日本株と米国株のどちらが魅力的!?其々のメリットとデメリットを含めて比較考察する!

日本株と米国株のどちらが魅力的!?其々のメリットとデメリットを含めて比較考察する!

現在は日本でも投資環境が整い日本の証券会社からでも米国株をはじめとした外国株を購入することができます。

日本に住んでいる日本人投資家としては日本株と米国株どちらがいいのか悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

信太郎
ワシは米国株への投資を中心におこなっておるが、必ずしも米国株が全ての投資家にとって良いというわけではないとも思うておる。

 

本日は日本株と米国株の其々のメリットとデメリットをお伝えした後に、

どのような投資家にどちらが向いているのかを考察していきたいと思います。

 

ホームグラウンドの日本の株式市場

まずは我々日本国民のホームグラウンドでもある日本の株式市場について見ていきましょう。

メリット①:決算書を日本語で読める

まず一点目として企業の成績表である財務諸表を母国語である日本語で読めるというメリットが大きいです。

 

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2019年6月3日

 

企業が出している損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書を日本語で確認することができるのは大きな強みです。

 

信太郎
更に日本企業はわかりやすいプレゼン資料を用意しておるからな!文字ばかりの財務諸表を読むことに抵抗のある衆でも企業分析をすることができるぞ!

 

以下は三菱商事の決算プレゼン資料です。

三菱商事のプレゼン資料

参照:三菱商事

 

信太郎
米国企業などでは文字だけのわかりにくい決算資料も多いからの。。視覚的に理解させてくれる親切ね決算が多いぞ!

 

メリット②:消費者としてサービスや製品をいち早く体験できる

日本人としてのメリットとして日本企業の優秀なサービスを落ち早く体験することができるというものがあります。

「ピーターリンチの株で勝つ」でも伝えている通り、大きく上昇する銘柄を探すには他社に先駆けていち早く企業の魅力に気づく必要があります。

 

 

信太郎
例えばスマホゲームマニアじゃったら、パズドラやモンストの魅力に気づきいち早く投資を行い大きな利益を得ることができるじゃろうな。以下はガンホーの株価じゃが100倍以上になったんじゃ!

 

ガンホーの株価推移

 

他にもカツ丼で有名な「カツ屋」を運営するアークランドサービスにいち早く投資をしていれば10倍(テンバガー)以上を獲得できました。

 

アークランドサービスの株価推移

 

淀姫
他にもライザップなどが有名ですね!

 

メリット③:上場企業数が多く小型株にチャンスがある

まず現在の世界の株式時価総額の比率を世界全体の時価総額に応じて投資するVTの国別構成比率を元に見ていきましょう。

世界の国別の時価総額比率

 

米国の比率は全体の57.6%で2位の日本の株式市場の約7.5倍の規模となっています。

圧倒的に世界最大の株式市場を保有している米国の上場企業数はNYSEとNASDAQを合わせて約5000社となっています。

 

米国株式市場の上場企業数

参照:経済産業省

 

淀姫
多いですね!では、日本はどうなんですか?
信太郎
実は3500社と米国の7割もあるんじゃ!時価総額は米国株の15%未満、GDPも米国の4分の1ということを考えると上場企業数は多いの!

 

日本の株式市場の上場企業数

参照:経済産業省

 

証券会社をはじめとした金融機関のアナリストが分析するのは有名な大型株です。

小型株に対しての分析をしているアナリストは殆どいません。

日本は上場企業数が非常に多いので、適切な分析がなされていない中小企業が数多く存在しているのです。

 

信太郎
つまり、適切な分析がなされていない中小企業は実力に比して異常に割安に放置されている企業が数多く存在しておるんじゃ!

 

長期的には本質的な価値に株価が収斂すると考えるのであれば大きな投資妙があるのです。

特に10倍以上に化けるテンバガーは時価総額100億円未満の小型株に8割以上が存在しています。

 

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魅力的なベンチャー、中小上場企業に投資を行い高いリターンを出している個人投資家の方も存在しています。

以下も参考にしていただければと思います。

 

 

デメリット:日本は国としての成長率が低い

グローバル化が進展して企業収益が世界をまたにかけたものになってきたとはいえ、

メインマーケットの経済は依然として企業収益の多くを占める状況となっています。

 

信太郎
グローバル企業の代表格である米テクノロジー企業群のGAFAMも一番大きな売上比率を占めているのは北米じゃからな。

 

以下は1990年からの日米のGDP成長率を比較した図です。

 

日米のGDP成長率の比較

参照:IMF DATABASEを元に管理人作成

 

結果的に日米のGDPは以下のように大きな差となってきています。

1990年時点では約2倍だったGDPが今や約4倍となってしまっているのです。

 

日米のGDP推移の比較

参照:IMF DATABASEを元に管理人作成

 

 

信太郎
また株価を占う上で最も重要な1株あたり純利益であるEPSも米国株が常に日本株に対して優位になっておる。

 

日米のEPS比較

参照:楽天証券

 

結果として両国の株価指数の推移は大きな差となっています。

EPSだけでなく期待感を表すPERも米国株の方が高くなった結果、大きな差をうむ結果になったといえるでしょう。

 

日米株価指数の比較

 

ナスダック総合指数は成長株や中小型株が主に上場されている日本のマザーズ市場に似た株式市場の銘柄で構成された指数です。

 

信太郎
ただ、ナスダックにはGAFAMなどの巨大テクノロジー企業も上場しておるぞ!ナスダック100指数はナスダックの中でも代表的な100銘柄で構成された指数でGAFAMで約5割をしめておる。

 

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株式市場全体にベットするのであれば米国株の方が魅力的といえるでしょう。

 

株式市場の王道「米国株式場」

では続いて米国株のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

メリット①:超長期で安定的なリターンを出してきた実績

まず何と言っても米国株の実績は外すことができません。

 

信太郎
以下は有名な図じゃな!200年間長期年率「実質」6.5%程度で成長しておる!

 

米国株の超長期リターン

 

淀姫
実質とはどういうことですか?
信太郎
インフレ率をリターンから差し引いた値のことじゃ!米国のインフレ率は2%-3%じゃから名目リターンは年率10%近くということになるの!

 

年率10%で成長すれば約7年で資産を2倍にすることができます。

確かに10年単位でみると不調な時もありますが、30年単位でみるとリターンは平準化します。

以下は1928年度からの単年度リターンです。

 

信太郎
7割型プラスになっておるが3割はマイナスになっておる年もあるんじゃ!

 

S&P500指数の単年度の実質リターン

 

一方30年間投資した場合の年率実質平均リターンは最低でも4%という水準となっています。

 

S&P500指数に連続30年間投資した場合の年率リターン

 

信太郎
指数に長期投資するにはもってこいの株式市場なんじゃ!以下で米国株インデックス投資を用いた「つみたてNISA」戦略についてお伝えしておるぞ!

 

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メリット②:先進国で今後最も経済成長する可能性が高い

米国は既に圧倒的な世界最大の超大国です。世界の株式市場の時価総額に占める割合も60%近くとなっています。

直近の成長率も他の日欧の先進諸国を基本的に凌駕した水準で推移しています。

 

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日米欧の成長率推移

 

更に今後日欧が人口減少していくことが見込まれる中、米国は人口そのものが増加していきます。

 

信太郎
現在3.2億人の人口が50年後には4億人を超えていくことが予想されておるんじゃ!日欧では考えられることよの。

 

米国の今後の人口推移

参照:Population pyramid

 

更に、西海岸を中心にGAFAMだけでなく、常にイノベーションを巻き起こす企業が産声をあげ続けています。

自国だけでなく世界の成長も取り込む企業が今後も現れつづけ高いリターンを出し続けると考えるのが自然です。

 

信太郎
勝ち馬にのるのが勝利に最も近いからの!

 

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淀姫
・・そんな。。ワラワは株式投資がこわくなってきたぞい。。
信太郎
安心せい!当時と現在では全く状況が違うからの。

 

米国株式市場も長期的にみたら安定して成長してきているものの、局所的には様々な暴落を体験してきました。

 

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2019年6月3日

 

そして、様々な暴落を経験して近年は暴落への対応が早くなってきています。

特に今回のコロナショックのように景気後退局面で米国政府と中央銀行FRBで協調して景気と株式市場を支えました。

 

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結果として3月23日の大底から急激に株価は回復しました。以下はS&P500指数の株価推移です。

 

S&P500指数のコロナショックでの動き

 

一時的に35%近く下落しましたが急速に回復して推移しています。

 

信太郎
財政支出と金融緩和のセットで株価が食い止められることを市場が認識したということじゃな。
淀姫
つまり、今後危機が発生しても同じ手法で対応できるということが証明されたわけですね!
信太郎
うむ。昔は金とドル一定の比率で交換されていたが、今は金とドルは切り離されておるからの!理論上いくらでもドルを発行することが可能なんじゃ!
淀姫
それで何か問題は起こらないのですか?
信太郎
問題があるとするとインフレの発生可能性があることじゃな。ただインフレが起こると株や金が上昇するからの!尚更、投資しておくことが身を守る手段になるんじゃ。

 

更に、リーマンショック時の金融機関の脆弱性を問題視して協力な金融規制を世界で課しています。

結果として金融機関の自己資本比率は非常に安全な水準となっており、大銀行の破綻が起こる可能性は過去に比べて著しく低くなっています。

 

信太郎
つまり、金融機関の破綻を起点とした金融ショックも起こりにくくなっておるということじゃ。

 

今回のように一時的に大きく下落することはあるものの、50%以上の下落が発生する可能性は今後は非常に低くなっていると考えています。

 

デメリット①:決算書が見にくいしサービス体験が遅い

以下はマイクロソフトの決算資料ですが、みただけでゾッとするかと思います。

 

マイクロソフトの決算資料

Ref:Microsoft IR

 

あまり日本の企業のようなプレゼン形式になっている銘柄は多くないのです。

 

信太郎
ただ、マネッスク証券の銘柄スカウターで過去10年分の米国株については視覚的に捉えることができるぞ!

 

米国株の銘柄スカウター

 

信太郎
ただ、何故この業績になっているのか?今後の見通しはどなのか?を日本語で読めないのは残念じゃな。苦心してよむことはできるが、骨が折れるわい。。

 

米国の個別株投資を行うのであれば日本株以上に根気と労力を要することにはなるでしょう。

また、日本企業が提供するサービスや製品に関しては日本に居住している日本人投資家は一番早く魅力を感じることができます。

しかし、米国企業のサービスは米国民が最も早く魅力を体験することができます。

米国民に対して、この点はデメリットを被っているともいえるでしょう。

 

デメリット②:ドル円の為替リスクを負う

当然、米国株に投資をするのでドル円の為替リスクを負うことになります。

以下は2004年から2020年のドル円の推移です。

 

信太郎
大まかに80円〜120円の間で波打って推移しておるな!

 

ドル円の推移

 

確かに最大50%の幅と考えるとこわいように思いますが、この間米国株は4倍以上になっています。

為替のリスクを加味しても魅力的な選択肢となるでしょう。

 

デメリット③:配当金で二重課税が課される

日本株に対して配当金が課される時には日本の税率20.315%が課されます。

しかし、米国企業に投資している場合、米国側で10%の源泉徴収を受けた上で日本側で20.315%の二重課税を受けます。

 

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故にたとえば米国株全体に投資できると人気のETFであるVTIからの配当金は配当金総額の約70%しか再投資することができないのです。

 

米国の高配当投資の欠点である二重課税

 

まとめと其々の適性がある投資家とは?

 

信太郎
では今回の内容をまとめた上で日米其々に向いている投資家につして紹介していこうかの!

 

日本株式市場

【メリット】

  • 財務諸表が日本語で且つわかりやすい
  • 製品やサービスと身近
  • 時価総額に比して上場企業数が多く精査されていない小型株に投資機会あり

 

【デメリット】

  • 残念ながら米国と比べて国としての成長が弱い

 

【日本株が向いている投資家】

  • 小型株投資で市場を出し抜き大きな資産を築きたい向上心の高い個別株投資家
  • 既に大きな資産を保有しており安定した高配当株保有で配当金生活を送りたい人

 

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米国株式市場

【メリット】

  • 信頼の超長期安定リターン(実質年率6%-7%、名目年率9%-10%)
  • 今後も成長する可能性が人口動態とイノベーション発生環境から高い

 

【デメリット】

  • 財務諸表が英語でなおかつ文字主体で見にくい
  • ドル円の為替リスクを負う
  • 配当金で二重課税が課される

 

【米国株が向いている投資家】

  • インデックス投資で安定的に大きな資産を築きたい投資家
  • 大型優良株で大きなリターンを狙いたい個別株投資家
  • 昔のアマゾンのようなユニコーン企業に投資をして大儲けしたい投資家

 

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。