しかし、そのリスクを見極めるにも、資産運用の知識が必要であり、基礎をしっかりと学んでおく必要があります。
GFSは2019年から始まったs新進気鋭の『お金の学校』です。
資産運用だけでなく経済・金融を含めたお金周りを40年に亘って学べます。
また、最新の世界的なおすすめ運用商品についても知ることができるので非常におすすめです。
資産運用とは現在持っている資産(現金、不動産、株、債券など)を管理、運用して資産を増やすことを言います。
資産運用と聞くと、怪しい、儲からない、損をするのではないかと思う人も少なくありません。
しかし、資産運用は実は銀行にお金を預けるよりも多くの利益率が見込めます。
働いて得られる報酬とも全く異なる性質をもったものなのです。
資産運用にはいくつかの種類があります。
現代では、ひと昔前とは違い今のような低金利の時代では、銀行にお金を預けていても年に数円しか利子は付きません。
これでは生きている間に、将来の資金を貯めることなど到底できません。
このように元本に対してのみ利子が付くことを「単利」と言いますが、これに対して、「元本と利子」に対して利子が付くことを「複利」と言います。
複利は利子を元本に加えてそれを再投資するため、年数がたつほど雪だるま式にどんどん利益が膨れ上がっていくのが特徴です。
これを「複利効果」と言います。
同じ金利でも単利と複利では将来貰える金額が全く違ってくるのです。
また、複利効果は時間をかけることによりさらに大きくなる点も魅力です。
例えば、100万円を年利5%で運用した場合20年後には252万円になっています。
これだけでも複利効果は抜群です。
さらに燃料を追加するように、毎年100万円を追加で貯金をする代わりに運用をしていくと、同じ年数でも以下のような結果がもたらされます。
「追加投資」とはつまり元本を大きくしていくことにほかなりません。
「元本」を育て「複利」で運用をしていくことで、資産運用はとてつもない効果を生むのです。
ただただ、貯蓄をすることが、如何にもったいないことかが実感できます。
このように、適切な資産運用の知識を用いて、資産を徐々に大きくしていくことで将来への不安などから脱却できることも可能なのです。
(目次に戻る)
高い給料を貰っているので投資・資産運用は必要ない?
例えば、あなたに汎用なスキルがあり、高い給料を貰い続けるので資産運用は必要ない、という意見もあるでしょう。
しかし、そのスキルは本当に長期に亘り重宝されるものでしょうか?
昨今ではAIの話題で尽きませんが、人間の労働力は今後大幅に機械に代替される未来は見えています。
技術革新は人類の生活をより豊かなものにしていくものである。
と側面的に語られることが多いですが、
革新した分、人々が長期に亘り身に付けたスキルの価値が下がり、これまでの給料水準を維持できなくなります。
職まで失ってしまうという「負の側面」も事実としてあり、常にリスクと隣り合わせなのです。
その間に、資産を着実に増やしているのは技術革新をした「企業の株を持っている投資家たち」という点も見逃せない点ですよね。
資産家は資産運用に早期から取り組んでいるのです。
(目次に戻る)
まとめ
このコンテンツでは、そもそも資産運用・投資とは何か、そして資産運用の必要性について解説してきました。
弊メディア「マネリテ!」では生涯に亘りあなたの資産運用のお力添えをするために継続して情報発信をしていきます。
投資の大原則を理解し、断片的な情報を統合し、的確に投資商品の特性を見抜き、リターンを最大化させ資産を着実に構築していきましょう。
資産運用は元本割れするものもありますが、日常生活に大きな支障がでないよう、うまくリスクを回避しながら投資を行うことで将来を変えることはできるのです。
資産運用は、不安定な私達の老後や将来へ不安を打ち消してくれる一筋の光になることは間違いありません。
以上、投資・資産運用とは?老後の不安を解消するために「資産運用の必要性」と資産構築する方法を理解しよう。…でした!