株式投資は資本主義が始まって以来、歴史的に最もパフォーマンスが高い投資先です。
本日は経済発展に伴って成長し続ける、世界の株式市場に分散投資ができる評判の「セゾン資産形成の達人ファンド」を取り上げます。
そもそもどのようなファンドなのか?
現状までの利回りと今後の見通しはどうなのか?
という点を中心に紐解いていきたいと思います。
目次
Contents
セゾン投信『資産形成の達人ファンド』の概要
では、まず「資産形成の達人ファンド」がどのような「投資信託」なのかということを見ていきましょう。
セゾン資産形成の達人ファンドの投資対象
セゾン資産形成の達人ファンドが、投資する対象は主に日本を含めた世界の株式市場です。
後で詳しく分析しますがセゾン資産形成の達人ファンドの投資対象地域は運用部の判断で組み替えられます。
また株式市場が過熱感が増してきて割高感が高まってきたと、運用部が判断した場合は債券にも一部投資する場合があります。
セゾン資産形成の達人ファンドはファンド・オブ・ファンズ形式で運用
セゾン資産形成の達人ファンドは、投資信託に分散投資する投資信託です。
料理でも料亭にしか提供されない食材があるのと同じような感覚ですね。
実際、セゾン投信資産形成の達人ファンドが組み入れているファンドは非常に良好な成績を残しています。
以下、各ファンドを組み入れた際の基準価格を100とした場合の2018年末時点での価格の推移となります。
特に橙色のスパークス・集中投資・日本株ファンドSでは2010年の組み入れから4倍以上に成長しています。
当時の日経平均は10,000円前後で、今現在21,000円近辺と2.1倍にしかなっていません。
そのことを考えると、市場平均を大幅にアウトパフォームしている成績を残しているということが出来ます。
また上記の図を見ていただくとわかる通り、簡単に銘柄を入れ替えるわけではなく良質なファンドを選定したら長期投資を行なっているところも評価ができる点です。
アクティブ型?パッシブ型?
世の中の投資信託にはTOPIXや日経平均、米国でいうとS&P500やダウ平均といった指数への連動を目指すパッシブ型(インデックス型)投資信託と、インデックスに対してプラスのリターンを追求するアクティブ型の投資信託があります。
セゾン資産形成の達人ファンドは組み入れているファンドがアクティブ型の投資信託が中心となっております。
そのため、間接的にアクティブ型の投資信託であるということが出来ます。
長期的にアクティブ型の投資信託はパッシブ型の投資信託の成績を下回る傾向にあります。
しかし、セゾン投信は長年パッシブ型を、上回る成績を残している優良ファンドとなっています。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドとの違い
セゾン投信はセゾン資産形成の達人ファンドとセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの二本柱を売り出しています。
セゾン資産形成の達人ファンドは主に株式を投資対象しています。
一方、セゾン・グローバルバランスファンドは世界の株式と債券に半々に投資を行っています。
またセゾン資産形成の達人ファンドはアクティブ型のファンドに投資するファンド・オブ・ファンズです。
一方、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドはインデックス型のファンドに投資するファンド・オブ・ファンズとなっています。
手数料形態
次に手数料形態ですが、購入手数料はかかりません。
信託報酬は以下のように1.35%±0.2%という幅を持って設定されています。
購入手数料 | 0% |
実質的にご負担いただく信託報酬 | 年1.35%±0.2% (税込) |
信託財産留保額(解約時発生) | 0.1% |
(引用:セゾン投信)
セゾン資産形成の達人ファンド自体は信託手数料を税込で0.5724%(年率)に設定しています。
ただ、投資しているファンドにも手数料が発生していることを忘れてはいけません。
投資対象ファンドの手数料と、セゾン資産形成の達人ファンドの手数料を合算で加味すると上記の水準になります。
組み入れファンドもファンドの成績によってセゾン資産形成の達人ファンド内での構成比率が変わってきます。
高い手数料のファンドの比率が高くなれば手数料は高くなります。
低い手数料のファンドが高くなれば手数料は低くなるのです。
いずれにせよ年率1.5%未満という手数料形態は日本のアクティブ型の投資信託の水準からみれば低い値に設定されております。
つみたてNISAで取引可能
セゾン投信は「つみたてNISA」で積み立てることができます。
つみたてNISAは長期的な資産形成を促すために、年間40万円の非課税枠を付与する制度を金融庁が設定しています。
つみたてNISAでは長期投資に適した投資信託を金融庁が以下のフローに沿って選定しています。
上記ご覧いただければわかると思いますが、基本的には指数に連動するインデックス型の投信から選定がなされています。
アクティブ型の投資信託の中で選ばれるには相当厳しい基準を通過しないといけません。
セゾン資産形成の達人ファンドはアクティブ型投信ですが厳しい基準をクリアして「つみたてNISA」対象として選定されています。
iDeCo講座でも取引可能
セゾン資産形成の達人ファンドは楽天証券でiDeCo口座でも取引することができます。
楽天証券の口座をまだ保有されていないという方は以下から開設することができます。
最低投資金額と最低積立投資額
一括購入(スポット購入)は10,000円以上1円単位で、積立投資は5000円以上1000円単位で行うことができます。
先ほど紹介した楽天証券で購入すれば最低100円から、スポット購入、積立購入の両方を行うことができます。
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セゾン投信『資産形成の達人ファンド』のポートフォリオを分析〜国・業種〜
直近のセゾン資産形成の達人ファンドの運用レポートを元にポートフォリオ紐解いていこうと思います。
地域別構成比率を世界の時価総額と比較
セゾン資産形成の達人ファンドは世界の株式市場全体に分散投資を行う投資信託です。
直近の同ファンドの地域別構成比率は以下のようになっております。
以下は世界の株式市場の規模に応じて組成されたMSCI ACWI指数との国別構成比率の比較です。
国名 | セゾン資産形成の達人ファンド | MSCI All Country World Index | 差異 |
アメリカ | 45.6% | 55.9% | -10.3% |
欧州 | 25.6% | 17.0% | 8.6% |
日本 | 12.2% | 7.3% | 4.9% |
中国 | 4.7% | 4.0% | 0.7% |
アジア(除く:日中) | 7.7% | 8.1% | -0.4 |
その他新興国 | 4.3% | 7.7% | -3.4% |
米国株は最大ポーションといえども、世界の時価総額比率に比すると低い比率となっています。
一方、北米比率を低くした分を欧州や日本の比率を高くしています。
現在欧州や日本の株価が出遅れているということを加味した配分となっています。
米国株が2019年度に飛躍的に上昇し既にPERが25倍台と割安感がない水準となっています。
日本株、ドイツ株、英国株はPERが10倍〜12倍と非常に割安な水準です。
適正水準までの上昇を見込んだ投資を行っていると言えます。
特に欧州に関してはBREXITの不透明感で不当に売られている側面が強くなっています。
既に不透明感は織り込まれ今後下落する余地は小さいと筆者自身も考えております。
産業別構成比率をMSCI ALL COUNTRY INDEXと比較
次に産業別構成比率ですが、セゾン資産形成の達人ファンドとMSCI ALL COUNTRY INDEX(一般的にはMSCI ACWI Index)を比較したいと思います。
そもそもMSCI ALL COUNTRY INDEXとは?という方のために簡単に説明申し上げます。
The MSCI ACWI captures large and mid cap representation across 23 Developed Markets (DM) and 24 Emerging Markets (EM) countries*. With 2,784 constituents, the index covers approximately 85% of the global investable equity opportunity set.
(引用:MSCI ACWI Index)
つまり先進国23カ国と新興国24カ国の国々の大型・中型銘柄で構成され、世界全体の投資可能な株式時価総額の約85%を体現するように組成された、世界的指数算出会社MSCIによって発表されている指数です。
要は世界の株式市場全体のおおまかな温度計とも言える指数であるということです。
本論に戻しまして、両者の産業別の時価総額比率を比較したものが以下になります。
特徴的なのはセゾン資産形成の達人ファンドは金融がMSCI ACWIに対して大幅にアンダーウェイトしている点です。
一方ヘルスケアや情報産業といった成長が期待できる分野への投資比率が大きくなっています。
特に金融に関しては先進国でリーマンショック以降低金利がずっと継続しており収益を圧迫していることや、銀行以外からも資金調達を行うスキームもできています。
金融のウェイトを低くして成長産業をオーバーウェイトするのは合理的な選択であると言えます。
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セゾン資産形成の達人ファンドの運用成績
それではいよいよ肝心なセゾン資産形成の達人ファンドの運用成績を振り返っていきたいと思います。
単体の運用成績と利回り
セゾン資産形成の達人ファンドの運用成績をチャートとデータから見ていきましょう。
セゾン資産形成の達人ファンドは世界の株式市場への分散投資を行う投資信託です。
一気にがくっとリーマンショック期に価格を落としています。
ドン底から今年にかけて4倍までの急回復を見せています。
過去の長い株式市場の歴史が証明している通り、たとえ大きな下落があったとしても10年単位で考えると(世界恐慌時を除いて)必ず回復しているのです。
リターンを数字でみると以下のようになっています。
2020年1月23日時点での過去の累積リターンは以下となっています。
1ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 3年 | 設定来(2009年6月〜) |
+3.01% | +10.91% | +25.86% | +39.40% | +134.66% |
設定来のCAGRによる年率換算収益率は6.93%となっています。
運用成績を他の指数と比較する
単体の成績だけを見ていても分からないので、相対的な成績から紐解いてみます。
今回セゾン資産形成の達人ファンド(橙色)と比較対象とするインデックスは日米欧の代表的な指数です。
- 日本:TOPIX(青)
- 米国:S&P500(赤)
- 独:DAX(緑)
- 英:FTSE(黄銅)
まずは直近1年の比較ですが、米国S&P500指数とセゾン資産形成の達人ファンドが堅調に推移しています。
特筆すべきはセゾン資産形成の達人ファンドの高い成績です。
セゾン資産形成の達人ファンドは米国株の比率は50%未満です。
他の日本や欧州、新興国を組み入れているにも関わらず、最も成績がよかった米国株と同等の成績を収めているという点ですね。
次に少し長めにとって直近5年間の成績をご覧ください。
この間、世界市場を索引してきた米国株指数と同様の成績を残しています。
長期的に世界の指数を大きく上回ることができていると言える結果を残していることがわかります。
以下からセゾン投信に口座を開設してセゾン資産形成の達人ファンドを購入することができます。
またさらに分かりやすく世界の株式市場全体を表すMSCI ACWI指数との比較が以下となります。
- セゾン資産形成の達人ファンド(橙)
- MSCI ACWI(黄銅)
明らかに世界の平均的な株価指数をオーバーパフォームしていることが読み取れますね。
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今後の見通し・将来性
達人ファンドは世界の株式市場に投資を行っているので、世界の株式市場の成長が最も重要なファクターとなります。
多少の波はあれど世界経済は企業の利益と再投資の継続で拡大しつづけ、経済の拡大に伴って時価総額も上昇していきます。
1920年代〜1930年代の世界恐慌やリーマンショックのような危機が発生しても長期的に株式市場は上昇し続けています。
以下は、資本主義が200年以上も継続している米国の株(STOCK)、社債(BOND)、BILL(米国債)、金(GOLD)、現金(USD)の推移が以下になります。
現金(USD)はインフレの影響で年率▲1.4%価値が減少しています。
インフレを加味した上で株(STOCK)は年率6.7%で200年以上にわたり上昇をし続けています。
インフレを加味しない場合は年率8.1%の上昇になります。
現在は米国株の続伸で割高感がある水準です。
他の地域特に日本や欧州においては企業業績に対して株価が若干低い数値となっています。
リーマンショックの教訓を経て、過剰なレバレッジに対する規制が敷かれ、まさに経済崩壊になりうる元凶は現在のところ見つかっておりません。
今後の資本主義の継続による株式時価総額を長期的に捉えていくという観点において、セゾン資産形成の達人ファンドは非常に優れたファンドであるということができるでしょう。
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まとめ
セゾン資産形成の達人ファンドは世界経済に分散して投資ができるファンド・オブ・ファンズ形式のアクティブ型の投資信託です。
成績は日本株や欧州株は勿論のこととして過去5年間にわたり世界株式市場を索引してきた米国株と同等となっています。
今後の世界経済の拡大に伴う株式市場の成長をダイナミックかつ長期的に取り込める投資信託です。
金融庁が「つみたてNISA」の対象銘柄として採用しており、長期投資に適した投資信託であるということができるでしょう。
以上、【セゾン資産形成の達人ファンド】評判の投資信託を徹底評価!世界株に分散投資できる魅力的なファンドの現状と今後の見通し。…の話題でした。