現在は日本でも投資環境が整い日本の証券会社からでも米国株をはじめとした外国株を購入することができます。
日本に住んでいる日本人投資家としては日本株と米国株どちらがいいのか悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本日は日本株と米国株の其々のメリットとデメリットをお伝えした後に、
どのような投資家にどちらが向いているのかを考察していきたいと思います。
ホームグラウンドの日本の株式市場
まずは我々日本国民のホームグラウンドでもある日本の株式市場について見ていきましょう。
メリット①:決算書を日本語で読める
まず一点目として企業の成績表である財務諸表を母国語である日本語で読めるというメリットが大きいです。
企業が出している損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書を日本語で確認することができるのは大きな強みです。
以下は三菱商事の決算プレゼン資料です。
メリット②:消費者としてサービスや製品をいち早く体験できる
日本人としてのメリットとして日本企業の優秀なサービスを落ち早く体験することができるというものがあります。
「ピーターリンチの株で勝つ」でも伝えている通り、大きく上昇する銘柄を探すには他社に先駆けていち早く企業の魅力に気づく必要があります。
他にもカツ丼で有名な「カツ屋」を運営するアークランドサービスにいち早く投資をしていれば10倍(テンバガー)以上を獲得できました。
メリット③:上場企業数が多く小型株にチャンスがある
まず現在の世界の株式時価総額の比率を世界全体の時価総額に応じて投資するVTの国別構成比率を元に見ていきましょう。
米国の比率は全体の57.6%で2位の日本の株式市場の約7.5倍の規模となっています。
圧倒的に世界最大の株式市場を保有している米国の上場企業数はNYSEとNASDAQを合わせて約5000社となっています。
証券会社をはじめとした金融機関のアナリストが分析するのは有名な大型株です。
小型株に対しての分析をしているアナリストは殆どいません。
日本は上場企業数が非常に多いので、適切な分析がなされていない中小企業が数多く存在しているのです。
長期的には本質的な価値に株価が収斂すると考えるのであれば大きな投資妙があるのです。
特に10倍以上に化けるテンバガーは時価総額100億円未満の小型株に8割以上が存在しています。
魅力的なベンチャー、中小上場企業に投資を行い高いリターンを出している個人投資家の方も存在しています。
以下も参考にしていただければと思います。
デメリット:日本は国としての成長率が低い
グローバル化が進展して企業収益が世界をまたにかけたものになってきたとはいえ、
メインマーケットの経済は依然として企業収益の多くを占める状況となっています。
以下は1990年からの日米のGDP成長率を比較した図です。
結果的に日米のGDPは以下のように大きな差となってきています。
1990年時点では約2倍だったGDPが今や約4倍となってしまっているのです。
結果として両国の株価指数の推移は大きな差となっています。
EPSだけでなく期待感を表すPERも米国株の方が高くなった結果、大きな差をうむ結果になったといえるでしょう。
ナスダック総合指数は成長株や中小型株が主に上場されている日本のマザーズ市場に似た株式市場の銘柄で構成された指数です。
株式市場全体にベットするのであれば米国株の方が魅力的といえるでしょう。
株式市場の王道「米国株式場」
では続いて米国株のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット①:超長期で安定的なリターンを出してきた実績
まず何と言っても米国株の実績は外すことができません。
年率10%で成長すれば約7年で資産を2倍にすることができます。
確かに10年単位でみると不調な時もありますが、30年単位でみるとリターンは平準化します。
以下は1928年度からの単年度リターンです。
一方30年間投資した場合の年率実質平均リターンは最低でも4%という水準となっています。
メリット②:先進国で今後最も経済成長する可能性が高い
米国は既に圧倒的な世界最大の超大国です。世界の株式市場の時価総額に占める割合も60%近くとなっています。
直近の成長率も他の日欧の先進諸国を基本的に凌駕した水準で推移しています。
更に今後日欧が人口減少していくことが見込まれる中、米国は人口そのものが増加していきます。
更に、西海岸を中心にGAFAMだけでなく、常にイノベーションを巻き起こす企業が産声をあげ続けています。
自国だけでなく世界の成長も取り込む企業が今後も現れつづけ高いリターンを出し続けると考えるのが自然です。
コラム:今後1920年代後半から1930年代前半の世界恐慌が訪れることはあるのか?
1929年から始まった世界恐慌によって当時の米国の時価総額の90%が失われてしまいました。
米国株式市場も長期的にみたら安定して成長してきているものの、局所的には様々な暴落を体験してきました。
そして、様々な暴落を経験して近年は暴落への対応が早くなってきています。
特に今回のコロナショックのように景気後退局面で米国政府と中央銀行FRBで協調して景気と株式市場を支えました。
結果として3月23日の大底から急激に株価は回復しました。以下はS&P500指数の株価推移です。
一時的に35%近く下落しましたが急速に回復して推移しています。
更に、リーマンショック時の金融機関の脆弱性を問題視して協力な金融規制を世界で課しています。
結果として金融機関の自己資本比率は非常に安全な水準となっており、大銀行の破綻が起こる可能性は過去に比べて著しく低くなっています。
今回のように一時的に大きく下落することはあるものの、50%以上の下落が発生する可能性は今後は非常に低くなっていると考えています。
デメリット①:決算書が見にくいしサービス体験が遅い
以下はマイクロソフトの決算資料ですが、みただけでゾッとするかと思います。
あまり日本の企業のようなプレゼン形式になっている銘柄は多くないのです。
米国の個別株投資を行うのであれば日本株以上に根気と労力を要することにはなるでしょう。
また、日本企業が提供するサービスや製品に関しては日本に居住している日本人投資家は一番早く魅力を感じることができます。
しかし、米国企業のサービスは米国民が最も早く魅力を体験することができます。
米国民に対して、この点はデメリットを被っているともいえるでしょう。
デメリット②:ドル円の為替リスクを負う
当然、米国株に投資をするのでドル円の為替リスクを負うことになります。
以下は2004年から2020年のドル円の推移です。
確かに最大50%の幅と考えるとこわいように思いますが、この間米国株は4倍以上になっています。
為替のリスクを加味しても魅力的な選択肢となるでしょう。
デメリット③:配当金で二重課税が課される
日本株に対して配当金が課される時には日本の税率20.315%が課されます。
しかし、米国企業に投資している場合、米国側で10%の源泉徴収を受けた上で日本側で20.315%の二重課税を受けます。
故にたとえば米国株全体に投資できると人気のETFであるVTIからの配当金は配当金総額の約70%しか再投資することができないのです。
まとめと其々の適性がある投資家とは?
【メリット】
- 財務諸表が日本語で且つわかりやすい
- 製品やサービスと身近
- 時価総額に比して上場企業数が多く精査されていない小型株に投資機会あり
【デメリット】
- 残念ながら米国と比べて国としての成長が弱い
【日本株が向いている投資家】
- 小型株投資で市場を出し抜き大きな資産を築きたい向上心の高い個別株投資家
- 既に大きな資産を保有しており安定した高配当株保有で配当金生活を送りたい人
参考になる投資手法を紹介しています。
【メリット】
- 信頼の超長期安定リターン(実質年率6%-7%、名目年率9%-10%)
- 今後も成長する可能性が人口動態とイノベーション発生環境から高い
【デメリット】
- 財務諸表が英語でなおかつ文字主体で見にくい
- ドル円の為替リスクを負う
- 配当金で二重課税が課される
【米国株が向いている投資家】
- インデックス投資で安定的に大きな資産を築きたい投資家
- 大型優良株で大きなリターンを狙いたい個別株投資家
- 昔のアマゾンのようなユニコーン企業に投資をして大儲けしたい投資家
参考になる投資手法を紹介しています。