インターネットで容易に株取引ができるようになってから、個人の間にも株式投資が浸透して、大分月日が経ちました。
貯蓄などで堅実に資産を築くのも良いですがなかなか大きな資産を築くことはできません。
株式投資で資金を運用して「効率良く」資産を増やしたいという人も多いのではないかと思います。
しかし、実際に株取引を始める人がいる中、「株取引を始めたいけど、何から始めればいいか分からない」
という悩みをお持ちの方も多いと思います。
世の中、お金の話は中々し難い部分もあり、職場や友人など周囲の人にも聞きにくいですよね。
そもそも株式投資で安定的に利益をあげている人はなかなかおらず、相談する相手を見つけるのも一苦労です。
今回のコンテンツでは、資産運用を考えている人に向けて、株式投資における基本的な取引方法をご紹介したいと思います。
目次
Contents
初心者でもできる、おすすめの株取引とは?
株初心者の方にオススメできる株取引は、配当などインカムゲイン狙いの「長期保有型」の株式投資です。
まず、初心者の方でもあまり手間を掛けずにできる株取引の条件として、大きく以下の3点が挙げられます。
- チャートの読み取りなど専門的な知識がなくてもできる
- 値動きが激しくない
- 長期的に取り組める
多くの人がイメージする「株で数千万~数億円の利益を短期間で出している人たち」は、その大半が「デイトレーダー」と呼ばれる人たちです。
デイトレーダーは、市場が開かれている間、常にPCの画面に張り付いて値動きのタイミングを予測し株を大口で売買しています。
デイトレードの世界に入るには一日中勉強して「3年は結果が出なくても絶対に諦めない」といった覚悟が必要です。
会社員の方に向いている投資ではそもそもありません。
長期で保有して、着実に利益を出していく「インカムゲイン型」の株式投資方法がおすすめです。
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「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の違い
まずは株式投資で得られる利益は大きく分けて2つあります。
■キャピタルゲインとは:
株式や債券など、保有している資産を売却することにより得られる利益のことです。
ex.株価100万円で株式を購入し、その後株式が200万円まで上昇し、売却した結果差額である100万円の利益が出れば100万円がキャピタルゲインとなる。
(ここからキャピタルゲイン税と手数料が引かれる)反対に、売却して損失が出た場合はキャピタルロスといいます。
■ インカムゲインとは:
株式や債券、オルタナティブ投資においては不動産など、「資産を保有中」に得られる収益を指します。
株式投資では配当金、債券では利子、不動産では賃貸することにより得られる家賃収入がインカムゲインとなり、資産を保有し続けることで、継続的な収入を獲得することを目指します。
キャピタルゲインを狙うのか、インカムゲインを狙うのかで投資手法は異なってきます。
しかし、忙しくて時間のない会社員の方には「長期保有型」の「インカムゲイン」狙いの投資を始めるべきです。
付随して銘柄の価格が上昇したタイミングでキャピタルゲインを狙うのが理想的です。
有名なP&Gの増配記録は、62年連続というレベルで2018年の1株あたり配当$2.8、配当利回りは3.2%です。
以下チャートの通り、1970年のP&Gの株価はなんと、わずか$0.7でした。
(引用:Macrotrends)
安定して増配を実現している企業に投資をすれば、時間が経過するととんでもない利回りを実現することができるのです。
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会社員、株式投資初心者が選ぶべき銘柄の特徴とは?
株式投資を始めたばかりの人が銘柄を選ぶ時によくある特徴として「有名企業」あるいは「個人的に思い入れのある」企業の株を購入する傾向にあります。
自分が興味の持てる銘柄に投資をすることは決して悪いことではありません。
しかし、銘柄や業種の特徴を知らずに投資をすると大きな損失を被る可能性があることも事実です。
業績が安定している企業の銘柄は保有期間中に大きく株価が下がるリスクが減少します。
また、成長の余地が残っていれば株式価値は上昇ししていきます。
「業績が安定している企業」とは、具体的には電力、ガス、鉄道といった「インフラ」を扱う企業の株です。
簡単に例を挙げると、電力は関西電力や九州電力、ガスは東京ガス、鉄道はJRなどなどですね。
2011年の東北大震災で東京電力の株価は株価は3月10日の2153円から、事故が判明し最終的には2012年7月には120円をつけ、実に株価は9割減となった事例もあります。
しかし、これはとてもレアケースであり、今でもインフラ関連の株は安定していると言っても良い水準です。
こういった「内需株」銘柄は「ディフェンシブ銘柄」と呼ばれ、安定しているので堅実な投資をしたい方にも好まれています。
他にも通信や医薬品、食料関連もディフェンシブ銘柄に含まれます。
これらに加えてディフェンシブ銘柄よりは値動きはありますが、
大手銀行株も大きく変動しないので投資初心者でも扱いやすい銘柄と言えます。
ディフェンシブ銘柄で株式投資に慣れてきたら、次に「バリュー株」「グロース株」投資を学びます。
ステップを踏んでいくと、リターンを最大化できる独自の株式投資手法を築き上げることができるかと思います。
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株式の3つの保有期間(長期、短期、中期)のそれぞれの違い
ちなみに、株式投資の保有期間は大きく分けて3つあります。
長期保有型 | 特定の株式銘柄を「数年〜数十年」保有 |
短期保有型 | 特定の株式銘柄を「数日間」保有を繰り返す |
中期保有型 | 特定の株式銘柄を「数週間〜数ヶ月間」保有 |
保有期間に応じて、それぞれの投資スタイルを解説していきます。
「長期保有型」の株式投資(配当・優待+キャピタルゲイン)
株式投資といえば「長期保有」をイメージする方が比較的多いかと思います。
株式投資の王道とも言える取引方法で、数年から長い場合は十年以上保有し続けます。
バフェット氏の投資手法は以下コンテンツで網羅的に触れていますので参考にしてみてください。
長期保有をする前提で、初心者の方に特におすすめなのは、「配当」「優待」狙いのインカムゲインを狙った株取引です。
株を保有すると、その投資金額にかかわらず企業の「株主」となります。
株主には、企業から様々なリターンがあります。
例えば、「配当」がその主たる例です。
配当とは、企業が株主に利益の一部を分配して譲渡する制度で、株の保有数によって額が変動します。
売買をしなくても自動的に配当が入ってきますので、難しい作業をせずに利益をあげられます。
また、配当に加えて「株主優待」という制度もあります。
こちらは、金銭で受け取るものでなく、企業が運営しているサービス・商品の無料引き換え券など、物品・サービスで利益を還元してもらえるものです。
投資家の中には、この「株主優待」だけで生活を送っている人もいます。
株の売買経験が浅い方は、最初は上記でも挙げた値動きの追いやすい「ディフェンシブ銘柄」で企業の株を購入しましょう。
一気に稼ごうとすると、その分「一気に消耗してしまう」可能性も生まれますので、初心者の方は特に、堅実に、地道に資産を増やしていく方法をとっていくことが重要です。
インカムゲインを得ることは、キャピタルゲインを得ることよりも簡単ですので、特に時間のない会社員の方々には最もおすすめの取引方法です。
また、キャピタルゲインを狙う際にも、対象となる銘柄は将来的に成長すると思われる銘柄や、何らかの影響で現在の株価が安くなっている銘柄などで、それらが正しく評価され利益が出るときまでじっと待ちましょう。
長期保有型の投資の良い点として日頃の株価の上下を気にする必要がないというのがあります。
売却するのは数年後と長期に亘りますので、日々の細かな動きを追う必要がないからです。
サラリーマンや日頃あまり株価をチェックできない方には特におすすめの投資法だと言えます。
ただし投資の結果が出るまでに数年かかってしまうので、それを待ち続けるのが苦手な人には向かない可能性があります。
「短期保有型」投資(デイトレード)
短期保有は数分から長くても数日で終えてしまう取引の事で、こういった取引を「デイトレード」とも言います。
短期保有では日中に株価の動きをチェックして、この一瞬だけでも株価が上昇しそうだと思ったら買い、
もう下がってしまうと思ったら売ってしまうという事を繰り返して利益を積み重ねていきます。
数時間の間に何度も取引を繰り返すので、集中力や思考スピードの求められる難易度の高い取引方法と言われています。
しかし、短期保有をするメリットもあります。
日中に取引を終えられるので、取引時間外に発表される株価を下げるような悪いニュースの影響を受けずに済むのです。
出来る限りリスクを避けて株取引をしたいと考えている方にうってつけの投資方法と言えるかもしれません。
デイトレードとデイトレードにおすすめのネット証券については以下の記事でも詳しく解説をしています。
「中期保有型」投資(スイングトレード〜)
長期保有と短期保有の中間の特徴を持つのが中期保有です。
保有期間が数週間から数カ月ということで、株価は企業業績と日々のニュースの両方から影響を受けます。
長期保有ほど将来的な事を考える必要はなく、直近の業績予想をして株価が上昇するかどうかを判断します。
中期保有を行う人の中には、中期保有でも短期保有をする時のように株価の値動き予想が出来た方が良いという人もいます。
しかし、考え方は人によってかなり異なります。
長期保有の企業分析と、短期保有の値動き予想の両方をバランスよく出来る方はこの投資方法が向いているようです。
投資初心者が両方の勉強をするために中期保有をしてみるというのも良いかもしれません。
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株式の小口購入(少額)
最初から大量に株を買ってそれが多額の含み損になってしまった場合に、投資初心者の多くは正しい判断が出来なくなってしまいます。
本来ならば即座に損切りをしなければならない状況なのに塩漬けにしてしまい、損失が拡大してしまったという事例は数え切れないほどあります。
そういった事にならないためにも、まずは少額で投資できる銘柄を選択してみてはいかがでしょうか。
銘柄スクリーニングをすると10万円以下で買える銘柄を簡単に探す事が出来ます。
その中から気になる銘柄を選んでみてください。
株を購入する際、多くの企業は「100株でワンセット」を1単元として株をまとめて売っています。
そのため、初期費用を抑えたいと考えている方には少し負担が大きいかもしれません。(正直、株の売買がデジタル化されても尚、このような単元買い制度が続いているのは違和感を感じます)
そのような中、10株など小さい単位で株式を購入できる証券会社もあります。
最初から大口で株を購入せず小口の売買から始めれば、精神的な負担を軽減して売買をすることができます。
注意してほしいことは、「全ての証券会社で小口購入が可能であるわけではない」という点です。
証券会社で口座を開く前に、小口購入に対応しているか確認を怠らないようにしましょう。
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まとめ
インカムゲイン、キャピタルゲイン、どちらを狙うのか?
株式銘柄の保有期間によってかなり特徴が異なるということが理解いただけたかと思います。
まずは、長期保有のインカムゲイン+キャピタルゲインを狙うことから株式投資を始め、
自分にあった投資手法を探してみるのが投資で成功するための第一歩かと思います。
株取引は難しいイメージが先行していますが、取引の種類を厳選すれば初心者の方でも無理なく始めることができます。
今回の記事を通して「自分にもできそうだ!」と思って頂き、株取引の世界へ一歩を踏み出して頂けたら幸いです。
以上、株式投資初心者向け安定株取引方法とは?おすすめの長期保有トレード(配当、優待狙いのインカムゲイン投資)を紹介…でした!