今流行りのロボアドバイザーで双璧をなしているのはWealthNavi(ウェルスナビ)とTHEO(テオ)です。
ウェルスナビはリスク許容度に応じて5つにプランが分かれていて、テオは個々人において無数のパターンが用意されています。
そのため、実績として横並びに比較することはできませんが、両者の共通点と相違点についてお伝えしていきたいと思います。
目次
まずはウェルスナビとテオの共通点についてみていきたいと思います。
投資一任型のロボアドバイザー
ロボアドバイザーと一言にいっても二種類存在しています。
一つは提案だけ行なって運用は個人に任せる提案型です。
提案型では投資に関する一連の流れを自動化することはできません。
一方、ポートフォリオの提案から運用、さらに管理まで全てを一任できる携帯を投資一任型といいます。
ウェルスナビもTHEO(テオ)も投資一任型のロボアドバイザーとなっています。
高品質低コストのインデックス型の米国建ETFで運用
証券会社が運営しているロボアドバイザーでは日本の投信を組み入れ銘柄としています。
ウェルスナビもロボアドバイザーも米国の会社が運営している米ドル建のETFを組入銘柄としております。
米国ETFは米国市場が開場している時には米国の個別株のようにいつでも売買することができます。
またETFは対象とする指数に連動するように組成されているインデックス型(パッシブ型)となっています。
パッシブ型は平均的にアクティブ型の投資信託よりも長期的に高い成績を残しています。
ウェルスナビとTHEO(テオ)は長期安定投資に向いた金融商品で構成されているということです。
地域分散と資産分散を行なっている
ウェルスナビもTHEO(テオ)も日本だけでなく世界中の資産に投資を行います。
また、代表的な資産である株式だけではなく、債券や不動産・コモディティのような様々な資産への分散投資を行なっています。
分散投資は長期投資の基本ですので嬉しい機能ですね。
リバランスを自動且つ無料で実施
ロボアドバイザーで一旦ポートフォリオを定めたとしても、それぞれの資産が時間が経過するにつれて評価額が変化します。
例えば、最初に株式のETFに50万円、債券のETFに50万円を投資したとしてます。
一定時間が経過した時に株式ETFが78万円に増加する一方、債券ETFは52万円にしか増加しなかったとします。
すると株式と債券の比率は株式60%に対して債券40%と最初の割合から変化します。
変化したポートフォリオを元どおりの比率に戻す作業をリバランスといいます。
ウェルスナビとTHEO(テオ)は両方とも定期的にリバランスを行いポートフォリオを最適な状態に無料で組み替えています。
共通点についてお伝えしてきましたが、ウェルスナビとTHEO(テオ)の相違点について見ていきましょう。
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ウェルスナビとTHEO(テオ)は同じ投資一任型のロボアドバイザーですが様々な相違点があります。
運用手法の違い:ウェルスナビの現代ポートフォリオ理論 vs THEO(テオ)のスマートベータ
ウェルスナビはノーベル賞を受賞したマコービッツ氏が礎を築いた現代ポートフォリオ理論を根本としています。
ウェルスナビでは各リスク毎に最も効率よくリターンを叩き出せるリターンを結んだ効率的フロンティア(以下曲線)を算出します。
その上で、リスク許容度毎に5段階にわけてポートフォリオを組んでいます。
許容するリスクが大きくなればなるほど、期待できるリターンも大きくなります。
リスク許容度が大きいポートフォリオでは株式ポーションが大きくなっており、長期的な観点でみると大きな資産を形成できる構成になっています。
一方、THEO(テオ)は株式投資をグロース、債券投資をインカム、商品・不動産等をインフレヘッジの3分類に分けます。
それぞれの分類について平均リターンを上回るリターンを得られるように様々なETFを組み合わせて運用を行います。
このような運用手法をスマートベータと言います。
スマートベータは高いリターンを出している米カリフォルニア州の年金基金であるCALPERSや、
日本の年金基金GPIFも採用している世界最先端の投資手法なのです。
伝統的なウェルスナビ、先進的なTHEO(テオ)という運用手法の違いがあります。
運用商品数の違い:ウェルスナビ 7個 << THEO(テオ) 30種類以上
ウェルスナビは『米国株』『日欧株』『新興国株』『米国債券』『物価連動債』『金』『不動産』に対して、それぞれ厳選したETFを1つずつ割り当てています。
つまり全部で組み合わせるETFは7個のみとなっています。
ETF | |
米国株 | VTI |
日欧株 | VEA |
新興国株 | VWO |
米国債券 | AGG |
物価連動債 | TIP |
金 | GLD |
不動産 | IYR |
VTIは当サイトでもイチオシのETFで長期的に7%-10%のリターンが狙えるETFとなります。
組み入れETFはインデックス型で更に手数料は低く、VTIの手数料は年率0.04%となっております。
一方、THEO(テオ)では30種類以上ものETFを組み合わせて運用しています。
以下はほんの一部ですが特に赤色のETFに注目してください。
黒字は通常の株式投資で指数として用いられるTOPIXのような全体んp時価総額加重平均型のETFです。
一方、赤字は例えばVanguard Mid Cap Valueというのは、
CRSP US Mid Cap Value Indexという米国中規模企業の時価総額加重平均指数への連動を目指すETFです。
またSPDR S&P 500 ValueはS&P500指数の中でバリュー株を集めた時価総額加重平均指数であるS&P 500 Value Indexへの連動を目指すETFです。
大分類 | 小分類 | 名前 | 略称 |
グロース | 先進国株 | I シェアーズ MSCI ジャパン上場投資信託 | EWJ |
バンガードFTSEヨーロッパ | VGK | ||
Vanguard Mid Cap Value | VOE | ||
Vanguard Small Cap Value | VBR | ||
SPDR S&P 500 Growth | SPYG | ||
SPDR S&P 500 Value | SPYV | ||
新興国株 | バンガードFTSE エマージング | VWO | |
インカム | ハイイールド債 | SPDRバークレイズ・ハイイールドボンド | SJNK |
投資適格債券 | iシェアーズ米ドル建投資的確社債 | LQD | |
米国MBS上場投信 | MBB | ||
先進国国債 | iシェアーズ米国国債7-10年 | IEF | |
iシェアーズ世界国債(除米国)上場投信 | IGOV | ||
インフレヘッジ | コモディティ | iシェアーズ ゴールドトラスト | IAU |
リート・不動産 | iシェアーズ米国不動産叙情投信 | IYR | |
先進国株 | INFRASTRUCTURE | IGF | |
先進国債券 | iシェアーズ米国物価連動国債上場投信 | TIP |
つまり株式市場全体ではなく、ある規模や割安度等の一部分を切り取った指数を組み合わせてスマートベータ戦略を実現しているのです。
運用商品からシンプル運用のウェルスナビ、複雑運用のTHEO(テオ)ということができます。
運用プランの違い:ウェルスナビは5パターン、THEOはオーダーメイド
両者ともに簡単な質問に答えるだけで個々人にあった運用プランを提案してくれるのですが、提案の仕方が若干異なります。
ウェルスナビは許容するリスクに応じて5パターンの運用ポートフォリオを用意しています。
一方、THEO(テオ)では個々人にあったポートフォリオをオーダーメイドで提案しています。
最低投資金額の違い:ウェルスナビは10万円、THEO(テオ)は1万円
最低投資額にも違いがあります。
ウェルスナビは積立額は1万円から設定可能ですが最低初期投資額が10万円となっています。
一方、THEO(テオ)は積立額は1万円からと同じですが最低投資額も1万円からとなっており敷居が低くなっています。
手数料の割引率の違い:ウェルスナビは最大10%THEO(テオ)は最大35%
手数料は両者共、3000万円未満の運用額については年率1%の手数料が発生します。
また3000万円を超える部分については0.5%の手数料という点まで共通しています。
【ウェルスナビ】
3000万円未満は1%の手数料ですが50万円以上運用している方には年間0.01%ずつ段階的に手数料が引き下げられ0.9%まで下がります。
200万年以上運用していたら0.02%ずつ下がり5年後に0.9%まで引き下げることができます。
【THEO(テオ)】
ウェルスナビは0.1%→0.09%と10%の割引率でしたがTHEO(テオ)は最大35%まで0.065%まで手数料を引き下げることができます。
2019年4月からTHEO COLOR PALETTE PLANが開始され、現在までの運用資産残高に応じて割引がなされます。
なかなか最後のレッドまで行くのは難しいです。
しかし、一つ手前の手数料0.07%になるイエローは数年間長期投資をすれば到達することができぞうですね。
基準額の計算の方法ですが1年間を4つに分けます。
4月-6月:A
7月-9月:B
10月-12月:C
1月-3月:D
例えば4月-6月の運用額が4月23万円、5月26万円、6月29万円の場合は、3ヶ月の平均26万円がカラー基準額となります。
基準額が26万円ということはブルー適用で既にウェルスナビの最大割引率に到達しますね。
カラーに応じて決定した割引率は次の3ヶ月である7月-9月に適用されます。
【THEO公式ページ】 https://theo.blue
DeTAX機能:ウェルスナビは有り、THEO(テオ)は無し
ウェルスナビはDeTAX機能を整えています。
例えば、AIが現在売却するべきだと判断して売却を行なった結果確定利益が100万円でたとします。
日本のキャピタルゲイン税は20.315%(以下簡単のため20%にします)とすると税金が20万円発生します。
一方で別のETFでは元本が270万円で現在価値は200万円と含み損が70万円発生しているETFがあったとします。
すると、一旦70万円の含み損を確定して先ほどの100万円の利益と合計すると確定利益を30万円に圧縮します。
30万円の利益であれば税金は6万円まで削減することが出来るのです。
そのあと、再び損失確定したETFを損失確定する前の200万円分購入してポートフォリオの構成を再現します。
DeTAX機能を備えているのはウェルスナビの強みですね。
【Wealth Navi公式】https://www.wealthnavi.com
下落対応機能:ウェルスナビは無し、THEO(テオ)は有り
一方THEOはTHEO AI アシストという損失回避を試みる機能がついています。
THEO AIアシストではロイター社のインデックスと市場の過去データから今後下落する可能性が高いと判断した場合、ポートフォリオを保守的に組み替える機能がついています。
AIが感情という要素を排除して判断してくれるので非常に期待が持てるシステムを完備しているのです。
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まとめ
ウェルスナビとTHEOの共通点と相違点についてお伝えしてきました。
シンプルさを求める人であればウェルスナビ、最先端の運用を体感したい人や1万円から始めたい人はTHEO(テオ)が適しているといえるでしょう。
以下今回比較した共通点と相違点のまとめとなります。
比較点 | ウェルスナビ | テオ(THEO) | |
共通点 | タイプ | 投資一任型のロボアドバイザー | |
運用商品数 | 低コスト高品質の米ドル建ETF | ||
分散効果 | 地域分散と資産分散を実施 | ||
基本手数料 | 基本は1%、3000万円超過分は0.5% | ||
リバランス | 無料で実施 | ||
相違点 | 運用手法 | 現代ポートフォリオ理論 | スマートベータ |
運用商品数 | 7個 | 30個以上 | |
運用プラン | 5種類 | 個々人オーダーメイド | |
最低投資金 | 10万円 | 1万円 | |
手数料割引率 | 最大10% | 最大35% | |
DeTAX機能 | 有り | 無し | |
損失抑制機能 | 無し | 有り |
【Wealth Navi公式】https://www.wealthnavi.com
【THEO公式ページ】 https://theo.blue
以上、WealthNavi(ウェルスナビ)とTHEO(テオ)を徹底比較!二大ロボアドバイザーはどちらを選ぶべき?…でした!