「SPDR S TR/S&P 500 HIGH DIVID ETF(通称:SPYD)」は高配当銘柄に投資できるETFとして注目を集めています。
このコンテンツでは、そんなSPYDについて以下の観点から詳しく分析していきたいと思います。
[SPYD特集の要点]
⑴ SPYDの特徴
- 高配当銘柄を中心に集めた均等ウェイトポートフォリオ
- 連動を目指すのはS&P500高配当指数
- 組入セクターは「不動産」「公益事業」が多く「情報技術」が少ない
- 2020年4末時点での予想配当利回りは6.1%
- 手数料は0.07%と超低額
- 過去10年のリターンはS&P500に劣後
- 特に不況時に暴落する傾向が強い
⑵ SPYDに投資しない理由:
- 今後もコロナショックの2番底が訪れる懸念がある。(不況に弱い)
- 高配当銘柄の特性上期待される小型株効果が見込みにくい
- 実際小型株ETFよりも低いリターンとなっている
- 折角大化け株が銘柄に入っていてもリバランスで調整される
- 筆者が考える有効な戦略の紹介
⑶ 他の高配当ETFとの比較:
- SPYD以外の高配当ETFとして「VYM」と「HDV」が存在
- 「VYM」と「HDV」は高配当の時価総額加重平均指数への連動を目指す
- 配当利回りはSPYDが圧倒
- 現状暴落幅はSPYDが一番大きくリターンはSPYDが劣後
- 相場が好調の局面では多少の小型株効果でSPYDに軍配
- 好調時は「SPYD」、不況時は「VYM」が高配当ETFとしては有望
今回は、SPYDを紹介しますが、世の中には様々な金融商品が存在します。
自分の人生プラン、趣向によって選択すべき商品は変わってきます。
本当に投資信託がそもそも正解なのか、株式投資が良いのか、それとも金などの安全資産が良いのか。
商品を見極め、高いリターンを獲得するには、やはり資産運用の本質的な知識(マネーリテラシー)がマストです。
資産運用の勉強をするには、書籍やセミナーに参加する、学校に通うなど様々な選択肢がありますので、自分にあった勉強方法を模索していきましょう。
◾️ 学習参考コンテンツ:
目次
Contents
SPYDはどのようなETF?
SPYDは意外にも新しいETFで2015年10月21日から運用されており運用資産額は2500億円以上となっています。
まずはSPYDが「そもそもどのようなETFなのか?」という点についてお伝えしていきたいとおもいます。
SPYDが連動を目指すインデックスは「S&P500 高配当指数」
そもそもETFは特定のインデックスに対して連動を目指すように設定され運用されています。
バンガード社が運営するVOOでは最も有名な米国指数であるS&P500指数への連動を目指しています。
SPYDが連動を目指すインデックスは「S&P500高配当指数」です。
The S&P 500 High Dividend Index serves as a benchmark for income seeking equity investors. The index is designed to measure the performance of 80 high yield companies within the S&P 500 and is equally weighted to best represent the performance of this group, regardless of constituent size.
(引用:S&P)
英語なので難しいですが太字部分を噛み砕いていきたいと思います。
S&P500に採用されている銘柄の中から「配当利回りが高い80銘柄を組み入れている」と前半部分で説明されています。
後半部分では「時価総額」の大きさに関わらず「80銘柄を全て同じ比率で組み入れている」としています。
過去10年の値動きをS&P500指数と比較したチャートは以下となります。
【10年チャート】
濃青:S&P500
薄青:SPYD
両者ともに強い時期が異なりますが10年間トータルでみるとS&P500指数の方が高くなっています。
以下は直近3ヶ月ですがSPYDは1時ではありますが50%下落してしまっています。
「リスクリターン」については、追って他の高配当ETFとも比較しながら詳細にみていきたいと思います。
SPYDの組み入れセクター
2020年2月時点での、SPYDの組み入れセクターをS&P500指数と比較したものが以下となります。
S&P500に対して大幅にオーバーウェイトしているセクターを赤字に、大幅にアンダーウェイトしているセクターを青字にしています。
S&P500高配当指数(SPYD) | S&P500 | |
通信サービス | 5.5% | 10.70% |
一般消費財 | 13.6% | 9.80% |
生活必需品 | 10.9% | 7.80% |
エネルギー | 10.0% | 2.60% |
金融 | 12.8% | 10.90% |
ヘルスケアー | 7.6% | 15.40% |
資本財 | 0% | 8.20% |
情報技術セクター | 4.6% | 25.50% |
素材セクター | 6.7% | 2.40% |
不動産セクター | 17.40% | 3.00% |
公共事業セクター | 10.50% | 3.60% |
(引用:S&P)2020年4月27日時点
情報技術セクターの比率が著しく小さくなっていることがわかります。
「FAANGやGAFA」といった巨大ITセクターの銘柄は成長投資をします。
そのため、配当をださず組み入れられていないことが大きな要因といえるでしょう。
映画「ソーシャルネットワーク」で日本でも一躍注目を浴びた「Facebook」。
インターネットに繋がるスマートフォンを世で当たり前のものとした、スティーブ・ジョブズ氏が創業した「Apple」。
最近では、フォーブス世界第一位の大富豪にランクインしたジェフベゾス氏がCEOを務めるネットEC企業「Amazon」。
映画を気軽に家で見ることができる、サブスクリプション型のコンテンツ配信プラットフォーム「Netflix」。
毎日、私たちが調べものをする時に利用する検索エンジン「Google」。
この5つの企業は、「FANG」「FAANG」「GAFA」などと呼ばれ、世界で注目されています。
代表的な組入銘柄
SPYDでは組み入れ銘柄を殆ど同じポーションで組み入れています。
そのため、銘柄間のポーションに大きな差はありません。
しかし、日々の値動きの変動で若干の差は出てきています。
企業名 | Ticker | ウェイト | 配当利回り |
---|---|---|---|
ギリアド | GILD | 2.42% | 3.49% |
デジタル・リアルエステート | DLR | 2.25% | 3.01% |
ゼネラルミルズ | GIS | 2.16% | 3.28% |
クラウンキャッスルインターナショナル | CCI | 2.07% | 2.81% |
アッヴィ | ABBV | 1.92% | 5.77% |
クラフトハインツ | KHC | 1.85% | 5.60% |
ベライゾンコミュニケーションズ | VZ | 1.85% | 4.27% |
ファイザー | PFE | 1.80% | 4.14% |
カーディナルヘルス | CAH | 1.80% | 3.90% |
ドミニオンエナジー | D | 1.78% | 4.88% |
(引用:SPDR「SPYD Holdings」)2020年4月27日時点
以下は2020年4月末時点での構成上位10銘柄ですが、配当利回りが6%近い銘柄も組み入れられています。
コロナの治験薬開発が期待されているギリアドが現在株価の高騰により最高のポーションになっています。
手数料は年率0.07%と超低額
ETFは指数と連動する運用を目指すので重要なのは手数料となってきます。
インデックスに連動するのであれば重要なのは手数料の低さになってきます。
日本のアクティブ型の投信であれば年率2%程度の信託報酬となっています。
手数料が2%もあっては、たとえ7%の運用益が出たとしても最終的な投資家利回りは5%に圧縮されてしまいます。
SPYDは購入手数料は0で、年間の信託報酬はわずか0.07%となっています。
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SPYDのリスクリターンと配当金の推移
それでは肝心なSPYDの成績を「リターン」「リスク」「配当金」について紐解いていきたいと思います。
SPYDのリターンをS&P500高配当インデックスと比較
先ほど図で確認した通りS&P500指数と過去10年で比較するとリターンに大差はありませんでした。
しかし、SPYDが運用開始した期間で比較するとS&P500に対して大きく劣っていることがわかると思います。
基準時点 | 1ヶ月 | 4半期 | 1年間 | 3年間 | |
SPYD | 2020/04/27 | -26.87% | -36.64% | -31.49% | -6.9% |
S&P500高配当 | -26.86% | -36.73% | -31.51% | -6.86% | |
S&P500 | -12.35% | -19.60% | -6.98% | 5.10% |
(引用:SPDR)
ちなみにSPYDの2020年4月27時点のPERは約12.57倍ですが、S&P500指数のPERは約19倍となっています。
SPYDのリスクを確認
リターンとともにリスクについても見ていかないといけません。
2015年10月21日の運用開始からの年率のリスクである標準偏差(=σ)は18.50%となっています。
同期間での年率リターン(CAGR)は0.62%なので今後1年間の想定されるリターンについては以下となります。
【約68%の確率】
平均リターン0.62% – σ18.50 〜 平均リターン0.62% + σ18.50
→ ▲17.88% 〜 +19.12%
【約95%の確率】
平均リターン0.62% – 2σ(18.50×2) 〜 平均リターン0.62% + 2σ(18.50×2)
→ ▲36.38% 〜 +37.62%
【約99.7%の確率】
平均リターン0.62% – 3σ(18.50×3) 〜 平均リターン0.62% + 3σ(18.50×2)
→ ▲54.88% 〜 +56.12%
SPYDの配当金の推移
高配当ETFということもあり配当金の水準もきになるところですね。
以下がSPYDの運用開始後からの配当金の推移です。
配当期 | 配当金額 |
2020 1Q | 0.396187 |
2019 4Q | 0.497170 |
2019 3Q | 0.447676 |
2019 2Q | 0.461955 |
2019 1Q | 0.339422 |
2018 4Q | 0.443350 |
2018 3Q | 0.450710 |
2018 2Q | 0.376101 |
2018 1Q | 0.348771 |
2017 4Q | 0.398982 |
2017 3Q | 0.362827 |
2017 2Q | 0.342752 |
2017 1Q | 0.317590 |
2016 4Q | 0.584971 |
2016 3Q | 0.326104 |
2016 2Q | 0.325596 |
2016 1Q | 0.277192 |
2015 4Q | 0.331160 |
わかりやすく可視化すると以下となります。
配当利回りを確認するには、2019年の年間の配当金を算出します。
2019年は1Qから4Qで合計$1.746233の配当が拠出されました。
現在約$21ですので配当利回りは8.3%となります。
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SPYDに投資を実行しない理由
現状、筆者はSPYDではなく時価総額加重平均の米国株全体に1本で投資できるVTIに投資をしています。
SPYDは均等ウェイトポートフォリオで通常は小型株効果が得られやすい
一方のSPYDは均等ウェイトなので大型株、中型株、小型株を均等に組み入れることになります。
例えば以下の企業A〜Cがあったとします。
企業A:時価総額60億円
企業B:時価総額30億円
企業C:時価総額10億円
すると、時価総額加重平均指数と、均等ウェイト指数では3社の組入比率は以下となります。
時価総額加重平均指数 | 均等ウェイト指数 | |
企業A | 60% | 33.33% |
企業B | 30% | 33.33% |
企業C | 10% | 33.33% |
小型株効果というのは時価総額が小さい銘柄のパフォーマンスが大きいパフォーマンスの企業に比べると高くなるという効果です。
長年のデータとして実証されています。以下は過去40年間の米国の大型株と小型株のリターンの比較です。
理由①:今後の相場全体の見通しが暗い状態では小型株の動きが弱い
一番大きな理由は小型株は価格の値動きが激しく、特に今回のコロナショックのような下落相場では暴落の可能性が高いことが挙げられます。
時価総額が低い企業は時価総額が高い企業に比して一般的に信用格付が低い傾向にあります。
そのため、景気後退局面においては下落スピードが早く今回のSPYDのような暴落を招く結果になります。
既にコロナショックが収束に向かい、このまま株価が急騰していくという予想を持っているのであればSPYDへの投資が魅力的にうつります。
ただ、筆者は今後コロナ禍は長期化して景気停滞は長引き株価も二番底を迎えると考えています。
再び株価が下落していくという相場感を持っているのであれば、急落の可能性が高いSPYDを保有する理由はなくなるでしょう。
理由②:小型株で配当を多くだしている企業は成長可能性が低い
時価総額が20兆円を超えるトヨタ自動車の時価総額が2倍になるのは至難の技ですが、
時価総額10億の企業の時価総額20億円になるのは頻繁に起こります。
実際、日本株のデータではありますが株価が10倍になるテンバガーが発生した企業数は過去10年で以下となります。
時価総額 | 会社数 |
1兆円以上 | 約190社 |
3000億円以上 1兆円未満 | 約280社 |
1000億円以上 3000億円未満 | 約450社 |
500億円以上 1000億円未満 | 約420社 |
100億円以上 500 億円未満 | 約1340社 |
100億円未満 | 約1350社 |
そして、大化けする企業がパフォーマンスを索引して小型株効果が発生するのです。
では大化けする銘柄はどのような企業でしょうか?
株価は『EPS✖︎PER』で算出されます。
EPS(=1株あたり純利益)を伸ばしている企業というのは利益拡大のために事業投資を積極的に行なっています。
時価総額は巨大ではあるが毎年右肩あがりに成長しているGAFAが典型的です。
GAFAは事業投資にあてるため、殆ど配当金を出さずに利益上昇に資する事業投資を実行しているのです。
配当利回りが高い銘柄を組み入れているSPYDでは期待ほど小型株効果を得ることはできないと考えています。
実際、以下は米国小型株指数The S&P SmallCap 600® に連動するよう作られたVIOOとの比較です。
SPYDが組成されたのが2015年12月なのでまだ短い期間の比較ですが 年率リターンで1.3%もの差を開けられています。
理由③:せっかく長期的な高騰が見込まれる銘柄もリバランスされてしまう
最後の3点目の理由としては均等ウェイトポートフォリオの構造上の問題が挙げられます。
株価が上昇する企業は継続的に上昇することが頻繁に起こります。
例えば、アマゾンが良い例ですね。
上場以降右肩上がりに株価が上昇してきています。コロナショック の影響も殆ど被っていません。
このように株価が上昇していく銘柄も、均等ウェイトポートフォリオの場合はリバランスをされることになってしまいます。
例えばポートフォリオ全体の時価総額が1兆円で50銘柄組み入れていた場合、1銘柄あたりのウェイトは2%となります。
ある銘柄の株価が2倍になった場合は均等ポートフォリオを維持するために売却する必要があるのです。
「不況」と「好況」を両取りしたい筆者の戦略
今までの通り、不況が続くと見込まれる環境下ではSPYDヘの投資の妥当性がないと考えていると説明してきました。
また、仮に好況になるとするのであればSPYDではなく小型株ETFであるVIOOに投資するのが魅力的と考えています。
今後、株価がこのまま一本調子で上がっていくと考えるのであればVIOOやVOO、VTIといった米株インデックスに全力投資するのがよいでしょう。
ただ、もう一回2番底が訪れると考えているが、訪れなかった場合の機会損失が怖いという方もいらっしゃると思います。
このような方におすすめなのがオールシーズンズポートフォリオです。
ヘッジファンドの帝王「レイ・ダリオ」が考案したポートフォリオで、如何なる市場環境でも安定したリターンがだせるよう設計されています。
米国株:VTI30%
金:GLD15%
中期債:IEF15%
長期債:TLT40%
オールシーズンズポートフォリオ(青)とVTI(赤)のリターンの比較が以下となっています。
筆者のように現在の相場に楽観的ではない投資家の戦略をまとめると以下です。
[今後の相場に悲観的なインデックス投資家に提案する戦略]
- 今後不透明性が高い現段階では一旦オールシーズンズポートフォリオを組成
- 株価と景気の底打ちが明確になった段階でVTIや更にアグレッシブに小型株ETFであるVIOO等に舵を切り替える
今回の「オールシーズンズポートフォリオ」など、世の中には様々な投資理論が存在します。
投資・資産運用で結果を出すには、投資、市場、経済のルールを理解した上で、時勢にあった理論を活用するのが勝ち筋です。
なかなかこのようなお金、資産運用にまつわるルールや理論を学ぶ機会は限られていますが、近年では「お金の学校」という選択肢が出てきました。
長い人生を生き抜くべく、マネーリテラシーを高める活動も検討してみると良いかもしれません。
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「SPYD」以外の高配当ETF「HDV」や「VYM」を紐解く
SPYD以外にも高配当ETFは存在しています。
有名なのはHDVとVYMです。
「モーニングスター配当フォーカス指数」に連動を目標とするHDV
HDVは「iシェアーズ・コア米国高配当株ETF」です。
連動を目指しているインデックスは「モーニングスター配当フォーカス指数」です。
モーニングスター配当フォーカス指数は東京証券取引所によると以下のように記載されています。
「モーニングスター配当フォーカス指数」はモーニングスター・インクが算出する、米国株式市場における米国高配当株で構成される指数(配当込み)です。米国株式市場全体の約97%を占めるモーニングスター®USマーケット・インデックスSMの構成銘柄の中でも、財務の健全性が高く、かつ持続的に平均以上の配当を支払うことができると認められた利回り上位75社の銘柄で構成されています。
(引用:JPX)
以下は構成上位銘柄ですが、聞いたことあるような有名銘柄が多くを占めていますね。
またSPYDの構成比率は基本的に殆ど同じ1%台でしたが、HVDについては10%近い構成比率を誇る銘柄も存在しています。
銘柄 | 構成比率 |
AT&T INC | 9.84 |
EXXON MOBIL CORP | 8.84 |
JOHNSON & JOHNSON | 7.28 |
VERIZON COMMUNICATIONS INC | 6.59 |
CHEVRON CORP | 5.63 |
PFIZER INC | 5.33 |
WELLS FARGO | 4.94 |
COCA-COLA | 4.56 |
CISCO SYSTEMS INC | 4.26 |
PEPSICO INC | 3.79 |
バンガード社が運用するVYM
VYMはバンガード米国高配当株式ETFです。
バンガード社はバフェットも推薦するETF組成会社でVTIやVOOといった超巨大ETFを運営しています。
VYMが連動を目標とするのは「FTSE High Dividend Yield Index」です。
FTSE High Dividend Yield IndexはFTSE社がREITを除く米国の高配当銘柄を選定して時価総額加重平均に仕立てた指数です。
保有銘柄 | 構成比率 |
---|---|
JPMorgan Chase & Co. | 4.01200 % |
Johnson & Johnson | 3.57500 % |
Procter & Gamble Co. | 2.84900 % |
Exxon Mobil Corp. | 2.72600 % |
AT&T Inc. | 2.63200 % |
Intel Corp. | 2.40400 % |
Verizon Communications Inc. | 2.34400 % |
Merck & Co. Inc. | 2.13800 % |
Chevron Corp. | 2.12000 % |
Pfizer Inc. | 2.01100 % |
(引用:バンガード社)
どちらかというとHDVと似た構成銘柄となっています。
ただ1銘柄のポーションとしてはHDVよりは低いという特徴がありますね。
年間手数料と配当利回りの比較
以下は3つのETFの年間手数料と配当利回りの比較です。
若干ですがVYMの手数料が低いですが、配当利回りという観点ではSPYDに軍配があがりますね。
銘柄 | 年率手数料 | 配当利回り |
SPYD | 0.07% | 6.1% |
HDV | 0.08% | 3.6% |
VYM | 0.06% | 2.8% |
(2020年3月時点)
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「SPYD」と「HDV」と「VYM」のリスクリターン を比較する
最も新しいEFFは「SPDY」ですのでSPDYができた2015年12末以降のチャートを比較したものが以下となります。
SPYD:青色
HDV:赤色
VYM:黄銅色
ご覧いただければわかるとおりリターンは以下の順番となっています。
SPDY:青色 > HDV:赤色 > VYM:黄銅色
データで比較すると以下となります。
ETF名 | 年率リターン | リスク(標準偏差) | シャープレシオ | 最高年利回り | 最低年利回り |
---|---|---|---|---|---|
SPDY | 0.62% | 18.50% | 0.06 | 24.59% | -36.55% |
HDV | 2.99% | 13.39% | 0.19 | 20.23% | -26.06% |
VYM | 4.57% | 13.52% | 0.30 | 24.07% | -23.98% |
SPYDは3つの中で最もローリターンであり、最もハイリスクな商品となっています。
時価総額加重平均指数の方が直近4年間の相場では軍配があがっています。
(目次に戻る)
まとめ
[SPYD特集の要点]
⑴ SPYDの特徴
- 高配当銘柄を中心に集めた均等ウェイトポートフォリオ
- 連動を目指すのはS&P500高配当指数
- 組入セクターは「不動産」「公益事業」が多く「情報技術」が少ない
- 2020年4末時点での予想配当利回りは6.1%
- 過去10年のリターンはS&P500に劣後
- 特に不況時に暴落する傾向が強い
⑵ SPYDに投資しない理由:
- 今後もコロナショックの2番底が訪れる懸念がある。(不況に弱い)
- 高配当銘柄の特性上期待される小型株効果が見込みにくい
- 実際小型株ETFよりも低いリターンとなっている
- 折角大化け株が銘柄に入っていてもリバランスで調整される
⑶ 他の高配当ETFとの比較:
- SPYD以外の高配当ETFとして「VYM」と「HDV」が存在
- 「VYM」と「HDV」は高配当の時価総額加重平均指数への連動を目指す
- 配当利回りはSPYDが圧倒
- 現状暴落幅はSPYDが一番大きくリターンはSPYDが劣後
- 相場が好調の局面では多少の小型株効果でSPYDに軍配
- 好調時は「SPYD」、不況時は「VYM」が高配当ETFとしては有望
今回のspydのように、世の中には様々な金融商品が存在しますが、自分の人生プラン、趣向によって選択すべき商品は変わってきます。
本当に投資信託がそもそも正解なのか、株式投資が良いのか、それとも金などの安全資産が良いのか。
商品を見極め、高いリターンを獲得するには、やはり資産運用の本質的な知識(マネーリテラシー)が必須です。
資産運用の勉強をするには、書籍やセミナーに参加する、学校に通うなど様々な選択肢があります。
自分にあった勉強方法を模索していきましょう。
◾️ 学習参考コンテンツ:
以上、【SPYDとは】米国高配当ETFの評判は?HDVやVYMとの比較分析を通じて徹底評価。…でした。