株式投資を始める理由が配当金を毎年受け取りたいからという方も多いのではないでしょうか?
このコンテンツでは優良株でありながら、とにかく高配当な銘柄3選(ソフトバンクG・オリックス・住友商事)について分析を交えて紹介していきたいと思います。
目次
Contents
ソフトバンク株式会社(9434):6%近い配当利回りを実現する高い配当性向
ソフトバンク株式会社はソフトバンクグループの中核企業をなす通信事業会社です。
ソフトバンクグループについては以下で詳しく分析しています。
ソフトバンクグループが保有していた国内通信事業を纏めて2015年度に設立され、記憶に新しい2018年12月に上場されました。
ソフトバンク株式会社の高い配当性向
2020年3月期は85円が配当金として拠出予定です。(2019年は半期分で37.5円が拠出されました。)
2020年3月3日時点の株価1,428円ベースで配当利回りは5.9%となります。
ソフトバンク株式会社は決算資料で配当性向を85%にすることを明言しています。
2020年3月期の純利益4800億円をベースにすると配当性向85%とすれば配当金総額は4080億円となります。
発行済株式数は47.87億株となりますので、現在の利益水準で算出する来年の1株あたりの配当金は85円となります。
安定した利益と高いROE
最初に申し上げた通り、ソフトバンク株式会社はソフトバンクグループから国内通信事業が切り離されて上場された会社です。
特に携帯事業からは毎年安定した収益が見込まれます。
以下、今年度を含めたソフトバンクの3年分の業績をみると非常に安定していますね。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
2017/03 I | 3,483,056 | 678,659 | 636,555 | 441,189 |
2018/03 I | 3,547,035 | 641,935 | 601,315 | 412,699 |
2019/03 I | 3,746,305 | 719,459 | 631,548 | 430,777 |
2020/03予 I | 4,820,000 | 900,000 | - | 480,000 |
特筆すべきは「ROE」の高さです。
ROEは日本企業は平均して10%程度といわれている中、ソフトバンクは非常に高い数値を記録し続けています。
- 2018年3月期:36.61%
- 2019年3月期:43.89%
- 2020年3月期:49.61%
決算期 | ROE | ROA |
2017/03 | -% | -% |
2018/03 | 36.61% | 8.39% |
2019/03 | 43.89% | 7.88% |
2020/03予 | 49.61% | 4.82% |
以下はソフトバンク株式会社のバランスシートです。
2018年12月時点では有利子負債が固定負債だったのですが、返済期限が近くなり流動負債になっています。
普通の会社であれば危機的な状況なのですが、ソフトバンクグループの中核企業であることと安定収益が得られることを忘れてはいけません。
有利子負債は借り換えで期限が延長され固定負債になることが想定されます。
仮に借り換えしないとする場合も新たな借入やソフトバンクグループからの融資で問題はないでしょう。
PERも15倍という水準です。
ROEの高さからすると非常に割安な水準なので優良かつ高配当という条件を満たしている企業ということができますね。
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オリックス(8591):業績堅調で10年連続増配を実施!
オリックスといえば野球を思い浮かべる方が多いと思いますが、国内トップの総合リース会社として君臨しています。
リース??と思われた方も多いと思いますので、簡単に説明します。
まずは以下はオリックスの説明です。
お客さまが選定した動産を、オリックスがお客さまに代わって販売会社から購入し、リース料をお支払いいただくことで、お客さまにお貸しする取り組みです。IT機器、工作機器、一般設備機器などの動産が対象になります。(引用:オリックス)
オリックスが販売会社から様々な機会を購入して、期間を限定して顧客に貸し与えてお金を頂くというモデルですね。
それでは配当金について見てみましょう。
連続10年増配を実施する高配当企業
オリックスは2019年度の配当金は76円が予想されており、2019年4月26日時点の株価1571円ベースで計算すると配当利回りは4.83%となっています。
以下は2008年からの配当金実績ですが、2009年から2019年まで配当金を増配し続けています。
配当金 | |
2008年度 | 26 |
2009年度 | 7 |
2010年度 | 7.5 |
2011年度 | 8 |
2012年度 | 9 |
2013年度 | 13 |
2014年度 | 23 |
2015年度 | 36 |
2016年度 | 45.75 |
2017年度 | 52.25 |
2018年度 | 66.0 |
2019年度 | 76.0 |
2020年度 | 76.0 |
グラフにすると以下の通り、オリックの増配は右肩上がりであることが鮮明ですね。
以下は2009年からの株価の推移です。
仮に2009年時点つまり株価が500円の時にオリックスに投資をしている人に関して。
現在の1株76円という配当金ベースでの配当利回りは15.2%ということになります。
毎年増配するといえば配当貴族銘柄と配当王銘柄が有名ですね。
配当貴族は25年以上連続して増配している銘柄であり、配当王は50年以上連続して増配している銘柄です。
日本には配当貴族銘柄は花王しかありませんが、米国には数多くの配当貴族・配当王銘柄が存在しています。
右肩あがりの業績!一時的に業績が低く割安な今年が仕込み時!?
オリックスの業績は以下の通り右肩上がりとなっています。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | EPS |
2007/03 S | 1,142,553 | 282,166 | 316,074 | 196,506 | 153.6円 |
2008/03 S | 1,154,054 | 189,201 | 249,766 | 169,597 | 132.6円 |
2009/03 S | 1,075,811 | 54,739 | 10,071 | 21,924 | 17.1円 |
2010/03 S | 932,841 | 29,571 | 55,608 | 37,757 | 29.5円 |
2011/03 S | 970,110 | 73,960 | 91,965 | 67,275 | 52.6円 |
2012/03 S | 972,884 | 125,195 | 130,484 | 86,150 | 67.4円 |
2013/03 S | 1,065,638 | 150,598 | 172,518 | 111,909 | 87.5円 |
2014/03 S | 1,341,651 | 200,978 | 283,726 | 186,794 | 146.0円 |
2015/03 S | 2,174,283 | 256,829 | 344,017 | 234,948 | 183.7円 |
2016/03 S | 2,369,202 | 287,741 | 391,302 | 260,169 | 203.4円 |
2017/03 S | 2,678,659 | 329,224 | 424,965 | 273,239 | 213.6円 |
2018/03 S | 2,862,771 | 336,195 | 435,501 | 313,135 | 244.8円 |
2019/03 S | 2,434,864 | 329,438 | 395,730 | 323,745 | 253.1円 |
2020/03予 S | - | - | - | 300,000 | 234.5円 |
なんと2009年から2018年までのEPS(=1株あたり純利益)の年平均成長率は34.4%。
驚異的な成長を実現してきています。
株価水準としても現在12末までの決算が悪かったことにより株価は下落しています。
12末時点で昨年度に比べて8%減少となっていましたので、仮に3末決算で昨年度のEPSより10%下落したとしてもEPSは220円となります。
現在の株価は1720円なのでEPSを234円と考えて計算するとPERは7.3倍と非常に割安になっています。
業績が落ちている原因も昨年度の一過性要因の増益と、今年の保険事業の運用収益の減少という一過性のものという可能性が高いです。
優良企業の株価売り込まれた時こそ仕込み時ということはバフェット氏も言っており、非常にお得な水準であるということが出来るでしょう。
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住友商事(8053):高配当業界総合商社の中で最高の5%近い配当利回り
最近は就活生に対する不祥事で世間を悪い意味で賑わしてしまった住友商事です。
しかし、企業としては財閥系総合商社としてプレゼンスを発揮しています。
近年は伊藤忠商事に純利益水準では抜かされていますが、株価が非常に割安なので仕込みやすい総合商社株となっています。
増配基調の配当金と株価の下落で配当利回りは総合商社最高
住友商事は株価は2020年3月3日時点で1,501円です。
年間配当金は80円となっており配当利回りは5.3%となっています。
以下が2013年からの配当金の推移ですが安定して増加基調ですね。
決算期 | 年間配当金 |
---|---|
2013/03 | 46.00 円 |
2014/03 | 47.00 円 |
2015/03 | 50.00 円 |
2016/03 | 50.00 円 |
2017/03 | 50.00 円 |
2018/03 | 62.00 円 |
2019/03 | 75.00 円 |
2020/03(予) | 80.00円 |
配当金が高い会社では株価がある程度まで下がると、配当利回りが上昇します。
その際、すかさず配当金投資家の「買い」がはいります。
復調基調の業績と割安な株価水準
以下は住友商事の1株あたり純利益(=EPS)と1株あたり純資産(=BPS)の推移です。
今年度はまだでてませんが、昨年度時点でBPSは2219円、EPSは256円となっています。
一方株価は1,501円ということを考えると、BPSだけで既に株価を超えています。
更にEPSも256円なのでPERという水準で考えると6.3倍となります。
割安な総合商社業界の中でも三井物産と並んで最も割安な水準となっています。
PERが6倍とは?
わかりやすい例を用いると、1200万円の不動産の家賃収入が毎年税後で200万円ということを意味します。
圧倒的に割安なレベルですので、非常に投資妙味が高い銘柄といえるでしょう。
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『お金の学校』で銘柄分析の素養を身につけよう!
株式投資は勉強すればするだけ成果がでる魅力的な投資手法です。
総合商社で為替トレーダーを行なっていた筆者からすると、FXや仮想通貨は理論が存在せず魅力的な投資手法とはいえません。
しかし、株式投資は理論的に株価を想定することが出来ます。
さらに資本主義が産声をあげた18世紀から歴史的に継続して最も高いリターンをあげているのも株式投資なのです。
株式投資で成功するためには勉強が必要なのですが、どう勉強していいか分からない人は多いのではないでしょうか。
確かに株式投資本を読み漁るのも一つの手なのですが、そもそも長期間活用が可能な手法かどうかも見極めるのも難しい点です。
私が実際に受講している『グローバルファイナンシャルスクール』(=GFS)では、著名投資家や経済のエキスパートから生の講義を受けることができます。
株式投資の基礎から実践まで学ぶことができ、間違いなく長期的な資産形成ができる礎を築くことができる内容んなっています。
以下で詳しくまとめていますので参考にしてみてください!
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まとめ
本日は高配当というだけでなく、配当の安定性、配当の成長率、銘柄として割安な優良銘柄を紹介していきました。
■ ソフトバンク株式会社:
通信業者ということもあり収益力は安定しており配当性向は85%と高水準で配当利回りは6%近い水準。
更にレバレッジをかけた運営を行なっていることもありROEは30%以上の超高水準で株価成長も期待できます。
■ オリックス:
オリックスは10年間増配を実現しており配当利回りは現時点でも5%程度を実現。(10年前に投資していれば15%!!)
2019年度は利益が落ち込み株価が下落しているので、仕込みどきのチャンス。
■ 住友商事:
増配基調で配当金は総合商社最大の5%近い水準を実現。
株価はPER、PBRともに非常に割安で株価は過少に評価されすぎている水準で魅力的。
以上、優良株でとにかく高配当な銘柄3選(ソフトバンク・オリックス・住友商事)の魅力を分析して紹介!…でした。