「インデックス投資」とは1年で資産を2倍、3倍にすることを狙うのではなく、長期に亘り、市場平均リターンを得ることを目標としています。
投資対象の市場全体に投資するという手法であり、多数の企業などを投資対象とします。
これはつまり、個別企業に投資する場合と異なり、倒産や不祥事など個別のリスクの影響はほとんどありません。
今回は個別株に比べてリスクの少ないインデックス投資で、なぜ多くの人が失敗してしまうのかを紹介します。
インデックス投資を学べる本なども、別のコンテンツで紹介しているので参考にしてみてくださいね。
目次
Contents
インデックス投資とは
「インデックス投資(パッシブ型)」についての概要は以下のコンテンツでも解説していますが、ここでもおさらいとして簡単に紹介します。
インデックス投資とはインデックス(株価指数)と同じ損益となることを目標とする投資のことです。
インデックス(株価指数)には、日経平均株価やTOPIX、S&P500、ダウ平均株価などがあります。
インデックス投資と個別株投資との違いは、市場全体に投資を行うことで個別要因によるリスクを軽減できるという点です。
例えばTOPIXは東証一部に上場している全ての企業で構成されている指数です。
TOPIXを対象としたインデックス投資を行うことで、東証一部上場企業全ての企業に投資していることになります。
TOPIXの構成銘柄は2,000銘柄以上あります。
銘柄数が多く、個別企業の業績悪化や不祥事、事故などによるリスクを大幅に軽減することが可能です。
もちろん、リスクが減る分、個別株のように1年間で株価が10倍(テンバガー)になるというようなことはありません。
あくまで、リスクを抑えて市場平均と同様のリターンを狙うというのがインデックス投資の目的です。
インデックス投資を行っている投資信託やETFのことを「インデックスファンド」とよびます。
インデックス投資をするには通常インデックスファンドを購入することになります。
市場平均以上のリターンを得ることを目標とするのがアクティブファンドです。
アクティブファンドは運営会社が任意で投資対象を選定します。
インデックスファンドに比べて値動きが大きいという特徴があります。
また、アクティブファンドは利益を追い求める分、調査費用やファンドマネジャーへの報酬が高くなります。
その結果、インデックスファンドに比べて手数料などコストが高くなっています。
現実としては、様々なファンドの投資成績が分析され、ほとんどのアクティブファンドがインデックスファンドのリターンを下回っていることが判明しております。
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安全なはずなのに。どうしてインデックス投資で失敗してしまうのか?
インデックス投資は低リスクの投資なのですが、インデックス投資で失敗、大損してしまった方は大勢います。
どうしてインデックス投資で失敗してしまうのでしょうか?
長期継続投資をしない
インデックス投資において何より重要となるのが「長期投資」を行うということです。
株は短期的には暴落することもありますが、長期的には歴史的に見て上昇しています。
年平均にすると株式のリターンは6%~8%程度と言われています。
しかし、これは数十年以上という長期投資によるリターンのことを指します。
1~2年間のような短期間では損失が出る可能性もあるのです。
このことを投資する際に認識していないと、投資開始から1年程度で損失に耐え切れず、投資自体を辞めてしまう人は少なくありません。
結果的にそれは、インデックス投資に失敗してしまうことになります。
インデックス投資をするのであれば、長期投資を前提として株価の暴落時にはむしろ追加投資をするような余裕を持つことが大切です。
日本では金融教育の進んでいる欧米ほど長期投資が根付いておりません。
従い、どうしても短期的な暴落で投資から撤退してしまう人が多数いるのが現状です。
特にインデックス投資においては、長期継続投資が何よりも重要となります。
実際に、リーマンショックでは株価が暴落しました。
しかし、その時にインデックス投資をやめずに継続的に投資していれば今頃はかなりの資産を築けていた、という人も多いのです。
1870年代から代表的な米国の指数であるS&P500指数は、短期的には下落することはありました。
リーマンショックの影響もありましたが、10年単位でみると一貫して上昇しているのがみてとれます。
インデックス投資で失敗しないためには「長期継続投資を行う」ことが鉄則となります。
頻繁に投資商品を変えてしまう
インデックス投資で失敗してしまう2つ目の理由は、頻繁に投資商品を変更してしまうということです。
自分の保有しているファンドより利益の出ているファンドがあればすぐに乗り換えていては、結局は損失が拡大していくということにもなります。
景気に波があるように株価にも波があります。
価格が高くなっているファンドに次々と乗り換えていると、高値掴みを繰り返してしまうということに繋がるからです。
インデックス投資において短期的な損益を気にすることは投資の失敗に繋がります。
特に現在ではインターネットを利用して様々なファンドの成績を簡単に調べることができます。
他のファンドが魅力的に感じることもあるでしょう。
しかし、保有しているファンドが十分に分散投資されており、運用に問題がないのであれば安易に投資するファンドを変更すべきではありません。
もちろん、実際に乗り換えた方が良いケースもあります。
それは、そもそも保有している投資信託が十分に分散投資されていない場合やコストが著しく高いといった場合です。
それ以外のケースでは、保有しているインデックスファンドの安易な乗り換えは絶対にやめましょう。
インデックスファンド選び
最近ではつみたてNISAなどが導入されたこともあり、証券会社各社がインデックスファンドに力を入れています。
結果的にそれが、手数料などコストの低下が進んでいます。
また世界中に投資できるインデックスファンドなど魅力的な商品が次々と生まれています。
インデックスファンドには良好な環境となっています。
しかし、そんな中でも悪質(適切な情報提供がない、手数料が著しく高いなど)なインデックスファンドは存在しております。
悪質なインデックスファンドを選んでしまうと投資に失敗してしまいます。
インデックスファンド選びで重要なのは銀行では相談しない、購入しないということです。
銀行が販売しているファンドは、購入時点で販売手数料というコストが発生します。
この販売手数料はネット証券であれば無料のものが多数あります。
投資対象が全く同じなのに銀行でファンドを購入すれば販売手数料がかかり、ネット証券では販売手数料がかからないということも珍しくありません。
インデックスファンドを選ぶ際には銀行を避けるようにしましょう。
ほぼ全てのネット証券で、ファンドの詳細な検索ができます。
検索機能を活用し投資対象やコスト面、資産規模が順調に増えているかなどを確認することで悪質なインデックスファンドを避けることが可能です。
このようにインデックスファンドを選ぶ際には複数のファンドを比較して選んでください。
しかし、実際に有望なインデックスファンドを選ぶのは難しいものです。
多くの人が購入するファンドを真似して選んで買って運用を始めても、市況によっては魅力があるとされるファンドは移り変わっていきます。
つまり、本質的に「投資商品を選べる知識」が必要になってきます。
独学で読書などで金融知識、投資商品選びの知識を学ぶ人もいますが、少し効率が悪いです。
社会人であれば、投資スクールにお金を払って時間を買いつつ、着実に効率よく知識を獲得するという選択肢もあるでしょう。
近年では、資産形成への関心の高まりから、お金の本質(株式投資、投信など網羅的に)を学べる学校がたくさんありますので、検討してみるのもありでしょう。
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まとめ
今回はインデックス投資で失敗してしまう理由ついて紹介しました。
最後に簡単にまとめます。
■ 今回の総括!
- インデックス投資では長期投資が大前提
- 投資するインデックスファンドの安易な変更は禁物
- インデックスファンド選びは銀行を避ける
良質なインデックスファンドを選ぶには、投資の基礎知識が不可欠です。
市況の変化に柔軟に対応して着実に資産を運用していくには、「良い投資商品の情報」「投資の本質的な知識」の両方が必要です。
このような投資についての知識を効率的に学べれば、現代の忙しい社会人としては嬉しいですよね。
最近では、信頼できる投資家が講師として講義を行うセミナーなど、短期集中でお金の本質、株式投資の基礎などが学べる機会が増えてきました。
書籍などでは得られない情報などを獲得できることも多く、一つの選択肢として検討してみるのも良いと思います。
以上、インデックス投資で失敗してしまう3つの理由を解説。長期的な利回りをみて投信を購入しよう。…の話題でした。