資産運用をする際、株式や債券など何かしらの「リターンの高そうな」金融商品に投資することになります。
しかし、これらの金融商品には必ず、値下がりする「リスク」があります。
このリスクを最小限に抑えて、分散投資で安定して収益をあげるのに利用するのが「ポートフォリオ」と呼ばれるものです。
今回は、このポートフォリオについて、その概要と作成方法をまとめていきます。
目次
Contents
資産形成のポートフォリオとは何か?
資産形成をする際、株式投資を選択する人もいれば、債券に投資する人もいます。
ただ、株式投資をするにしても、1つの企業の株のみ集中して買うと、その企業が倒産した際に大きな損失がでてしまいます。
資産形成は、常にリスクを考えながら行わなければいけません。
そこで、資産形成の際に、収益と損失のリスクのバランスを取るために考案されたのが、「ポートフォリオ」です。
なぜ「ポートフォリオ」と呼ばれているのでしょう。
ポートフォリオと言えば英語でも書類ケースを意味しますが、SMBC日興證券のページでは「金融商品の組み合わせ」とされています。
ポートフォリオとは、金融商品の組み合わせのことで、特に具体的な運用商品の詳細な組み合わせを指します。「ポートフォリオを組む」ということは、どのような投資信託を購入しようか、株はどの銘柄で何株ほど持つか、などの検討をするという意味です。
もともとの語源は、紙ばさみや書類入れという意味で、欧米では紙ばさみに資産の明細書を保管していたことが言葉の由来となっています。
ポートフォリオが具体的な商品の詳細な組み合わせを意味するのに対し、大まかな資産配分のことをアセットアロケーションといいます。
(引用:SMBC日興證券「ポートフォリオ」)
ポートフォリオとは、様々な種類の株式、債券などの金融商品を組み合わせて、リスクを分散。
長期的に利益がでるよう調整された構成を指します。
例えば、株式のポートフォリオを作る場合、外国為替が円安のときに株価が上がる銘柄と円高の際に上がる銘柄をそれぞれ組み込みます。
これで、どちらに転んでも大きな損失を免れることができます。
現在は円安志向ですので、円安に強い銘柄を多めにいれ、円高に強い銘柄を少なく配置すれば、長期的に利益を上げやすくなります。
尚、日経平均株価やJASDAQ平均、ダウ平均株価もポートフォリオの一種です。
銘柄が時価総額順に加重平均されて並べられています。
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ポートフォリオを組む上で考えるべきこと
単純に複数の資産に分散しておけば損失は免れるということでもなく、リターンも安定するということでもありません。
例えば以下のような投資先があります。
国内株式 | 国内投資信託 | 国内債券 | 海外株式 |
海外投資信託 | 海外債券 | 不動産投資 | – |
それぞれ資産の「属性」と「相関性」を考えることも重要であり、組み合わせによってはリターンが大きく異なってきます。
日米ともに株式と債券の分散効果が低下してきた現状、より幅広い資産への分散によりポートフォリオのリターンを安定化させるにはどうすればよいだろうか。その参考として、図表3は主要資産の相関係数を見たものだ。
例えば、国内株式を見ると、コモディティとの相関係数が0.00と国内債券より低く、分散投資の対象として検討する価値があるだろう。
また、国内債券と国内株式の相関係数はすでに説明した通り0.15とプラスだが、国内債券とコモディティの相関係数は-0.14とマイナスとなっている。
各資産のリターンだけに注目するのではなく、分散投資によりポートフォリオ全体で良好なリスク・リターンが達成できるかを意識したい。
図の見方として、「1」が完全相関となります。つまりは1に近い数値であればあるほど相関係数が高いことを示しています。
例えば(1)国内株式と(2)の国内債券の相関関数は「0.15」ということです。
その他にもETFを購入するにも「日経平均株価」「ダウ平均株価」の2つで運用するのは連動しているため、推奨できません。
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ポートフォリオの作成方法
それでは、実際にポートフォリオを作成方法について、確認していきましょう。
長期運用か短期運用かを決める
ポートフォリオを作成する際に、最初に決めておかなければならないこと。
それは、「長期的」に運用するのか、それとも「短期的」に運用するのかという点です。
というのも、長期的が短期的かでポートフォリオに組み込む金融商品が異なってくるためです。
長期運用を考えている場合、短期的な利益は見込めない代わりに、長期保有によって堅調に利益が得られる金融商品を選択します。
東証一部上場の大手企業株や社債、先進諸国が発行する国債などが候補になります。
短期運用の場合は、損失が出るリスクを踏まえた上で、短い期間で値上がりが期待できる金融商品をポートフォリオに組み込みます。
新興市場の株式や発展途上国の国債など、値動きが激しい金融商品が候補となります。
長期運用と短期運用は、それぞれ相対するメリット、デメリットを持っていますので、自身の投資スタンスに合ったものを選びましょう。
投資額に応じて、中心とする金融商品を選択する
投資に使える資金が多い場合は、低い利率でも多額の利益を出せることが多いです。
「国債」など堅実な金融商品に投資するのも1つの手です。
極端な、あくまでも例ですが、10億円を投資に回せる場合。
10億円で期間10年の変動金利条件の日本国債を購入すれば、国が保証する最低金利が0.05%です。
これだけで、毎年50万円の利子を得ることができます。
反対に、投資資金がそこまで多くない場合、国債に投資しても多額の利益は得られません。
比較的値動きの大きい株式に投資した方が期待値が高いです。
新興市場の株式や上昇中の業界の株式を組み込むと、短期的に利益を出せる可能性な高まります。
資金が少ない場合、FXも1つの候補ですが、こちらは現物の金融商品ではないため、投資金以上の損失を被る可能性があります。
短期トレードの場合、大手のヘッジファンドが莫大な資金を投入して為替市場に影響を与えています。
投資額が少ない個人投資家は食い物にされてしまうのです。
そのため、ポートフォリオを組む上では、「FX」はお勧めできるものではありません。
為替商品をポートフォリオに組み込みたい場合は、外貨預金の方がリスクが低いので、こちらを組み込んだ方がまだ無難です。
自分で作るのが難しかったら、ツールの力を借りるのもアリ
実際に、どの企業の株式が長期運用、短期運用に適しているか、探し出すのが難しい場合はツール利用するのも1つの手です。
ポートフォリオの作成ツールを利用すると、株式を保有した際の自分の資産状況が手軽に確認が可能です。
作ったポートフォリオを俯瞰的に眺めるツール『東北投信』の『ピザロ!!』
さらに東北投信が作成している『アセットアロケーション分析ツール』である『ピザロ!!』が自身のアセットアロケーションを俯瞰的に眺めるのにおすすめです。
東北投信『アセットアロケーション分析ツール』の『ピザロ!!』
ご自身の保有する投信と現在の評価額を入力します。
入力後に下にスクロールして『シェフにお願いする』を押すだけで、現在の自身のポートフォリオをカテゴリー毎に分類してもらうことができます。
一目でアセットアロケーションが俯瞰できて便利ですね!
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まとめ
ポートフォリオは、安定して資産形成をするのに必須のものです。
資産形成の目的や期間によって、ポートフォリオに組み込む金融商品は変えていく必要があります。
現在は便利なツールもありますので、プロの投資家でなくとも十分ポートフォリオをつくることが可能です。
ポートフォリオを利用して、堅実に資産運用を進めて、快適な投資ライフを送っていきましょう。
以上、【投資ポートフォリオとは?】資産形成で必須となる投資ポートフォリオの作成方法をわかりやすく解説。…の話題でした。
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