「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は運用している商品の収益が非課税になります。
また、拠出額分が所得税だけではなく、住民税の算出対象から除外されることが可能です。
「節税」と「老後の資産形成」の両面からお得な制度です。
iDeCoは開設できる口座が一つに限定されています。
楽天証券とSBI証券の2つを開設することなどは不可能です。
iDeCoの口座開設をする際には慎重に選ばなければいけません。
今回は、数ある証券会社の中で、SBI証券をピックアップします。
SBI証券のiDeCo口座の魅力について、詳しくお伝えしていきたいと思います。
目次
Contents
SBI証券のiDeCoの魅力①:低い手数料
SBI証券のiDeCoのメリットで外せないのは手数料の低さです。
SBI証券でiDeCoを運用した場合の手数料をまとめて一覧にしたものが以下となります。(2020年8末時点最新)
手数料の種類 | 金額(税込) | コメント |
加入移管時手数料 | 2,777円 | ・金融機関による差異殆どなし ・新規開設や企業型確定拠出年金からの 移管時に発生 ・他の証券会社からであれば不要 |
口座管理手数料 | 新規積立行う場合 167円 積立行わない場合 64円 | ・毎月口座を維持するのに発生する手数料 ・楽天証券と並んで業界最安値 ・500円程度発生するところも多い |
給付事務手数料 | 432円 | ・積み立てた年金資産を払い戻す際に必要な 一回あたりの金額 |
還付事務手数料 | 2,109円 | ・掛け金を拠出できない人が拠出した際に、 掛け金の返還を受けるときに発生する手数料 |
移管時手数料 | 4,320円 | ・他の金融機関にiDeCoを移管する際に必要 |
特筆すべきは口座管理手数料が、拠出金を行い積立を行う場合で月167円、
新たに拠出金を行わない場合は月64円という業界最安値となっていることです。
月500円発生する場合と月167円の場合では、月額333円年額にして約4000円の差が発生します。
iDeCoは60歳にならないと資金を引き出すことが出来ません。
仮に30歳の方であれば、年間4,000円×残り30年=12万円の差が発生する計算になります。
長期運用口座であるからこそ手数料には拘った方がよいのです。
現金で12万円ですから、浮いた金額を運用することで数十万円の差になってきますね。
口座管理手数料が低く抑えられている理由は、SBI証券自体としては手数料を徴収していないことが要因となっています。
SBI証券に手数料が発生しないとしても国民年金基金連合会いや事務委託先金融機関へかかる手数料が必ずどの金融機関で開いたとしても発生します。
これ以上引き下げることができない水準ということがわかります。
[掛け金を拠出して運用額を積み立てていく場合]
[掛け金を拠出しない場合]
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SBI証券のiDeCoの魅力②:多くて質の高い運用商品
SBI証券のiDeCoの運用取り扱い数は現在67本と圧倒的本数を誇っています。
証券会社 | 商品数 |
SBI証券(オリジナルプラン) | 67本→35本 (2023年迄) |
SBI証券(セレクトプラン) | 35本 |
楽天証券 | 32本 |
マネックス証券 | 25本 |
松井証券 | 12本 |
しかし、2018年5月1日に施工された『確定拠出年金法等の改正』により2023年までに商品数を35商品を上限とすることが定められました。
万事休すかと思われました。
しかし、SBI証券は新たにセレクトプランを新しく立ち上げました。
より厳選された35本をセレクトプランに組み入れ現在のオリジナルプランを67本→35本に減らすことで対応しています。
また組み入れている投資信託も、長期的な資産形成に適した指数に連動する形のインデックス型投信を主体にしています。
比較的、手数料が低いものを組み入れており、質・量ともに申し分のないラインナップであると言えます。
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セレクトプランとオリジナルプランはどちらが優れているのか?
元々はオリジナルプラン一本でSBI証券はiDeCo口座を用意しており67本もの商品を組み入れておりました。
しかし、前述した通り確定拠出年金法等の改正により商品の上限が35本に定められてしまいました。
SBI証券はiDeCoのサービスの運営を10年以上行ってきております。
その間、インデックス型の投資信託も手数料の引き下げ競争が激化。
当時組み入れたインデックス型の投資信託と同様の内容であるにも関わらず、
手数料が低く抑えられたインデックス型の投資信託が続々と発売されました。
結果的に後々発売された手数料が低くなっていきました。
しかしながら組み入れ可能な投資信託が35本と制限されてしまっては、
新たに発売されてきた長期の資産形成に向いているインデックス型の投資信託を組み入れることができません。
そこで、新たにセレクトプランを設立することになったのです。
上記の経緯からわかる通り、従来のオリジナルプランよりも手数料が低く、同様の形態の商品を厳選して組み入れているのがセレクトプランです。
新規に口座を開設される場合は「セレクトプラン」を選択しましょう。
例えば、外国株式に対して投資を行うインデックスファンド。
日本を除く主要先進国の株式全体に投資をするMSCI・コクサイ・インデックスへの連動を目標にしている商品が存在します。
手数料は以下の通り、セレクトプランがオリジナルプランの半額となっています。
- オリジナルプラン:ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックス (信託報酬0.20412%)
- セレクトプラン:ニッセイ-ニッセイ外国株式インデックスファンド (信託報酬0.1172%以下)
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SBI証券のセレクトプランの株式投資ファンド
SBI証券のセレクトプランの運用商品を紐解いていきたいと思います。
最初の商品である「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は資本主義が始まって以来、最も高い成績を残し続けている投資信託です。
米国へ投資している投資信託-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)がおすすめ-
まずは、200年以上の実績を持つ歴史ある米国株市場に投資している投資信託シリーズです。
ファンド名 | アクティブ型 or インデックス型 | 信託報酬 |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | インデックス型 | 0.1728%以内 |
農林中金・米国株式長期厳選ファンド | アクティブ型 | 0.972% |
大和-iFree NYダウ・インデックス | インデックス型 | 0.2430% |
一番おすすめできるのは「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」です。
S&P500指数は米国株の主要500銘柄の時価総額加重平均指数です。
あの投資の神様であるウォーレン・バフェット氏は、自分が死去した後の資産管理方針について妻に対して以下のように伝えています。
「資産の90%をS&P500指数に、残り10%は政府短期国際に投資しなさい」
高い成績を狙おうとするアクティブ型の投資信託に対して、歴史と実績のある米国の市場平均に投資をする方が、
長期的に大きな資産を形成できると述べているのです。
リターンで換算すると以下のように1870年からの年率約5%のリターンをマークしております。
(引用:S&P500指数長期チャート)
長期的な資産形成において、年率5%というのは非常に魅力的です。
10年で1.6倍、20年で2.6倍、30年で4.3倍に資産を増加させることができます。
また、たとえリーマンショック級の酷い金融危機が発生しても、しっかりと回復しています。
長期的に見れば成長を続けているのです。
つまり、短期的な不況にぶれることなく腰を据えて投資していることを忘れて放置しておけば、いつの間にか大きな資産を築くことが出来ます。
iDeCoの商品の中でS&P500指数に投資できるのはeMAXIS Slim米国株式(S&P500)のみです。
手数料も非常に低水準。
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、SBI証券とマネックス証券しか取り扱いがありません。
どちらかの口座を開設して、iDeCoのポートフォリオの軸に添えたいファンドですね。
日本へ投資している投資信託〜『TOPIX連動』と『ひふみ年金』が魅力的〜
日本株に投資を行っているファンドは以下のようにアクティブ型4つとインデックス型の2つとなっております。
ファンド名 | アクティブ型 or インデックス型 | 信託報酬 |
ニッセイ日経平均インデックスファンド | インデックス型 | 0.17172%以内 |
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | インデックス型 | 0.17172%以内 |
レオスーひふみ年金 | アクティブ型 | 0.8208% |
大和ーつみたて椿 | アクティブ型 | 0.9720% |
野村リアルグロース・オープン | アクティブ型 | 0.9180% |
SBI中小型割安成長株ファンド | アクティブ型 | 1.6200% |
インデックス型としては日経平均連動とTOPIX連動の二つが用意されています。
日経平均とは、日本を代表する225銘柄を日本新聞社が選定する指数です。
TOPIXは東証一部の全銘柄(約1700銘柄)の時価総額の加重平均です。
TOPIXは株価と発行済株数が計算のベースになっています。
対して、日経平均は株価だけが計算のベースとなっています。
そのため、株価が大きいファーストリテイリングやソフトバンクの影響を色濃く受けます。
「日本株全体の成長を安定して享受する」という目的からするとTOPIX連動のeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の方が適しているといえるでしょう。
また、アクティブ型の投資信託として市場平均を上回るリターンを出して人気を博している「ひふみ投信」。
このひふみ投信のiDeCo用商品である「ひふみ年金」に投資することができるのも魅力の一つですね。
新興国株へ投資している投資信託
新興国株に投資するファンドについてもここで触れておきます。
新興国全体の時価総額加重平均指数の一つである「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」。
この指数と連動する成果を目指す「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」が用意されています。
ファンド名 | アクティブ型 or インデックス型 | 信託報酬 |
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | インデックス型 | 0.20412%以内 |
新興国の経済規模は既にGDPベースで世界全体の40%を占めています。
それにも関わらず、株式市場の規模である時価総額でみると、全体の20%未満と割安感があるので仕込むのも一つの手です。
しかし、価格変動(ボラティリティ)が大きいのは注意です。
長期的な資産形成を考えると少額ポーションに抑えておいた方がよいでしょう。
複数地域をまたにかけた(含む全世界)株式市場に投資している投資信託
SBI証券のiDeCo口座は、複数地域に跨る株式市場に投資を行う投資信託も豊富に用意されています。
インデックス型が6種類、アクティブ型が4種類用意されています。
ファンド名 | アクティブ型 or インデックス型 | 信託報酬 |
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | インデックス型 | 0.15336%以内 |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.11772% | |
ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.11772%% | |
SBI全世界株式インデックス・ファンド | 0.15000% | |
日興インデックスファンド海外株式ヘッジあり | 0.3024%% | |
SBI-EXE-iグローバル中小型株式ファンド | 0.33040% | |
ラッセル・インベストメント外国株式ファンド | アクティブ型 | 1.4364%% |
朝日Nvestグローバル バリュー株オープン | 1.94400% | |
セゾン資産形成の達人ファンド | 0.15%程度 | |
SBI-ハーベスト・アジア・フロンティア株式ファンド | 2.0972%程度 |
インデックス型では以下のようにそれぞれ投資している地域がことなります。
- SBI全世界株式インデックス・ファンド:全世界の株式
- eMAXIS Slim 全世界株式:日本以外の全世界の株式市場
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス:日本以外の先進国
- ニッセイ外国株式インデックスファンド:日本以外の先進国
- 日興インデックスファンド海外株式ヘッジあり:日本以外のの先進国
全世界に分散投資をしたいのか?
日本は微妙なので日本以外の先進国に投資をしたいのか?
日本以外の全世界の株式市場に投資したいのか?
それぞれの趣向によって、商品を選択することが出来ます。
また先進国全体に投資したい場合、日本以外の先進国に投資するファンドに投資。
そして、TOPIX連動ファンドを組み合わせることにより、先進国全体に投資を行うことができるようになります。
日本以外の先進国に投資を行う三つのファンドについては最も手数料が低いニッセイ外国株式インデックスファンド。
または、eMAXIS Slim先進国株式インデックスのどちらかを推奨します。
アクティブ型としては、セゾン資産形成の達人ファンドが過去10年間でアクティブ型の投資信託の成績を上回るパフォーマンスを挙げています。
こちらも、投資対象として検討してみるのも良いでしょう。
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SBI証券のセレクトプランの債券ファンド
債券ファンドは以下の4つのファンドが用意されています。
ファンド名 | アクティブ型 or インデックス型 | 信託報酬 |
大和-iFree 新興国債券インデックス | インデックス型 | 0.15012%以内 |
日興-インデックスファンド海外債券ヘッジあり | 0.2808% | |
eMAXIS Slim先進国債券インデックス | 0.1836%以内 | |
SBIボンド PIMCO 世界債券アクティブファンド | アクティブ型 | 0.81432% |
新興国債券は現地通貨ベースでは年率5%〜10%のリターンを見込める新興国があります。
しかし、日本円ベースでみると対円レートに換算すると大幅にマイナスに転落する可能性のある、ハイリスク・ハイリターンの投資先となります。
債券投資を行うのであれば、eMAXIS Slim先進国債券インデックスが安定した値動きをします。
eMAXIS Slim先進国債券インデックスは米ドルを始めとした主要国通貨に通貨分散を行うことができるため、
資産の安定性に寄与するファンドとなります。
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SBI証券のセレクトプランのREIT・商品
株式市場と債券市場以外にもリートや金投資ができる純金ファンドも取り揃えております。
ファンド名 | アクティブ型 or インデックス型 | 信託報酬 |
三井住友・DC外国リートインでクスファンド | インデックス型 | 0.2916%以内 |
ニッセイJリートインデックスファンド | 0.27%以内 | |
三菱UFJ純金ファンド | 0.972%程度 |
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SBI証券のセレクトプランのバランスファンド
色々な資産を組み合わせるのは難しい。
どのように商品を組み合わせるかわからない。
そのような方に向けて、SBI証券のセレクトプランでは、様々な資産を分散して組み合わせた、パッケージ型の投資信託も組成されています。
ファンド名 | アクティブ型 or インデックス型 | 信託報酬 |
SBIグローバル・バランス・ファンド | インデックス | 0.2891% |
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | 0.62%程度 | |
eMAXIS Slimバランス (8資産均等型) | 0.17172%以内 | |
SBIセレブライフ・ストーリー2045 | アクティブ型 | 0.696%概算値 |
SBIセレブライフ・ストーリー2025 | 0.6873%概算値 | |
SBIセレブライフ・ストーリー2055 | 0.684%概算値 | |
SBIセレブライフ・ストーリー2035 | 0.6922%概算値 | |
大和-iFree 年金バランス | 0.17172%以内 |
eMAXIS Slimバランスは、以下をバランスよく混ぜ合わせております。
また、手数料も低いことから、色々と考えるのが億劫な方にはおすすめできるファンドです。
- TOPIX
- 日本株以外の先進国株
- 新興国株
- 日本の債券
- 外国債券
- 世界の国債
- 新興国債券
- 東証REIT
- 先進国REIT
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは債券と株式に比率を50%:50%に保って運用しています。
リスクを抑えて安定的なリターンを出しています。
リターンを求めるのであれば株式に投資を行っているセゾン資産形成の達人ファンドを選択した方がよいでしょう。
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まとめ
SBI証券のiDeCo口座は業界最低水準の手数料で更に豊富なラインナップを揃えております。
最近できたセレクトプランは信託手数料が低く長期的な資産形成に資するインデックスファンドが数多く盛り込まれています。
自分のリスク許容度に応じてバランスよく資産を組み合わせていきましょう。
SBI証券のiDeCoの運用商品を元にリスク選好度別におすすめできるポートフォリオについても別コンテンツでまとめています。
参考にしてみてください。
以上、【SBI証券のiDeCo口座】手数料が低い証券口座の魅力!オリジナルプランとセレクトプランの違いからおすすめの運用商品とその組み合わせまで徹底解説。…の話題でした。
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